京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

今夜の食事。

2011-05-30 20:39:43 | Weblog
今夜の食事。

先日からの雨で気温があまり上がりませんでした。

少し風邪気味なので今夜は湯豆腐。

カラス鰈の照り焼き・塩昆布好きなものばかり食べています。

チョット眠くなってきましたのでコーヒータイムにしますか。

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新しい砥石。

2011-05-29 19:05:06 | 道具箱
新しい砥石。

京都の砥石と言えば天然の高価な物が代表ですが此処の荒戸も京都産です。

220番この砥石は鑢で整形した後に形を整えるのと砥石の面を大きく直すのに使っています。

減りは早いのですが豪快に下ろすには重宝しています。今までは金剛砥石を使っていたのですが目詰まりが解消されるので時間短縮になりました。でも面直しは頻繁にする方が良いでしょう。


もう一つは1200番の砥石この砥石はよく降ろす割には型ぐずれが非常に少ないのです。

仕上げ砥石も大事なのですが整形を思い通りにするのも仕上げを大きく左右する事は確かなようです。

でもこの砥石やさん震災の影響で工業砥石の生産に追われて最近は作られていないようです。

そんな意味でも早く復興を祈っています。

それでは・・・・

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スーパー削りスト。 阿保昭則氏

2011-05-28 22:14:50 | 人物訪探
スーパー削りスト。 阿保昭則氏

2005年4月24日初めて武生のミニ削ろう会に参加しました。と言っても見学だけでしたが。

その日に見て驚いたのがこの人阿保昭則氏の削り。

目から鱗でした。

何も知らぬ私はのこのこと出て行ってこの鉋を使わせて欲しいというと二つ返事で「良いよ」と言って貸してくれました。

今から考えればなんとラッキーな事だったのでしょう。

削っている木は杉でまさに片手で引くだけで見事な削りでした。

後で思うとやはり伝説のスーパー削りストにふさわしい人でした。

その後何度かお話をさせて戴きましたが本当に相手の話に耳を傾け正しいアドバイスを惜しげもなくくれます。王道此処に有りです。

この日はこの女性に誘われて行き直井棟梁を紹介された日でもありました。

そしてこの日から嵌っていったのです。

最近お見かけをしていませんのであの胸の透く削りを見せてください。

お願いします。

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合板。

2011-05-27 21:39:37 | Weblog
合板。

べらりとめくれている合板。

今から40年前に建てられた応接間の床板に使われている物ですが床全体がこの様に剥がれてきています。

このフロアーが出来た時にはほとんどの人が飛びつき大工も進めていました。

施工性が良くてそれ迄の床板に比べると見栄えも良かったのです。それ迄も良い物はあったのですが寄せ木になっていて工期が非常に長く掛かりました。その点フロアーは巾1尺*長さ6尺なので簡単に短時間で施工が可能になったのです。

でも40年経つとベニヤはご存じのように何枚かの薄板を張り合わせてあるので接着剤が弱るのか材木自体が劣化するのかどちらかで写真のように何枚かに分かれてしまいます。

今回の場合は家の中の床ですので貼り替え修理は出来るのですが問題は最近の建物なのです。

外壁の下地に建物の強度を出す(保つ)ためにほとんどの木造建物の外壁下地に合板が貼られてあります。

家の内部でこうなのですから外部に使うとどういう結果が待っているのでしょう。

木造建築の耐用年数が25年だからでしょうか?

この住宅が建てられた時代から使い捨ての時代が始まったような気がしてならないのです。

私もこの様な工事をしてきましたから何か後味の悪さを感じているのは私だけでしょうか。

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刃角の修正。

2011-05-26 21:09:46 | 道具箱
刃角の修正。

鉋の刃も長く使うと刃角が思っていたのと変わってしまっています。

この鉋刃は「家紋清久」なので30°位に保っているつもりでしたが30°から31°くらいになっていました。

この鉋の刃をためしてみたい事もあって鉛筆で引いた線の28°に直す事に極めました。

私の場合鎬面を直す時にはこの道具にしています。グラインダーを使うと加減が難しいので鑢です。

この鑢の形は半月の形をしていて最初はこの半月の方で隙取るように削ります。

以前は金剛砥石でやっていたのですが鑢を使うようになってからは随分と効率が上がるようになりました。

鑢の最後は平面の方で透いていきます。

その後は220番の荒砥で調子を見ては具合が悪ければ元に戻って鑢で整形をしと同じ事を繰り返して精度を上げていきます。

良い感じ28°になりました。

鑢って近頃見かける事が少なくなりましたが便利な道具ですよね。


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削ろう会の案内戴きました。

2011-05-25 20:04:46 | Weblog
削ろう会の案内戴きました。

川越大会の案内をプロショップ・ホクトさんから戴きました。

久しぶりに阿保氏の胸の透くあの削りが見られるのかも。

第27回 全国削ろう会 川越大会 のご案内

 全国から集まった競技者がそれぞれの自慢の鉋で木材を薄く削り、鉋屑の薄さ・均一さ・
 美しさで競い合う”鉋薄削り競技”がメインイベント。
 薄く削ることを通して、手道具を使う精密で高度な日本の伝統的木工技術の根幹を修練し、
 日本特有の木に対する感性を共感し、古来からの優れた木材文化と資源を守り、これらの
 素晴らしい文化を次世代に伝えるものとして行います。
 川越は単なる蔵造りのまちのみならず、職人文化の残るまちであり、それがまちの発展に
 大きく寄与してきました。
 本大会を機に、さらなる職人文化の啓発、未来に向けた輝きある川越を創造いたします。

 開催日 :平成23年9月10日(土)・11日(日) 
  メイン会場:廿川越運動公園総合体育館及び公園内
  サテライト会場:一番街及びその周辺

  【お問合わせ】 全国削ろう会川越大会実行委員会
         ◎NPO法人川越蔵の会 FAX:049-223-0204
         ◎川越市文化スポーツ部 文化振興課 電話:049-224-8811(内線 3312)

  
「第27回 削ろう会 川越大会」日程と開催内容
9月10日(土)  9月11日(日)
 11時~   受付開始
 13時~   開会式
 13~16時 各イベント
 14~16時 文化講演会「匠リレー対談」
         川越町並み見学会  9時~ 開場・鉋薄削り競技開始
 10時~ 各イベント開始
 14時~ 表彰式
 15時   閉会

 【主なイベント】
 鉋薄削り競技/大鉋削り/変り鉋コンテスト/鉋の台入れ・鑿の成形・製鉄・製材等の実演や体験/
 文化講演会/大工道具や県産材等の展示・販売/地元グルメの販売/町並み見学会やまちなかでの
 パフォーマンス・・・など。

 【文化講演会 「(仮)匠リレー対談」】
  ◎鋼と和釘・・・白鷹幸伯(しらたかゆきのり)氏
   ◎徒弟制度と堂宮大工・・・小川三夫氏
   ◎錦帯橋の架け替え・・・海老崎粂次(えびさきくめつぐ)氏

 【主催】 全国削ろう会川越大会実行委員会
 【共催】 川越市、NPO法人川越蔵の会
 【後援】 埼玉県、川越市教育委員会、川越商工会。(社)小江戸川越観光協会

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墨差し。

2011-05-25 18:12:01 | 道具箱
墨差し。

中途半端に作りかけた墨差しが有ったので墨差し作りました。

もちろん先で線を引き元で字や印をしたりするのに使います。

私が作る時に気を付けている所は先に弾力を持たせる事にしています。

押すとこんな感じ。

そして池に浸けるとじわーっと墨を吸い上げてきます。これが何とも言えないのです。

上手な人が作ると一度の墨付けで線なら200本以上は軽く引けます。

こんなにして道具を工夫して作るのも大工ならではの楽しみなのです。

でも最近はほとんど鉛筆が代用していますし中にはボールペン オンリーの方も知っていますよ。

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研ぎのお話。

2011-05-24 22:54:20 | Weblog
研ぎのお話。

先日のミニ削ろう会で愛媛の山本氏から研ぎに付いての説明書をいただいた。

そこに書いてあったのは今までの研ぎの話しを覆すような事が書いてありました。今までは砥石で研ぐのではなく研ぎ汁で砥ぐものと信じそれを書物に著す権威筋も多い。

実際この研ぎをすると美しい研ぎ面が現れ、一見切れそうに見えるがそれは会見だけであり、全く切れない。この論議の行き着く先には(究極の切れ)がある筈だった。だがそのような物は幻想に過ぎない。など等々の事が書かれていましたその最後の方に「刃物は研ぎ汁で研ぐ物にあらず砥石で研ぐもの」研ぎ汁は廃棄物でしかない。

その後以前に教えて戴いた研ぎをしてみた。

最初に荒砥石で26°に刃を研ぎその後はキングG1にWA10000番で鋼だけを28°で研ぐ研ぎ巾は2㎜~3㎜その後刃先を0.3~0.5を29°に立てて研ぐチョット見ると刃先に砥石が当たっていないように錯覚をする。

いざ削ってみると実に良く切れるのです。挽きも軽い。

屑だまりに粉が出てこない。

削った木肌も非常に良い仕上がりを見せるのです。

今までとは全く違う研ぎ。

どちらを選びますか?

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変わった鑿いただき。

2011-05-22 15:52:13 | 道具箱
変わった鑿いただき。

これほど使い込まれたのを「おまえにやるよ」と言われて有り難く頂戴致しました。

こんな良い感じの道具をくれるのは四国の香川棟梁。 愛用の道具です。

一本はおよそ5分角の栓抜きようの鑿。

良く使い込まれています。と言う事はよほど多くの解体+組み立てをやってこられたのでしょう。通りで物知りなはずです。質問をすると5秒も経たずに答えが返ってきます。

もう一本は玄翁の柄が折れた時櫃穴から残りの柄を抜くのに使います。

こんなのを常に持っているなんて仕事に対する構えが違いますよね。

この刃は昔の鎹から作られたそうです。柄は鑿で使い古した物の再生。

どちらも良い面構えの道具になっています。

道具はこうでなくっちゃ。

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