政府は教育現場に変形労働時間制を導入しようとしています。
私の友人が福祉施設で働いている時(1993年)、施設が変形労働時間制を導入しようとしました。労働組合もない職場でしたが、友人が変形制導入後の労働強化を数字で導き出し、仲間に説明し、仲間とともに事務長に詰めより、ついに、一部はね返したときのレポートが残っていました。
教育現場への変形労働時間制導入は、労働強化と、児童・生徒への手抜きが待っています。ぜひとも、がんばりぬいてほしいと思います。
時も時、萩生田文科省大臣が民間英語検定試験で、「身の丈に合わせて」選択せよと、貧困世帯から教育権を奪う発言をしました。教育を安倍政権に任せておいたら、ろくな事にならないでしょう。
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1993年「変形労働時間制導入をはねかえしたぞ」
介護棟増設をテコに合理化
わたしの職場の職員数は現在全体で48人(医師を含む)で、看護・介護スタッフは32人です。入所者数は102人です。「老人健康施設」の看護・介護スタッフの最低基準は102床当たり29人(看護=8、介護=21)なので、3人多いシフトです。夜勤は五人シフト(2、2、1)を取っており、建物の構造上これだけの人員は不可欠です。
12月介護棟増設(37床)で、全介護棟の看護・介護スタッフを最低基準以下の40人とし、全介護棟を平均化して、各フロアー10人のスタッフですますために、「変形労働時間制」を導入しようとしてきました。
変形労働時間制押しつけ
8月25日に事務長が「変形労働時間制」を提示したのですが、年間の総労働時間の計算に、就業規則に明記された祭日などの「休日」が含まれておらず、また夜勤明けの日を「休日」と書いてあったり、「夜間の仮眠は労働時間とは見なさない」などの重要な変更がありました。
この時は「休日が減る」ことについて、事務長を追及したのですが、絶対に認めようとはしませんでした。話し合いがつかず、次回を約束して終らせました。
労働基準法を勉強
それから1ケ月、労基法や「変形労働時間制」の勉強をして、当局の出してきた「新勤務割表」を検討したところ、今年度の労働時間が2168時間(これでも長い!)であるのに、「新勤務割表」では2288時間にもなるのです。210時間もの労働強化ではありませんか。いままで確保されていた祭日や年末・年始の特別休暇(29日分)がごっそり盗られようとしていたことが、数字のうえではっきりしました。
話し合いを申し入れ
「新勤務割表」には問題があるとハッキリしたので、現状の労働条件を守ることを念頭に置いて、話し合いを申し入れ、10月1日に話し合いをもちました。話し合いに当たって、次の3点を主張しました。
①「新勤務割表」には就業規則にある「祭日や特別休暇」が入っていないので組み入れること。
②夜勤明けは「休日」にはならないこと。
③仮眠時間を労働時間と見なすこと。
「数字の神様」が沈黙
①は絶対に譲れないところなので、一番力を入れました。年間の総労働時間を出して、数字で証明することにしました。準備した資料を提示したところ、一発で決まりました。「数字の神様」と言われる事務長はうろたえ、とっさに出てきた言葉は何と「アンタら、これ以上年休や祭日とって、どこに働く日があるんや」でした。(私のフロアーでは、全員が年休を完全消化しています!)
この点がハッキリしたことで、あのインチキな「新勤務割表」は人員を増やさない限り、行使できないことになり、事務長は頭を抱え込んでしまいました。
②については、労基法で説明すれば「そうや」と同意するのですが、訂正しようとしません。わたしが夜勤明けの「休日」と書かれたところを消してかかると、事務長は「そんなことすると休みが減る」と、すっかり本音をさらけ出してしまいました。
わたしの職場での夜勤は「日当直制」ではないのですが、「当直明け」と表現されています。「通常勤務として改善したい」というのが事務長の主張なのですが、「通常勤務」であればどうなのか、いまひとつ解かりません。勉強してハッキりさせねばならないところです。
③について話しはじめたのですが、もう事務長はショボクレて、なげやりになってしまい、「どうでもよい」ということになりました。
まだまだ闘いが必要
増員については、事務長は最後まで認めないので(あくまでも42人シフト)、その限りでは「新勤務割表」は過重労働になるので、わたしのほうから「従来通りの勤務シフト」を提起し、事務長は「アンタらがそれでいいというなら、それでいい」という結論が出て、事務長の「変形労働時間制」を利用した「休日削減」を撤回させることができました。
事務長案の各フロア10人シフトの「新勤務割表」は、看護・介護スタッフの総枠は40人を譲らないので、その枠内での「従来通りの勤務態勢」になります。入所者は重度化の傾向にあり、現在1フロアー13人で仕事をして、年休をとって、身体を休めながら勤めているのが現状です。
組合はなくとも
「1フロアーにつき13人」を主張するのは私だけで、全体の意見は一歩譲って12人が圧倒的です。今後は2階、3階は12人、4階は6人で仕事をすることになります。
これは合理化=労働強化なので「1人分の業務量」を削減しなければならず、看護・介護が低下し、最終的にはお年寄りに矛盾が転嫁される形で決着することになりました。
新設病棟については、とりあえず開所時10人の看護・介護スタッフで出発し、入所者が増えた時点で増員を要求しようと思っています。
わたしの職場には労働組合はなく、こういう問題は主任サイドで決められていくのが現状です。それではよくないと思い、今回の「変形労働時間制による休日削減」については申し送りのときや、休憩時間になるべく多くの仲間に説明するようにしました。
まだまだ他人ごとのように聞いている仲間が多いのですが、これからも少しづつでも労働者が主張していける状況を作り出していきたいと思っています。
私の友人が福祉施設で働いている時(1993年)、施設が変形労働時間制を導入しようとしました。労働組合もない職場でしたが、友人が変形制導入後の労働強化を数字で導き出し、仲間に説明し、仲間とともに事務長に詰めより、ついに、一部はね返したときのレポートが残っていました。
教育現場への変形労働時間制導入は、労働強化と、児童・生徒への手抜きが待っています。ぜひとも、がんばりぬいてほしいと思います。
時も時、萩生田文科省大臣が民間英語検定試験で、「身の丈に合わせて」選択せよと、貧困世帯から教育権を奪う発言をしました。教育を安倍政権に任せておいたら、ろくな事にならないでしょう。
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1993年「変形労働時間制導入をはねかえしたぞ」
介護棟増設をテコに合理化
わたしの職場の職員数は現在全体で48人(医師を含む)で、看護・介護スタッフは32人です。入所者数は102人です。「老人健康施設」の看護・介護スタッフの最低基準は102床当たり29人(看護=8、介護=21)なので、3人多いシフトです。夜勤は五人シフト(2、2、1)を取っており、建物の構造上これだけの人員は不可欠です。
12月介護棟増設(37床)で、全介護棟の看護・介護スタッフを最低基準以下の40人とし、全介護棟を平均化して、各フロアー10人のスタッフですますために、「変形労働時間制」を導入しようとしてきました。
変形労働時間制押しつけ
8月25日に事務長が「変形労働時間制」を提示したのですが、年間の総労働時間の計算に、就業規則に明記された祭日などの「休日」が含まれておらず、また夜勤明けの日を「休日」と書いてあったり、「夜間の仮眠は労働時間とは見なさない」などの重要な変更がありました。
この時は「休日が減る」ことについて、事務長を追及したのですが、絶対に認めようとはしませんでした。話し合いがつかず、次回を約束して終らせました。
労働基準法を勉強
それから1ケ月、労基法や「変形労働時間制」の勉強をして、当局の出してきた「新勤務割表」を検討したところ、今年度の労働時間が2168時間(これでも長い!)であるのに、「新勤務割表」では2288時間にもなるのです。210時間もの労働強化ではありませんか。いままで確保されていた祭日や年末・年始の特別休暇(29日分)がごっそり盗られようとしていたことが、数字のうえではっきりしました。
話し合いを申し入れ
「新勤務割表」には問題があるとハッキリしたので、現状の労働条件を守ることを念頭に置いて、話し合いを申し入れ、10月1日に話し合いをもちました。話し合いに当たって、次の3点を主張しました。
①「新勤務割表」には就業規則にある「祭日や特別休暇」が入っていないので組み入れること。
②夜勤明けは「休日」にはならないこと。
③仮眠時間を労働時間と見なすこと。
「数字の神様」が沈黙
①は絶対に譲れないところなので、一番力を入れました。年間の総労働時間を出して、数字で証明することにしました。準備した資料を提示したところ、一発で決まりました。「数字の神様」と言われる事務長はうろたえ、とっさに出てきた言葉は何と「アンタら、これ以上年休や祭日とって、どこに働く日があるんや」でした。(私のフロアーでは、全員が年休を完全消化しています!)
この点がハッキリしたことで、あのインチキな「新勤務割表」は人員を増やさない限り、行使できないことになり、事務長は頭を抱え込んでしまいました。
②については、労基法で説明すれば「そうや」と同意するのですが、訂正しようとしません。わたしが夜勤明けの「休日」と書かれたところを消してかかると、事務長は「そんなことすると休みが減る」と、すっかり本音をさらけ出してしまいました。
わたしの職場での夜勤は「日当直制」ではないのですが、「当直明け」と表現されています。「通常勤務として改善したい」というのが事務長の主張なのですが、「通常勤務」であればどうなのか、いまひとつ解かりません。勉強してハッキりさせねばならないところです。
③について話しはじめたのですが、もう事務長はショボクレて、なげやりになってしまい、「どうでもよい」ということになりました。
まだまだ闘いが必要
増員については、事務長は最後まで認めないので(あくまでも42人シフト)、その限りでは「新勤務割表」は過重労働になるので、わたしのほうから「従来通りの勤務シフト」を提起し、事務長は「アンタらがそれでいいというなら、それでいい」という結論が出て、事務長の「変形労働時間制」を利用した「休日削減」を撤回させることができました。
事務長案の各フロア10人シフトの「新勤務割表」は、看護・介護スタッフの総枠は40人を譲らないので、その枠内での「従来通りの勤務態勢」になります。入所者は重度化の傾向にあり、現在1フロアー13人で仕事をして、年休をとって、身体を休めながら勤めているのが現状です。
組合はなくとも
「1フロアーにつき13人」を主張するのは私だけで、全体の意見は一歩譲って12人が圧倒的です。今後は2階、3階は12人、4階は6人で仕事をすることになります。
これは合理化=労働強化なので「1人分の業務量」を削減しなければならず、看護・介護が低下し、最終的にはお年寄りに矛盾が転嫁される形で決着することになりました。
新設病棟については、とりあえず開所時10人の看護・介護スタッフで出発し、入所者が増えた時点で増員を要求しようと思っています。
わたしの職場には労働組合はなく、こういう問題は主任サイドで決められていくのが現状です。それではよくないと思い、今回の「変形労働時間制による休日削減」については申し送りのときや、休憩時間になるべく多くの仲間に説明するようにしました。
まだまだ他人ごとのように聞いている仲間が多いのですが、これからも少しづつでも労働者が主張していける状況を作り出していきたいと思っています。