マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

心からご冥福を

2015-01-08 11:58:56 | 
作家の宮尾登美子さんが亡くなられました。
かなりのご高齢だったのでいずれは・・と思っていましたがとうとう。なんとも寂しいです。
波乱万丈の生涯で米寿まで生きられ最後は老衰で・・見事な幕切れと敢えて讃えたいと思います。

大好きな作家さんでずいぶん著書を読ませていただきました。
「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」などに代表される自伝的小説や「鬼龍院花子の生涯」「陽暉楼」など生家の娼妓仲介業を題材にとり土佐の風土が色濃く反映された侠客・遊郭もの。「天璋院篤姫」などの歴史上の人物を題材にとったもの。「一弦の琴」などの一芸に秀でた女性の一代記など。どれもこれも小説として抜群に面白いだけでなく、女性の生き方を問い質す、見つめなおす作品が多く、読むほどに心を震わせてくれました。私は特に「櫂」、「きのね」、「寒椿」が好きで何度も読み返したり。特に「櫂」は昔映画を見た時には少女綾子が作者自身であるとは思わず、知ってから大変驚きました。櫂のラストはモーパッサンの「女の一生」を思わせる哀切なもので、尽して奪われて・・女の人生って何なのと歯噛みしましたが、「春燈」を読むと引き取られたあともなさぬ仲の親子の縁が切れたというわけでもなく頻繁に行き来があったとわかって読むほうは慰めらられますし、満州で戦中戦後を迎えたご本人の戦争体験の凄まじさに慄く「朱夏」は読みごたえ十分ですし、自ずと著者本人の人生そのものにも興味が湧くというものです。
宮尾作品が好きすぎてぜひ高知にも旅行に行きたい、ゆかりの地巡りをしたい、と思っておりましたが・・いつか叶うかな。とりあえず晩年執筆活動を送っていた伊達市に宮尾登美子記念館があるので今年こそぜひ訪れたいと思います。
70年代から80年代ごろには映像化された作品が多く大人気作家でしたがここ最近は時代に合わないのか書店でも宮尾さんの作品はあまり置いてなくて。亡くなられたことは残念でありますけれどもこれをきっかけに名作がまた書店に並ぶことを期待します。


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