土曜日は好評企画の第3弾。『ブルースから3歩進んで2歩下がる 3』でした。出演者の多くがMCで話題にするこのタイトルが相応しいかどうかはともかくとして…。今回もブルースを根っこに持ちながら自分のスタイルで演奏を続ける3組が見所たっぷりのLIVEを繰り広げてくれました。
まずは山梨で農業を営むキャットニャンダフルフォーク部(竹田信吾)。
W.C.カラス周辺で話題になっていた彼、ようやく聴くことができました。噂とおりのオリジナリティ!「ムラムラムラタくん、西Kグチへ♪」「社長、シャチョーシャチョーベリーダンスと平和の好きなシャチョー♪」と歌われる独自の世界観の歌とギタープレイ。最近は音楽活動はほとんどしていなかったとのことですが、そんなことを感じさせない演奏ぶり。ブルースから離れれば離れるほどにブルース臭が強まるような特異な佇まい。堪能しました。
2番手は本当に久しぶりのCHIHANA。丸3年ぶりくらい!当たり前ですがオトナっぽくなっていました。それは演奏にもくっきり。背伸びしての泥臭さや枯れた味を感じさせるのではなく、身の丈にあった表現方法を掴みつつあるようです。序盤のブルースからして以前とは少し違う手触りだったのですが、終盤に演奏した自身のオリジナルやダン・ペン作品での歌声は等身大というか自身の年齢や経験に相応しい説得力が有りなかなかに魅力的でした。
前述の「オトナっぽくなった」が渋くなったりアダルトになるのではなくこちらの方向にというのが素晴らしい。と思いました。
最後はJOJOサワド&PONYBOY野中。中央線ブルース界の生き字引?なベテランデュオ。
ブルースをプレイしてもいわゆるブルース的な味とは違って聴こえるのが流石の深み、でした。JOJOさんのユルいグルーヴと野中さんの飄々とした歌い回しは派手なオリジナリティが際立つわけではないのですが実は結構「変わってます」。悪い意味じゃありませんよ。念のため(笑)このふたり、ユルそうに見えて実は凄腕。野中さんのギターの微妙~な引き出しの多さ。そしてあまり認識されていないことかもしれませんがJOJOさんのスライドギターは凄い!(コージー大内『ばってんブルース』でのプレイは絶品)この日もアンコールに披露されましたが、そのニュアンスの豊かさたるや…。
と、今回もバッチリの『ブルースから3歩…』でした。次回もお楽しみに!