39ギター

35年ぶりに弾き始めたクラシックギター
神経痛と戦いながら
どこまでバッハに迫れるか
蝶も花もアーチェリーもあるよ

今までとは真逆の奏法

2010-01-11 23:46:56 | つめ

右手の脱力奏法について研究中であるが、YouTubeでプロの演奏をいろいろと参考にして右手の爪のどちら側で弾いているか観察してみた。

先ずは、大御所のセゴビア。太く大きな指を丸めて、右手の爪は親指側ではじいている。いかにも力が抜けていて弾きやすそうだ。

次に、ジュリアン・ブリーム。まったくセゴビア風、親指側の爪で弾いている。ジョン・ウィリアムス。多少親指側だがわりとまっすぐ。しっかりと弦をとらえている感じ。この二人で弾いているファリアのスペイン舞曲(だったと思う)は力強くて最高だ。

Li Jie(何と読むのか判らない)中国の女流ギタリストで、今回YouTubeではじめて知った。彼女は完全に小指側、演奏も女性的なやわらかさで完全な脱力奏法、音の一つ一つがクリアで上品。女流で体が小さいので右手はほぼ水平で手首も折れてない。ギターが45度になっているので、このままでは弦を45度で弾くことになるがこれを小指側の爪で弾くことによって非常に綺麗な音をはっきりと出している。驚愕ものだ。

ためしに、同じように弾いてみた。割と弾ける。高音が綺麗に出る。今までの爪で引っかいただけの薄っぺらな音ではなくいい音でなってくれる。ただ、弾きにくい。親指と人差し指が干渉することがある。

しばらくまねをして弾いていると割とコツのようなものがつかめてくる。この弾き方だと、今まで音が割れ気味になっていたところも綺麗にでる。

しかし今までとは真逆の奏法なので、自分的には少しアレンジが要る。

先ずギターレストは使わない。足代を使ってギターは45度。問題は右ひじである。右ひじを今までのようにギターにしっかり当てていると、弦を弾くところがサウンドホールより上の方になって音が全部丸くなる。指先がサウンドホールの位置に来るようにするには、少しひじを引いて右腕はギターを抱えてはいけない。ひじから手首側に10センチ程度のところでギターの一番膨らんだところを押さえている感じ。ひじを引いて意識的に手首をまっすぐにして、さらに小指側に少しひねる。これじゃあ、まともな音が出ないと思いきや、やってみると実にハリのあるいい音がでる。アルアイレでも十分アポヤンドと同じような音になっている。ただ、親指が多少難しくなってくる。

教則本などでは、手首を折って指を弦に対してまっすぐ当てて弾くようになっているが、自分もなるべくこうなるようにしてきたが、どうもこのスタイルには疑問がある。一流の演奏家が必ずしもこんなスタイルになってないからだ。村治佳織も手首は折れてない、ひじからまっすぐかむしろ見る角度によっては逆に折れているようにも見える。爪は弦をまっすぐ捕らえているようだが、多少小指側にも見える。ひじでギターを抱えると言うより右腕をギターに置いているといった感じ。山下和仁はまったく一定のスタイルがないというか、良くあんなにギターをくねらせて弾けるもんだ。右手の手首は折れてないようでもあり、。右手の爪の角度についてはどっちもありで、参考にならない。

しばらく、右手の形については研究が必要だが、学生時代4年間とこのたび再開してからの半年間はバッチリと教則本の通りになっているのでそう簡単にはスタイルを変えられそうに無い。

しかし、右手しだいで音がかなり変わってくることがわかったのは収穫だ。とくに、音が割れたり、爪で引っかいただけの薄っぺらな音だったりするのは、どこかに改善が必要な証拠で、今まで左手ばかりに集中して練習してきた自分を反省しなければならない。


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