まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

3474. 計算、続き^6

2021年07月29日 | 日記

 通信の物理層の話をするとイメージが湧きやすいと思えるので、先にやっておきます。

 私が最初に買ったCPUはZ80で、これは40ピンのICです。セットで売られていて、他にPIOとCTCと1kbitのダイナミックRAMが安っぽいプラスチックケースに入っていました。そう、このチップ群でマイコンを作れ、ということ。たしか私が買ったときは8000円くらいだったと思います。

 PIOはパラレル入出力のことで、単に8bitレジスタの入力と出力がICの端子に出ているだけです。8080系なので、機械語のin命令でその8bitの信号がCPUのAレジスタに転送され、out命令でAレジスタからICの端子に出力されます。ものすごく簡単な動作で、しかし当然ながらこれが基本で、現在の組み込み用マイコンにも同様の仕掛けが普通に付いています。
 出力先はたとえばプリンタで、当時のプリンタは非常に簡単な動作で、ASCIIコードの「A」を出力するとプリンタが受け取って「A」を印字します。復帰・改行と組み合わせると、普通に印字できることは分かると思います。
 しかし、パラレルですから8bit分の8本の信号線と、少なくとも1本の制御線が必要です。実際にはプリンタの場合はセントロニクスインターフェースと言って、USBが普及するまでは随分長く標準としてパソコンに付いていました。

 紙テープも8単位、つまり穴が縦に8個開けられるテープだと8bitのパラレルポートが利用できます。私は当時、ジャンクとして売られていた紙テープパンチャと、こちらは完成品の手動のダイアルで紙送りする紙テープリーダーを繋ぎました。簡単な装置ですが、アマチュアが適当に設計するとなかなか動作が安定しない経験をしました。本来は抜群の信頼性の機器です。

 入力と出力を1本ずつで済ませるには、SIO (シリアル入出力)と呼ばれるICを使用します。しかし、当時はかなり高度なICで比較的に高価だったのでセットには入っていませんでした。
 RS-232Cと呼ばれる信号線と電圧とタイミングの規格があって、これも長らくパソコンの標準として使われました。相手はモデムで、電話線に繋ぎます。
 非同期型の動作が分かりやすく、普段は高電圧(H)で、転送開始にはスタートビットで低電圧(L)を1個入れてから、ASCIIコードを1bitずつ上位からH/Lで送り、最後にストップビットとしてHを1個入れます。ですから、この場合は8bit送るのに10個分のタイミングが必要です。
 テレタイプでは110ボーと呼ばれる1秒間に約11文字が転送できました。テレタイプ自体は何と機械式で、上記の信号を送信・受信します。
 電話線では、HとLにそれぞれ特有の周波数を決めて通信するのが基本です。パソコン通信は1200ボーあたりから始まり、9600ボーくらいまでがよく使われました。
 パソコン同士を繋ぐときは、RS-232Cをリバース接続して、互いに入力と出力をつなぎ合わせます。この場合はもっと高速にすることが出来ました。

 ソフトから見ると、SIOもPIOと同じく、in/out命令で8bit情報を読み書きするだけです。記憶保持、つまりバッファは1語あるかないかですから、受信したら直ちに主記憶装置に取り込まないといけません。そのために前項で取り上げた割り込みの動作があります。
 つまり、SIOは1語受け取ると割り込み信号線をアクティブにしてCPUに信号が届いたことを知らせます。CPUは動作中のプログラムを一旦棚上げして、SIOのレジスタから主記憶の所定の場所に信号のビットパターンを受理します。出力時も、信号が完全に転送されたら次の語を用意しますが、CPUがずっと待つのは非効率なので、こちらも普通は割り込みを使用します。PIOも通信に使うのなら、同様の感じとなります。

 イーサネットでは通信の単位はパケットで、1.5KB(キロバイト)くらいの情報を一気に転送します。今は電話線みたいなケーブルで、スイッチングハブで中継するのが普通でしょう。元はイエローケーブルという太い同軸ケーブルで、無線通信みたいにMACアドレスを指定すると、コールサインしたように相手先に届きます。現在も見かけの動作は同じです。
 通信の単位量が増えただけで、通信の手順はSIOやPIOを使った場合と同様です。イーサ用のICチップが途中の通信をすべてこなしてしまい、CPUはその1.5KBのパケットを取り扱うだけでよろしいです。


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