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目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

Tarzan2015年6/11号「山がカラダに効く理由。」

2015-05-31 | マガジン

Tarzan2015年6/11号「山がカラダに効く理由。」を、ちょっとdマガジンで覗いてみた。

『山=大自然のエンタメ型ジム!』『やっぱり凄い「歩く(トレッキング)」&「走る(トレラン)」の効果』と表紙に謳っている。中面では、いいこと書いている。少しだけ抜粋してみよう。

木々の緑、広がるパノラマ、吹き抜ける風。これらを五感で受け取りながら、歩いたり、走ったり。ココロは解放され、清々しい気分に浸かれることは間違いない。(中略)そして気持ちよさは運動の連続性に繋がる。5時間、6時間と歩くことができるし、終わった後も爽快感に包まれる。だから、山に入れば、1日でもかなりの運動量をこなせるのである。

そのとおり!だと思う。街中を長時間歩くのは、そもそもムリだ。平坦地で単調だからつまらなすぎる。誌面では、山歩きと街中のジョギングのイラストもついていて、その上に「週1回の山歩き」=「週7回のウォーキング」と書かれている。トレッキング程度の山歩きであれば、おそらく健康には非常にいい作用を及ぼすのだと思う。

でも何事もほどほどで中庸がいいといわれてるとおり、ほどほどの山歩きは健康にはいいだろうが、激しいのは当然健康に悪そうだよね。アップダウンの続くロングコースを10時間や12時間もかけてテントを背負って縦走するのは、明らかにカラダにムリを強いているから。そうじゃない、とおっしゃる鬼のような体力の持ち主もいるだろうけど、私は“そこそこ”、“ほどほど”で、健康を維持しながら山を楽しみたいものだ。 

Tarzan (ターザン) 2015年 6月11日号 No.673 [雑誌]
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「日本のエクスプローラー」NATIONAL GEOGRAPHIC2015年4月号

2015-04-19 | マガジン

NATIONAL GEOGRAPHIC 2015.4

NATIONAL GEOGRAPHIC最新号(2015年4月号)は、20周年特別企画「日本のエクスプローラー」を特集している。なかでも日本を代表する探検家である植村直己さんと関野吉晴さんの記事は、大注目だ。

植村さんの犬ぞり単独北極点走破(1978年)時に、写真家アイラ・ブロック氏は、まさにその現場で植村さんに会っている。その回想記を当時の懐かしい写真を散りばめながらしたためている。すでにどこかに書かれていたのかもしれないが、こんな事実が開陳されていて驚かされる。植村さんの計画直前に、同様に北極点を犬ぞりで目指す日本大学隊が犬ぞりに適した良い犬を100頭以上も購入していた。妨害なのか、知らずにそうしたのかは不明だが、そのため植村さんは、犬の確保に苦しんでいる。たしかに著書『北極点グリーンランド単独行』(文春文庫)で理由は明確に書いていなかったように記憶するが、犬探しに四苦八苦したと読んだような気がする。

この単独行の記事から、改めて植村さんのすごさを痛感させられた。周到な準備、体力、知力、不屈の精神、凡人の私が学ぶべきところは大いにある。

一方、関野さんは、自らグレートジャーニーを振り返り、回想記をしたためている。グレートジャーニーといえば、人類がアフリカで誕生し、ユーラシアを横断して北米・南米へと移動していく過程を、逆に南米の最南端からアフリカに向けて人力で移動するという壮大な冒険だった。それをやり遂げた後に、新グレートジャーニーとして、北方・中央ルート、ロシアから稚内へ向けての旅、海上ルート、インドネシアのスラウェシ島から石垣島への旅も敢行していた。驚くべきことにさらに今後もグレートジャーニーを続けるという。人類が中国や日本へたどり着く前に、すでに達していたというオセアニア、ここが次なるターゲットだ。関野さんの挑戦は体力の続く限り行われる。こんな言葉が載っていた。「時間は皆平等にある。失敗したら原因を検討して、再挑戦すればいい」。結果を出し続ける関野さんだからこその説得力のある言葉である。

参考:当ブログ「植村直己さんの本
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/1988f5e299f63a1d25ec496462be477c

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2015年 4月号 [雑誌]
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ナショジオ2014年11月号エベレスト 史上最悪の雪崩事故

2014-12-13 | マガジン

 ナショナルジオグラフィック日本版2014年11月号

2014年4月18日エベレストのクーンブ・アイスフォールで雪崩による大事故が発生した。その後シェルパたちがストライキを起こすなど混乱を極め、その年の登山隊はすべて入山できなくなったという報道を覚えておられる方は多いと思われる。雪崩の状況は? その後にいったい何が起きたのか? 詳しい事情が「ナショナルジオグラフィック日本版2014年11月号」でレポートされている。

この日、シェルパの一人、ニマ・チリンの耳が泣いた。ネパールでは、危機が迫ったときに甲高い音が聞こえることがあるという。それを「カン・ルヌ(耳泣き)」といって、恐れているということだ。ニマ・チリンは自分を信じて、下山を決意。ほかのシェルパにそれが知れると動揺が走り、追随するものが出た。しかし、耳が泣こうが凍傷になろうが、生活がかかったシェルパの大半は、予定を変えられないと先へ進んだ。そして低い雷鳴のような音をとどろかせながら、巨大な氷塊の崩落が起きた。16人が犠牲になった。ニマ・チリンや助かったシェルパたちは、その音の直後全身真っ白になる。

事故のあとは、混乱の極みだったようだ。犠牲者へのネパール政府からの補償金は、葬儀代もまかなえないほどの額だった。死の淵から生還したシェルパたちの労働条件の改善要求は高まった。政府が得る年間の登山料は、300万ドルもある。自分たちの危険な労働への対価、保証がなければ、働けないと。保険金の引き上げや、山で死傷した労働者の家族を支える基金の増額など入れた要望書が政府に提出された。こうした背景には、欧米のさまざまな情報をシェルパたちが享受できるようになり権利意識が高まったことにあるという。

このあと犠牲者の家族の悲惨なストーリーが臨場感あふれる筆致で綴られている。まるで日本の週刊誌のようだが。一家の大黒柱を失った奥さんや子どもたちの行く末が案じられる。

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2014年 11月号 [雑誌]
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竹内洋岳の友人が挑む「K2」の頂~ナショジオ2012年4月号

2012-04-21 | マガジン

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『NATIONAL GEOGRAPHIC』2012年4月号で、K2の記事(「非情の山に魅せられた一人の女性が今、命をかけて登頂に挑む」P92-P121)がある。表紙にはまったく入っていないから、書店でたまたま見かけても、気づかないだろうけど……。扱いが悪いのは、タイタニックのせいか。でも、K2の記事は30ページものボリュームがあるのだ。

さて主要登場人物は、前の号の次号予告を見て、もしやと思ったのだが、やはりそうだった。竹内洋岳氏のお仲間であるガリンダ(記事中ではゲルリンデの表記)とラルフ。ガリンダはこのK2の登頂に2011年8月23日に成功し、女性で史上初めて8000メートル以上の高峰14座すべてを無酸素で完登した。

K2は標高8611メートルで、世界第2の高峰だ。意外にもK2の登山者は、エベレストと比較すると、その数は少なく10分の1にも満たない。そのうち1/4は死亡事故を起こしている(2010年)という恐ろしい山だ。登山者の少なさは、世界第2というのが多少影響しているのだろうけど、じつはきわめて難易度が高い山なのだ。

ガリンダの今回の挑戦は、中国側からの長いアプローチを経て、コースとして最も難度の高い北壁を登るというものだ。記事中の写真は、しびれるほどの高度感を写し取っている。見ているこちら側までも息があがりそうな斜面を登っている写真もある。ご主人のラルフの苦渋の判断など感動の登頂ルポを皆さんもどうぞご一読のほどを。

ところで、竹内氏の14座プロジェクトは、いよいよあと1座ダウラギリを残すのみとなっている。今その最後のサミットを目指している真っ最中だ。その様子は、竹内洋岳氏の公式ブログで日々更新されている。わくわくどきどきのキャンプ前進、ときにはおちゃらけ息抜き記事もあって、彼らの行動を追っていくのは楽しい。日本人初の偉業は目前に迫っている。

そういえば、3/21(水)BS朝日で放送された「8000m峰・完全登頂“あとひとつ”竹内洋岳サミットプッシュ」は皆みているのかな。塩野米松氏と対話形式で、竹内氏は自らの登山スタイルを語っていたが、本(『初代竹内洋岳に聞く』)の内容とかぶっていてデジャヴュのようだった。番組中では、先輩の14座サミッターとして、ガリンダも登場し、竹内氏について語っていた。ダウラギリの登頂に成功すれば、また新たに番組をつくるんだろう。どんな番組になるのか、今からちょっと期待。

参考 
竹内洋岳「14PROJECT」
http://weblog.hochi.co.jp/takeuchi/
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイトhttp://www.nationalgeographic.co.jp/
階段でいえば、踊り場にいる~竹内洋岳講演会http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20121111

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2012年 04月号 [雑誌]
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考える人~ひとは山に向かう

2012-02-15 | マガジン

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季刊『考える人』2012年冬号で、山特集をやっている。巻頭を飾るのは、ドイツ文学者で『ヤマケイJOY』で長らく連載をもっていたドイツ文学者の池内紀氏と、文春の元編集者で渓流釣りが趣味の湯川豊氏の「山の本」談義。東京で対談してもつまらないので、内容にふさわしい舞台として、山梨を訪れる。『楢山節考』の碑を眺め、飯田蛇笏、龍太の旧宅、山廬(さんろ)に立ち寄る。そして「山の本」談義の開幕となる。ああ、それは知っていると口を挟みたくなる本の話。そして、これでもかこれでもかと、読んでみたくなる本を採り上げまくり愉しくなる。いくつか挙げてみよう。(私がこれから読もうかなと思う本なのだが…)

飯田蛇笏『山岳礼賛 自句自解』
泉鏡花『高野聖』 
辻まこと『山からの絵本』 
太宰治『富嶽百景』
北杜夫『白きたおやかな峰』
トーマス・マン『魔の山』
ドーデ『アルプスのタルタラン』
アルセーニエフ『デルスウ・ウザーラ』

山の本の対談のあとには、服部文祥氏の滑落事故の自己検証記事。服部氏は、TBSの「情熱大陸」出演で舞い上がって、普段ならまず行かないであろう難所に踏み込んでしまったという検証をしている。

「今西錦司の地図」では、歩いた登山道に赤線を引いて、おれの精神がこもっていると悦に入った今西の登山スタイルについて書いている。

いま、とても旬な人である、角幡唯介氏(チベットのツアンポー渓谷の探検ルポ『空白の五マイル』の著者)へのインタビューも見逃せない。探検への思いや、昨年の冒険、カナダ北極圏1600キロ徒歩踏破についても語っている。遠からず、この北極圏徒歩踏破については、本になるだろうから、今から楽しみだ。

参考:山特集で登場した本、ないしは関連する本の記事(すべて本ブログより)
サバイバル~服部文祥の世界http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20101226
空白の五マイルhttp://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20110521
梅棹先生の遺作『山をたのしむ』http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20111025

永遠なれ、マロリー。『遥かなる未踏峰』http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20110321
田部重治の元祖『山と渓谷』http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20110312
風雪のビヴァークhttp://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20110108
“Born to climb” 山野井泰史http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20101221

植村直己さんの本http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20101122 
裸の山ナンガ・パルバートhttp://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20110827

考える人 2012年 02月号 [雑誌]
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