AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

因習と差別(2)

2015-10-05 18:38:12 | アイディアのIdentity






現場時代 もう行かないであろう所に国内も国外もロケ撮影で参りました。監督は私の一番信頼しております佐古彰彦監督、佐古監督は藤谷美和子 をはじめて使い、あの名作CMを世に出した名監督です。三共さんの「反省猿」も監督のおかげで多くの賞を頂きました。私にとって監督は、最も信頼できる監督でした。今でも一線で活躍なさってます。
オーストラリアのお臍と呼ばれるエアーズロックにも参りました。当時はホテルが2つ コンビニにドリンクバーくらいしかありませんでした。観光客は2泊でしょうか?バスで来て翌日エアーズロックを登り、帰るというのがこの地を訪れた方々のスケジュールでした。我々だけが撮影の為 長期滞在しておりました。コンビニに参りましたら、長い列です。先頭にアボリジニーの女の子が待っているんですが、レジの若い女性、はこの子を無視しているんですね。オーストラリア ニュージーランドにも何度も海外ロケで行ってましたが、はじめてオーストラリアの人種差別を垣間見た次第です。「何でずーっと待っている彼女を無視しているんだい?」何処に行ってもついつい口を出す悪い癖が出てしまいました。アメリカ大陸の先住民はインディアンインディアン、オーストラリア大陸の先住民はアボリジニーです。先住民達には政府から給付金が出るそうで、元来 働かない方も多く、オーストラリアの白人達にはそれが人種差別に拍車をかけているんですね。
「2008年2月13日の議会で、ケビン・ラッド首相は、先住民アボリジニに政府として初めて公式に謝罪した。同日の議会には約100人の先住民らが傍聴する中で、同首相は「Sorry」の語を3度使い謝罪した。議事堂の外には全国から詰めかけた数千人がテレビを通じて謝罪の言葉を聞いた。」何故 白人至上主義は未だ未だ根深い人種差別を行っているのでしょう。因習も差別に繋がっているかも知れません。

2015年、カンヌライオンズでは、“性差別や偏見を打ち破るクリエイティブ”を讃えるため“Glass(グラス)”部門が新設されました。
企業・ブランド:インドの生理用品ブランド「Whisper India(ウィスパー)」(P&G)

キャンペーン名:Touch the pickle(ピクルスに触ろう)







インドには女性の生理を”恥ずべき呪い”と捉える古い慣習が根強く残っています。生理期間中の女性は台所に入れないなど日常生活でも行動を制限され、家庭にあるピクルスの壺に生理中の女性が触れるとピクルスが腐るという迷信があるほど。
このような文化が性差別や偏見につながっていると考えたウィスパーインドはこの悪しき慣習を断ち切るべく「TOUCH THE PICKLE(ピクルスに触ろう)」をテーマに掲げた動画を公開しました。やはり物事は「多面的に考察すること。」だと思います。守っていかなくてはいけないその民族にとっての文化遺産もあれば、儀式で亡くなる子供達が多ければ、それは因習として考えなくてはいけない悪習となるのです。