ベートーベンの交響曲
「3番:英雄」「5番:運命」「6番:田園」「9番:合唱付き」
チャイコフスキーの交響曲
「1番:冬の日の幻想」「2番:小ロシア」「3番:ポーランド」「6番:悲愴」
これらは交響曲についている表題の例である。
これらの表題は作曲者自身がつけたものや、後世の人が勝手に付けたものがある。
「運命」と呼ぶのはどうやら日本人だけらしい。(Wikipedia)
「田園」は各楽章にもベートーベン自身の表題が付いており、標題音楽の代表例である。
ギターの曲は小品が多く、その多くに表題が付いている。
「アルハンブラ宮殿の思いで」「大聖堂」「アメリアの誓い」「入り江のざわめき」
これらの表題により、演奏者にも聴衆にも、その目の裏側にその情景を浮かび上がらせ、楽曲と一体になりいっそうの満足を得ることができる。
なぜ、今、表題なのか。
私の愛してやまないバッハの音楽、例えば「無伴奏チェロ組曲」「無伴奏バイオリンパルティータ」などには表題はない。あるのは、番号と組曲の構成要素としての「プレリュード」「サラバンド」などである。
これらの曲に無理やり表題を押し付けるのはバッハの冒涜(ぼうとく)になりかねないが、自分がこれらの曲を聴きあるいは演奏するに当たり、自分の目の裏側に浮かび上がる情景を言葉にしておくことは、それを人に押し付けない限りバッハの冒涜にはならないと思う。
続く
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