amazonで注文していた英語の数学百科事典が届きました。初版が1998年で、届いたのは第二版で2003年刊で、米国製のようです。とても良い百科と思いますが、増刷は今は無いみたいで、手に入れたのは古書です。見返りに書き込みがあって、一つはクリスマスプレゼントが云々と。ほぼA4判で3200ページくらいあります。
内容には非常に特徴があって、とみに有名な日本の岩波の数学辞典とは異なり、普通に我々が想像する数式や幾何学図形がたくさん出てきます。岩波の数学辞典は、私には、私の想像が間違っていることは検出できますが、それ以上の情報がなかなか得られないです。たまに役立つのは主に巻末の表です。こちらは、読んで楽しい感じ。
私が例の古典幾何学書の翻訳に四苦八苦していると見られたらしく、図学の恩師から短期間借りているもので、ですから今は書店では(多分)手に入らず。amazonでポチったら、届くのは2ヶ月後の7月下旬と。さっきamazonのサイトを見たら、7月上旬から下旬に届く、となっていました。本日届きました。
大きな袋に入っていて、何が届いたのかと思いました。まだ3200ページの内、500ページくらいしか読んでいませんでした。ええ、この類いの辞典は、どこに何が書かれているのかをざっと調べるために、私は冒頭からくまなく読む習慣があります。古典幾何学に関する、ある事項、とある三角形の点(重心とか内心とかの類い)を探していることもあるので、それなりのゆっくりした速度で。
たしかに、古典幾何学の星と呼ばれる図形の解説はありました。ただ、惜しいことに使用例は無く、こちらはこつこつと探さないといけません。また、私が最初は思いっきり誤訳したcoherent indexに関しては…、多分、出ていません。まあ、これにはとある理由があって、対称図形からキラル、つまり左右非対称の図形を引き出す手技で、あまりにマイナーな話題なのか、まだ解説を見たことがありません。
一方で、アインシュタインの一般相対性理論で出てくるテンソル(ベクトル)の共変、反変は、微分形式とか1形式と結びついていることがいかにもさらっと解説されていて、さらに私はここで初めて知りましたが、多分ディラックが言い始めたブラとケットと直接に関係するみたいです。ケットが反変ベクトルで普通のベクトル、ブラが共変ベクトルで1形式のことみたいです。って、最初からそう書いて欲しかったですよ、普通の量子力学の解説書様。いきなり分かったように書かれても、どうにもとりつく島が無いです。
初期の量子力学が難解なのは、このあたりの概念が整理されていなかったのが大きいと思います。特に数学的概念の反変ベクトルと共変ベクトルの導入によって、物理的実態に近い微分形式と用語が交錯したのが痛かった、というか私はつい最近まで混乱していたです。