まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

4136. 楕円関数、複素平面編

2023年07月23日 | 日記

 ヤコビの楕円関数の複素平面表示、はとても印象的な図が出てくるので、ネットに散見されると思います。これもその一つ。プログラムが一応の完成を見たと判断したので公開します。数学愛好家の趣味の範囲でご活用下さい。

 まず、図から。sn(u, k) (k = √(1/2))です。
(sn)

 これが最も典型的なヤコビの楕円関数の複素平面表示の結果と思います。

 数学的意味を知りたい方は、「森口繁一他。岩波 数学公式集 III。岩波書店(1960/1987)」の40ページの「sn(u, k)」の図をご覧下さい。本図では平行四辺形では無く2:1の長方形になっていて、中央が(0)、少し右の白線の十字路が(K)、その右の青系の灰色の楕円が集中している所が(2K)、画面左側の同様の絵の所がこれも(2K)で、(3K)を経て中央に戻ります。つまり、実数軸方向には4Kの周期関数であることが分かります。
 今度は中央(0)から上に行くと、赤系の楕円が集中している所が(iK') (iは虚数単位)で、その上に再び中央と全く同じに青系の楕円が集中している所が(2iK')で、虚数軸方向には2K'の周期関数であることが分かります。つまり、関数sn(u, k)は定義域が複素平面で4Kと2K'の二重周期を持つ関数です。

 ちなみに、今回上げる3図の母数(modulus) kの値はいずれも√(1/2)です。k値を変えると等高線などが違う様相を見せますが、それは近々ご覧いただけると思います。

 次が、今回最も印象的だったcn(u, k) (k = √(1/2))の図。
(cn)

 cn(u, k)の周期は、実数軸方向(中央から左右へ)は4Kで、虚数方向は右上45°方向に見られ、(2K+2iK')です。中央と同じ図柄が見えるでしょうか。こちらは周期平行四辺形(群論で言う基本領域)が横が4K、縦が2K'の高さの平行四辺形になっています。

 この図cn(u, √(1/2))で、図の読み方を解説します。中央の白線がクロスしている所がガウス平面(複素平面/複素数平面)の中心、(0+0i)です。水平線が実軸(純実数)です。k = √(1/2)の時のK値は1.8541なので、右の青系の楕円が集中してる(K)の座標は(1.8541+0i)です。中心から上下に虚軸が走っていて、この白線の部分が定義域の純虚数です。中央上の赤系の楕円が集中している所が(iK')で、K'値は1.8541なので座標は(0+1.8541i)です。

 K=K'なのはk=√(1/2) (0.70711)の場合だけです。他のk(0≦k≦1。楕円関数の母数。楕円の離心率に相当)ではK≠K'となります。本プログラムでは周期を固定しているので、他のkを与えた場合も図の上ではKとK'が等長に表示(図の例は次回以降に)されます。

 まず、中央付近の図が気になると思いますので先に解説します。白線は関数値が純実数(虚数=0)の場所です。斜め45°方向に黒線がクロスしている場所が見えると思います。黒線は純虚数(実数=0)の場所です。ヤコビの楕円関数ではどちらも水平線と垂直線になってしまうようです。
 さっきから赤系・青系の灰色の楕円と言っているのは関数値の絶対値の等高線です。中央では隣接していて、境界部は絶対値1の場所です。中央のcn((0+0i), k)の関数値は(1+0i)で、そのことを示します。中央右の青系の灰色の楕円が集中している(K)の場所は(K+0i)で、関数値は0 (0+0i)です。少しだけ明るい青系の丸が見られて、ここが零点、つまり関数値(0+0i)付近ということを示します。この青丸は等高線とは別に打っています。
 中央から上、(0+iK')の場所の赤系灰色の丸は極、つまり無限大というか分母が0になる点の付近です。

 ですから、青系の灰色の等高線図は絶対値が0~1の、リーマン球面で言えば南半球の部分です。赤系は1~∞の北半球です。色はプログラムで適当に変更できます。この赤系・青系は学習用棒磁石の北極がなぜか赤色が多いようなので、そうしました。無限大(極)が赤色点で、0 (零点)が青色点です。

 背景の虹色は関数値の複素数の偏角を示します。マゼンタと赤の中間のピンクの部分が0度(正の実数)付近、黄が90度(正の虚数)付近、シアンと緑の中間の草色の部分が180度(負の実数)付近、青が270度(負の虚数)付近です。

 最後がdn(u, √(1/2))のグラフです。
(du)

 何となくdn(u, k)とsn(u, k)のグラフが同様の感じがするのはその通りだと思います。3図とも極の位置が同じなのは注目点です。

 最後に、3図と同時にプログラムが出力する定数のテキストファイルを示します。

elliptic function constant
k =    0.70711, k^2 =        0.5, k' =    0.70711, k'2 =        0.5
K =     1.8541, K' =     1.8541
q  =   0.043214, te2(0) =    0.91358, te3(0) =     1.0864, te0(0) =    0.91358
q' =   0.043214, tf2(0) =    0.91358, tf3(0) =     1.0864, tf0(0) =    0.91358
horizontal: WT =   1024, CT =    0.00125, D =     0.0025
vertical:   HT =   1024, CT =    0.00125, D =     0.0025
n pole (infinity) area =      0.001, s pole (zero point) area =      0.001


 k^2はk値の自乗です。k'は補母数。qは計算途中で出てくる楕円テータ関数の入力変数で、本来はk値から算出されるものです。te…とtf…は計算に必要な楕円テータ関数の定数です。
 WTとHTは図の横と縦のドット数。CTは中央の値で、Dは隣接するドットとの差分値です。多少の理由があって、半ドット分中央をずらせています。0に指定することはできます。最下行は極と零点のドットの大きさです(単位は独特で、グラフを見た感じで調整する値です)。

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