バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

ブルース&ソウル・カーニバル2012を満喫。…ゴトウゆうぞうさん素晴らしかった!

2012-05-30 | 音楽

日曜日は日比谷野音にて『ブルース&ソウル・カーニバル2012』にバイユー組で参加。天気も良く、晴天の野外での楽しさを満喫しました。折しも日比谷公園ではドイツビールの祭典『オクトーバーフェスト』が開催中で、開演前に一杯!と思ったのですが、あまりの人出、あまりの行列に断念。だって俺はトップバッターのゴトウゆうぞうさんを観たかった聴きたかったのだ。なんとなく予感がしたのだ。結果的には、これが英断でした!

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とまぁ、2年振りに野音に帰って来たブルースカーニバル、やっぱり楽しい。多くの知り合い、バイユー出演ミュージシャンの方々と会えるのもこの日この場所ならでは。開演前からほぼ満席。久しぶりに観る大入りのカーニバルだ。喜ばしい、けれどあの主催者渾身の「ソロモン・バーク、大所帯バンドで登場」の時よりずっとずっと入りが良いことに複雑な気持ちになる。

昨年に引き続きのジョニー・ウィンターはやっぱり素晴らしかった。登場時や後半に立ち上がって演奏するなど体調も良くなっているようでひと安心。演奏内容はほぼ同じだったけどイキが良かったように感じました。自分は本来あまり好みではない長尺のブルースギター、真っ白いジョニー・ウィンターの奏でるスローブルースは本当に真っ黒だった。圧倒されました。終演後も話したのだけれど、今となってはホンモノの『Got My Mojo Workin'』を聴かせてくれるのはジョニーしかいないのでは?と思う。この曲を演ってビジネス的でないというか、必然性を感じさせる人ってもうそういないのでは?B.Bなら納得?でも必然性ではジョニーに軍配があがるような気がする。彼が歌う時、マディの横で弾いていた姿が透けて見えるようだ。とことん白い肌で黒光りするマディのブルースに寄り添って立った彼の持つリアリティが迫ってくるような気がするのです。しかしスローブルースには圧倒されました。
最後は一見、セッション形式で『Dust My Broom』。ここでジョニーアニキが凄みを魅せました。なんと、他の人にソロを回さない!!ええ??ってくらいに回さない。ひとりで凄い勢いで弾き歌う。もう終わりってくらい演ってもまだ回さない。「誰にも回さないのか!?」と客席がざわめき始めたころ、ようやくサニー・ランドレスに弾かせる。しかしすぐに歌い始める。そしてまた弾き始める。最後までそんな調子で終了。老いてもテキサス・ギタースリンガーの凄みは不滅でした。…しかし(笑)

セミファイナルのサニー・ランドレス、念願の初体験でした。長らく音源では馴染んで来たあの超絶スライドを遂に生体験しました。とにかく凄い。なんだかよくわからないくらいに凄い。…でも正直、僕はギタープレイはあれほど凄くなくてもいいかな。これでもかっていう超絶の演奏に集中力が持ちませんでした。インスト中心でしたしね。誰もが思ったことでしょうが名曲『コンゴ・スクエア』を演ってくれれば良かったのに。でも彼がどれだけ凄いかは良くわかりました。

久しぶりに観た近藤房之助、房さん。貫禄のステージでした。最後の『Same Old Blues』のような楽曲でお客さんを掴む姿は流石のひと言。とにかくウケていました。若いなぁ、自転車の力でしょうか…。ゲスト?のKOTEZのプレイも素晴らしくまさにブルース!でした。終演後2人と、特に房さんとは本当に久しぶりに話すことができて良かったです。

で、この日僕のココロを揺さぶったのは。3日が経過して最も印象に残っているのは。ドイツビールを断念してアタマから観た『ゴトウゆうぞう ワニクマデロレン&マキ』のステージでした。
本当に素晴らしかった。まだ余韻が残ってます。
先日、友人のお葬式代わりのお別れ会で彼が歌うのを聴いて、いつもの司会だけじゃない素晴らしさを知り(CDは聴いていたけど)今回も楽しみにしていたのですが、予想以上でした。1曲目から「え??」という感じで最後はホント、熱いものがこみ上げてきそうでした。おちゃらけの中に挟み込む、今の世の中で暮らすことへの思いとメッセージ、押し付けがましくも無遠慮に同意を求めたりもしない。言いたいことには笑いをまぶす。ふざけているようで細部まで本気の真剣勝負でした。「どないなっとんね」の歌詞、なんて彼の繊細さが伝わってきて胸が熱くなったよ。誠実さ、かね。前述の友人のお別れ会でも歌った、カリンバでの『What a Wonderful World』。晴天の下、ビールを飲みながらコンサートを楽しむ。笑う、その意味をさりげなくも深く感じさせてくれる素敵な説得力でした。観客総立ち!という反応ではなかったけど客席にじわじわと熱いものが広がっているのが伝わってきました。最後の曲のコール&レスポンスでは笑顔で涙が出そう、な感じになりました(泣けた、という方もいました)。最高でした。グッときました。Yeah~!!!流石ブルース・カーニバルの顔!

楽しい野音でした。来年も行きたいです。
行きましょう。


マチケンマラソンLIVEが三鷹までやってきた!

2012-05-30 | ライヴ報告

ウワサの『24駅、24日間連続マチケンマラソンLIVE』、月曜日は第13夜!とうとう三鷹までやって来ました。バイユーには『町田謙介&牧裕+シータθ』での出演。
マチケンサポーターのバイユーだけあって連日LIVE開催中ながら大入り。僕もホッとしたのでした。
前日夜に携帯で話したときからわかっていたのですが…12夜連続LIVEを経てもマチケンさん、元気です。当日あってもいつもの町田謙介。声もいつも通りです。食欲もあるよ、とのこと。
どの店でも言われるようなのですが、いつもと違った町田さんを想像していたので(本人には失礼ながら)ちょっと拍子抜けしました(笑)リハも歌ってこなすので本当に13日連続でやってるのか~?という感じでした。

そしてLIVE!そりゃあもう素晴らしかったです。特別なツアー中ということもあって少し非日常な佇まいも感じられる素敵な演奏。牧さんのベースがいつも以上に太く迫ってきたのが印象的でした。この2人のデュオは繊細なシンガーソングライターものに加え、イングランドのバラッド(伝承歌)やトラッド的な手触りの楽曲を2本のアコースティック楽器の絶妙なハーモニーで聴かせるのが特徴です。メロディ重視の繊細さと緊張感がなんとも心地良く、そこに乗っかる町田さのあの特徴的な独りハーモニーのような声…まさにめくるめくという感覚。
この日はそこにほぼ全編で、町田さんとの声の相性が驚異的に良いシータθが参加。ハーモニーがもうひとつ加わりなんとも深かった!シータ、頑張ってました。これまでバイユーで何度もコーラスする姿を観て来ましたが、特に良かったです。本人はかつて「…私、J-POPですよ」と遠慮気味に言ってましたが、ソロで歌った曲もこの先の展開が期待できる出来でした。一筋縄ではいかないバンドマン達と渡り合うことで得た肥やしが徐々に効いてきているのではないでしょうか?秋頃バイユーでメインとして初LIVEの予定です。

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町田さんの歌声は強靭です。たっぷり2ステージ!そのうえバイユーに集ったお客さんたちの(従業員含む)容赦のない熱烈なダブルアンコールにもしっかり応えてくれました。凄い!!終演後の打ち上げにも(店に気を使ってのはず)当然のように参加。ホント凄い人です。

いよいよ後半に入ったマラソンLIVE!皆さん是非どこかに駆けつけることをお薦めいたします。完走祈願!!