風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

過ぎてゆく夏に

2007-08-05 23:46:25 | コラムなこむら返し
Sairei_1 近所に箱庭のような小さな神社があって、昨日今日と祭礼だった。社(やしろ)も普通の神社のおそらく3分の1くらい。鳥居も半分以下。敷地は民家くらいしかなく、実際、社務所というより民家の庭先に建っているかのようだ。だから、当然のように盆踊りのヤグラは立たない。中心にポールを立て、そこに太鼓を置いてひとびとはおなじ地面の上で巡るように輪を描き、盆踊りを踊る。
 生ビールなどを飲みながら眺めていると20時になり、ずっと彼方の遠い空に花火が上がる。遅れて大きな音が轟く。その小さな神社の背景に、狭山丘陵がありその丘の頂きに遊園地があるのだ。以前は、学校が夏休みに入るとともに始まっていたのだが、いまは8月の第1週めの土日からビアガーデンをかねた花火大会が開催され、それがこの日からはじまったのだ。
 台風は北上し、やっと真夏日がはじまった。夏は駆け足で通り過ぎる。あと2、3週間あとにはまだやっているこの土日の夜の同じ花火を見て、今度は秋を感じるのだろう。

 ムギワラ帽子の少女に少年が恋慕を感じるように、少女は夏の訪れとその過ぎゆく早さに胸掻きむしられる。