アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

ブルトレ撮影のための無謀な挑戦~EF58

2021-10-28 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

この写真を見ると思い出す・・・

当時、憧れの撮影名所だった根府川駅の至近距離にある白糸川橋梁。ここで上り夜行列車の撮影をしたかった。それも急行「銀河」から始まるブルトレ・タイム第2弾ではなく、朝5時過ぎから開始される第1弾の方をこの鉄橋で仕留めたかったのだ。始発で自宅を出ても、普通列車を乗り継いで根府川にはギリギリ急行「銀河」の間に合うタイミングだったと思う。当時ブルトレはまだEF65P型の時代で、ゴハチも上下列車ともバンバン来ていたし、このパターンは何度となく実行していた。しかし夏の時期なら、ここで特急「いなば・紀伊」から撮影可能ということが判り、何としても撮影してみたかった。今なら、未明に自家用車で出発すれば難なくこなせる案件だろうが、当時は学生の分際でもあり、もちろん車の免許など考えもしない未知の世界だったのだ。で、当時の浅知恵で考えついたのが、前日から駅で泊まり込むという作戦だった。鉄仲間と二人、どうせなら夕方の下りブルトレまで頂こうとなり、結局その前に下る荷35列車から橋の向こう側のミカン山に陣取って撮影を楽しむことになった。

いくら夏至の時期とはいえ、19時を回ると撮影は困難となり、改札を入ってホームにある待合室で長い夜を明かすことになったのだった。友人の持ってきたポケットラジオから流れていたナイター中継が、なぜか懐かしく思い出される。そんな放送も終わり、夜も更けてくると、今度は引っ切り無しに通過する貨物列車の騒音と振動が、我が身を襲うのだった。こうして何とかふらふらになりながら夜明けを迎え、念願の朝5時から鉄橋のたもとでカメラを構えることができたのだった。しかし残された画像は、露出が足りずなかなか厳しい状況であり、掲載出来ないことが悔やまれる。

掲載画像は、東京を5時台に発車してきた下り列車の宗教臨。この8343列車は、逆に都内では時間が早過ぎて撮りづらい列車だったと記憶している。「いなば・紀伊」「出雲」「瀬戸」「あさかぜ」と撮影した後、下ってきた列車だった。相模灘に朝日が輝き、気だるい朝に活を入れられたように感じたことを今でもはっきり思い出せるのだ。こんな苦行に付き合ってくれた友人は今どうしているだろう?何十年も会っていないが、この画像を観るといつも思い出している。

1976-07-05          8343ㇾ       EF58129  12系客車     東海道本線:根府川にて