OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

何時も熱演の荒木由美子

2013-11-03 15:24:43 | 歌謡曲

フラストレーション / 荒木由美子 (キャニオン)

荒木由美子はB級アイドルか、否か!?

そんな論争が一時期、サイケおやじの周辺であった事に鑑み、しかし個人的には好感を持っていたのが、彼女に対する本音です。

もちろん昭和52(1977)年のデビュー時から、常に榊原郁恵や高田みづえ、そして清水由貴子や大場久美子という、華やかな同期ライバルの中にあっては、失礼ながら幾分おばちゃんフェイスで、歌唱力も飛び抜けていなかった荒木由美子が、一歩下がった存在だった事は否定出来ません。

ところがテレビ等々で接する彼女は、何時も一生懸命というか、所謂熱演が印象的だったように思います。

しかし発売されたシングル曲からは、これという大ヒットが出せず、それでも諸作は決して悪い出来ではなかったのですから、芸能界は本当に厳しい世界……。

昭和53(1978)年新春に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「フラストレーション」にしても、作詞:岡田冨美子&作曲:平尾昌晃が職人技を如何無く発揮した傑作であり、しかも若草恵のアレンジがファンキーロックにディスコ歌謡を融合させた折衷スタイル!

これは最もサイケおやじのツボを刺激する狙いがジャストミートしていましたから、たまりません♪♪~♪

その絶妙の「泣き」を含んだ楽曲展開を荒木由美子がちょっぴり危なっかしく歌えば、逆説的に強く滲んでくる切迫感が、なかなか良いんですねぇ~♪

う~ん、これが大きなヒットにならないあたりが、当時のアイドル&歌謡業界の充実を証明していると言えば、確信犯の論法かもしれませんが!?

 フラストレィ~ショ~~ン
 フラストレィショ~~ン

という最初のワンスレーズだけで、完全に歌謡曲者の心は鷲掴みされたはずなんですけどねぇ~~~~~。

ちなみに彼女の出しているシングル曲はデビュー以来のアイドルポップス、歌謡ロック、プレAORみたいな作品まで、極言すればレコードを出す度に変化している実情も、ブレイクしなかったがゆえの些かの「迷い」であったのかもしれません。

しかし芸能の神様は、決して彼女を見捨てはしませんでした。

それはご存じのとおり、ひととおりアイドル歌手の路線を歩んだ後の昭和54(1979)年、テレビのスポ根ドラマとしてバレーボールを題材にした「燃えろアタック(テレビ朝日)」の主演に抜擢され、定番のブルマー姿も眩しい躍動で、ついに大ブレイク!

というか、これは些か拙い記憶なんですが、このドラマはオカルト風味も混じったスリラーっぽい感じもあって、超人的な必殺技(?)や呪いによって登場人物が苦しめられるという破天荒さがあったんですよっ!

そういうところが何をやっても裏表を感じさせず、溌剌としていた荒木由美子には合っていたんじゃ~ないでしょうか。

ただし主題歌は例によって堀江美都子だったんですが、確か劇中では荒木由美子の歌も使われていたような!?

ということで、荒木由美子は決してB級とは決めつけられない、あえて格付けを許されるのであれば、「-A」ランクと思いますが、如何なものでしょう。

現在では「歳の差結婚」として話題を集めた湯原昌幸との「おしどり夫婦」でテレビ出演も多く、歳相応の和みとでも申しましょうか、なにか安心感のある活動に入っているのは、未だに好感が持てるところです。

最後になりましたが、前述した曲タイトルのリフは日々の仕事等々で堆積するストレスと披露をブッ飛ばす意味でも有効で、ついつい現場で口ずさんでしまうのでした。

コメント
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