昨夜土曜日は楽しみにしていた『GWOアンプラグド with 井上民雄』でした。
いや!素晴らしかった。
リハーサル段階から、確信していましたが本番はさらに素晴らしかった。
しっかりとした、プロフェッショナルな技術を持ったミュージシャンが
共通した高いモチベーションを保ち共演するとこうなる、という見本のような夜でした。
素直に感動した俺でした。
ゴールデンワックスオーケストラ、スタンブルバムの井上民雄。
この日の両者に共通した方向性は
ふくよかで余裕のある穏やかな演奏を、シンプルに高い緊張感をもって奏でる、というものでした。
これは一見、井上民雄の土俵のようで実は彼にとっては(彼の音楽性に近いだけに)なかなかハードルの高いものだったように思います。
だって、じゃぁ普通に演ればいいの??ってことですよ。
そんな井上民雄。気持ちが入っているのはわかっていましたが、良いだろうと予想していた以上の演奏を聴かせてくれました。
余裕のある穏やかな演奏ながら力強い、抽象的ですがグッとくる演奏。
これまでに聴いた彼のライブでは、穏やかながらピリリとした緊張感で痺れるような感激を味わったことはありました。でもこの穏やかで余裕有りつつ、強く胸に迫ってくる感覚は初めてだったように思います。
歌声も良かったのですが。抑制のきいたギタープレイが秀逸。
緩急自在というよりは、抑えた感情が込もったサウンドはグルーヴ感たっぷり。ああ、アコースティックギターってこうやって鳴らすんだなぁと思ったものです。
ハラが座っているというか、揺らぐ事のない世界感にじわっと感激が広がりました。短い言葉が意味以上を持って漂い、迫ってくる。
俺、あんまり彼の本質がわかってなかったのかなぁ。こんなに良い歌を書く人だったんだ、と改めて思いました。お恥ずかしい。
終盤にはスリルや緊張感以上に一緒に演奏するひと時を大切にするかのような、ゴールデン近藤哲平くんとのデュオ演奏。
曲ごとに大きな拍手。そして熱烈なアンコールにも「次はゴールデンワックスオーケストラをお楽しみ下さい」と応えなかった民雄くん。
出し切ってくれたんだね。素晴らしいライブをありがとう。
そしてホストのゴールデン近藤率いるGWO。
事前の言葉通り、いつもの「ソウルミュージックは汗かいてナンボ」から「汗をかかずに聴かせる」にテイストを変えて臨んだこの日。
「別に汗かいてもえいやん」と思ったりもした俺でしたが…有言実行の近藤哲平、しっかりゆったりと「歌」を聴かせてくれました。
譜面ではなく歌詞を見ながら吹く、という独自のスタイルの長所が強く伝わってくる演奏でした。
この日のためにギルドのアコースティックギターを買ったという美田くんのプレイもツボを抑えたなかなかの歌ソウル具合。
哲平くんのクラリネットは汗を抑えたぶん、音色の艶というかグラディエーション具合が繊細でシャウト系とはまた違ったソウルミュージックを聴いている気分でした。
初めて披露された『I wish I Knew…』素晴らしかった。
でもそれ以上にいつも聴いてるジャッキーウィルソン『Lonely Teadrops』なんかを違った色で聴けたのが新鮮で嬉しく感じました。
最後は井上民雄を呼んで3人で。
本編終えて緊張感は保ちつつ、リラックスした演奏!
この日のGWO、哲平くんは
本人が意識してかどうかはわからないけれど
(一緒に演奏しない部分を含めて)井上民雄の良さを引き出し、そしてその引き出した良さの中で自分の音楽の本質的な良さを披露するといった展開に終始していたようにも感じました。
結果、彼のミュージシャンシップの確かさや深さを存分に味あわせてくれるライブとなったように思います。
血管切れそうにシャウトする(例えです)姿もいいけれど、汗をかかない演奏を聴かせることによって、井上民雄というミュージシャンの素晴らしさを際立たせることによって
結果的に我々は普段見えづらい彼の魅力を見ることができたように思います。
うーんなかなかクセ者です(笑)無意識なんだろなぁ〜
哲平くん、次回は12月16日(金)バイユーゲイト11周年記念LIVEシリーズのトリとして『W.C.カラス&近藤哲平』のデュオで出演していただきます。GWOは来年ですね。
井上民雄くんは10月15日(土)ムーニー&スピーディー / 井上民雄 という魅力的な組み合わせのLIVEが控えておりますし、12月のバイユー11周年記念LIVEシリーズへの出演も計画中です。
どちらもお楽しみに!
最後に
近藤哲平くん、彼は音楽で語ることのできる本物のミュージシャンですが…
文章でも表現力豊かです。
井上民雄くんの音楽の魅力について語った
この文には感銘を受けました。
是非ご一読を。