京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

合板。

2011-05-27 21:39:37 | Weblog
合板。

べらりとめくれている合板。

今から40年前に建てられた応接間の床板に使われている物ですが床全体がこの様に剥がれてきています。

このフロアーが出来た時にはほとんどの人が飛びつき大工も進めていました。

施工性が良くてそれ迄の床板に比べると見栄えも良かったのです。それ迄も良い物はあったのですが寄せ木になっていて工期が非常に長く掛かりました。その点フロアーは巾1尺*長さ6尺なので簡単に短時間で施工が可能になったのです。

でも40年経つとベニヤはご存じのように何枚かの薄板を張り合わせてあるので接着剤が弱るのか材木自体が劣化するのかどちらかで写真のように何枚かに分かれてしまいます。

今回の場合は家の中の床ですので貼り替え修理は出来るのですが問題は最近の建物なのです。

外壁の下地に建物の強度を出す(保つ)ためにほとんどの木造建物の外壁下地に合板が貼られてあります。

家の内部でこうなのですから外部に使うとどういう結果が待っているのでしょう。

木造建築の耐用年数が25年だからでしょうか?

この住宅が建てられた時代から使い捨ての時代が始まったような気がしてならないのです。

私もこの様な工事をしてきましたから何か後味の悪さを感じているのは私だけでしょうか。

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