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萩尾望都

2010-07-03 23:49:58 | 
萩尾望都。
それはもうマンガ好きな私には特別な存在。
少女マンガ界の唯一神。
日本が世界に誇る文化、マンガ界において、天才を2人挙げるとしたらこの方たちしかいない。
手塚治虫と萩尾望都。
手塚先生はずいぶん前に鬼籍に入られてしまわれたけど、萩尾望都先生はもちろんご存命。現役で今もバリバリ描いていらっしゃる。
そのモトさまが漫画家生活40周年をお迎えになったということで、文藝別冊から1冊まるごとの特集号が出ているので買ってみた。
もうもうもう。
すごい充実ぶりだ。
2万字ロングインタビュー、仕事場のグラビア、マンガ界の巨匠及び各界著名人からのメッセージ、対談、デビュー前の未完の原稿から幻の作品「月蝕」「彼」「お葬式」まで掲載されていて、その作品世界の魅力と萩尾望都という人物をあますことなく伝えている。

なんだか夢中で読んでいくうち、オホーツクの田舎町で部屋に引きこもってマンガや小説ばかり読んで暮らしていた自分自身の暗い少女時代を思い出して切なくなる。
あの頃はこんな何もない田舎にいたくない。映画やお芝居やバレエなどを見たりして文化的(笑)で知的な生活を送りたい、と切望していたものです。
まあある程度その希望は叶い現在にいたりますが…田舎の空想癖のある少女に萩尾望都先生の作品というのは大変な刺激と衝撃に満ちていたのであります。
萩尾望都先生以外にも、少女マンガの黎明期に突如現れた「花の24年組」の作品をたくさん読むことができた私の少女時代というのは、表面的には不毛でも中身は実に豊かだったのです。

今回未見だった「月蝕」を読んでまた鳥肌がたつような読む喜びを感じました。
「ポーの一族」「トーマの心臓」を描いた頃はひとつの黄金期だったと思うのですが、80年代以降はより人物描写や心理描写に凄みが増し、パワーアップしているともいえますね。
「ポーの一族」は一晩中語っても語りつくせないほど好きな作品です。個人的には手塚作品の「火の鳥」に匹敵するような超絶的な作品だと思っています。
他にも数え切れないぐらい好きな作品はあるのですが、何度も読み返しているのが「スターレッド」「半神」「A-A´」「11人いる」あとレイ・ブラッドベリの短編集シリーズは全作品傑作です。

この萩尾望都先生含む花の24年組と少女マンガ版トキワ荘ともいうべき「大泉サロン」の逸話は映画かドラマにでもすべきエピソードなのになあと個人的には思ってます。

実は以前先生に会ったことがあるのです。
地元でプロの漫画家の先生を数人呼んでサイン会をするというイベントがありまして、その時実際に会ってサインをいただいているのです。もう20年も前の話ですね。
そのときの短い逢瀬の感触はなんか夢心地といいますか、作品世界と目の前にいる品の良い柔和な女性とがうまく結びつかず不思議な思いでした。
小説の場合はこれを書いた人はどういう顔しててどんな人間?と興味が湧くのですが、マンガの場合はほとんど気にならないので、どんな人か何もイメージできなかったんですよね。
で、なんとなくクールな中性的な感じ?とか無理やりイメージしていましたが、女性らしくてすっごく穏やか感じだったのが意外といえば意外でしたね。まさに神様風といいますか。観音菩薩さまって感じ。
今回家族の方のインタビューも興味深かったし(「イグアナの娘」が私小説風と言われるほど家族、特に母親との関係に苦労した)、「望都」というのが本名だというのもこのたび初めて知りました(本当にファンかよ)。1949年当時には相当アバンギャルドな名前だったのではないでしょうか。

私思いますに、萩尾作品というのはジョルジョ・アミトラーノ氏の言葉を借りれば、「小説家が言葉の武器で入れない領域にも絵を使って入れる」異質の文学だと思うのです。
後年もっともっと萩尾望都作品は認められ、さらに名声が高まっていくのではないでしょうか。
健康に気をつけつつ、今後も読者に衝撃を与え続けてくださいませ。











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