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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

もっと聴きたかった中沢京子

2012-12-11 15:13:56 | Singer Song Writer

待ちわびて / 中沢京子 (キャニオン)

中沢京子もヤマハ系の「これっきり」シンガーソングライターで、素晴らしい才能を持ちながら、何故かリアルタイムで公式発売されたのは、本日ご紹介のシングル盤だけでした。

ただし、後にオムニバス盤でライプ音源や未発表曲も出てはいるんですが、その絶対数は本当に僅かなんですよねぇ……。

と、サイケおやじが嘆くのも、とにかく掲載のシングル盤A面曲「待ちわびて」が素晴らしすぎるからですよっ!

この、ゆったりしたメロディラインの流れとせつない歌詞、それを染み入るように聞かせてくれる彼女の節回さの絶妙感は、まさに自作自演の強みでしょう。

発売されたのは昭和50(1975)年春で、そのデビューのきっかけとなったのが前年のヤマハ主催「ポビュラーソングコンテスト」である事から、系列番組「コッキーポップ」で件の「待ちわびて」が流されることも度々でした。

サイケおやじが彼女の存在を知ったのも、まさにそのおかげであり、しかもこれだけでフェードアウトしてしまった経緯から、以前にご紹介した柴田まゆみと同じような、実に勿体無い才能という他はありません。

端的な印象としては失礼ながら、五輪真弓ユーミンの折衷スタイルかもしれませんが、そこがまた気持良いほど刹那のフィーリングで、萩田光雄のアレンジも良い感じ♪♪~♪

サイケおやじの求めている好きなジャンルのど真ん中が、ここで聴けるというわけです。

う~ん、もっともっと彼女にはレコードを出して欲しかった……。

それを今も心底思うばかりです。

ちなみに彼女のプロフィールとしては広島出身で、公式デビュー時は18歳だったらしい事しか、サイケおやじには知る由もありません。

ということで、皆様にも機会があれば、ぜひとも中沢京子の名前、そして「待ちわびて」という素晴らしい歌を知っていただきたく思います。

あぁ、彼女は今、ど~しているのかなぁ~~。

今日はちょいと片思いの気分で文章を綴っているのでした。

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既に高齢化を予見していたザ・バンドのロック

2012-12-10 14:58:04 | Rock

The Night They Drove Old Dixie Down / The Band (Capitol / 東芝)

ザ・バンドと言えば説明不要、今やロックの歴史に絶対的な足跡を残したグループでしょうが、少なくともサイケおやじにとって、ザ・バンドの与えてくれた衝撃で最高だったのは、彼等のルックスでありました。

つまり掲載したシングル盤ジャケ写はもちろん、洋楽雑誌で見るザ・バンドの面々は、およそロックを演じるには相応しくない、完全なおっちゃん達!?

髭や丸メガネなんてのは、まあ1967年頃のジョン・レノンで免疫(?)が出来ていましたが、ザ・バンドの面々は衣装そのものが前時代的というか、本国アメリカでは南北戦争頃のスタイルに近いんじゃ~ないでしょうか。

おまけにやっている音楽そのものが、1960年代末頃の流行からは大きく外れた、と言うよりも、実は流行なんてものには囚われていなかった事が後に明らかになるんですが、とにかくサイケおやじの当時の常識からは馴染めない曲メロ、対訳を読んでも理解不能な歌詞の世界、さらにはちっともロックしていないと思われた演奏が、なんだぁ~、これっ!?

もちろん、それが洋楽マスコミで評論家の先生方から絶賛されていなければ、別に問題にもならないでしょう。

ところが1970年頃には、「ザ・バンドはアメリカのビートルズ」とまで持ち上げる風潮(?)さえあったんですから、穏やかではありません。

しかし、分からないものは、分からないとして、居直る事も出来ないのがサイケおやじの弱いところ……。

なんとかザ・バンドの通算4枚目のアルバム「カフーツ」を足掛かりとして、次にゲットしたのが、中古ではありましたが、本日掲載のシングル盤でした。

ただし、それでも見るほどにロックしていないザ・バンドの佇まい、そしてミョウチキリンなメロディを歌ってくれる狙いは、逆の発想としての反抗的姿勢の表明だったんでしょうかねぇ~~。

別に芸能界ではなく、世間一般でも、周囲と逆の事をやらかして目立ちたがる者は珍しくありませんし、かえってそれで自己主張する事が認められている以上、ザ・バンドもその徹底ぶりは流石なのかもしれません。

また、このシングル盤は収録A&B面両曲共、1969年にアメリカで発売された2ndアルバム「ザ・バンド」からのカットであり、実際に針を落して聴いてみた独得の「音の暖か味」は、このルックスにして、このサウンド在り!

そんなジャストミート感が否定出来ません。

ということで、例えロビー・ロバートソンがドリフターズの加藤茶に見えたとしても、それはそれで強いインパクトの成功例だと思います。

結局、ザ・バンドは「流行最先端の音」とは無縁の道を行く共同謀議として、自らのルックスもそれに合わせた時代錯誤性を選んだのかもしれません。

しかもそれは今や普通に聴く事が出来ますし、違和感も無くなっているのですから、時の流れの偉大さと共に、ザ・バンドの目論見も凄いと思っているのでした。

ロックは現在、老人の音楽でもありますから!

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降り止まぬ雪に降参…

2012-12-09 15:52:45 | Weblog

雪国といえ、全然降り止まない雪にギブアップ状態……。

思えば、この地には2003年に赴任して、それから5年ほどびっしり生活し、現在は非常勤の身でありながら、やっぱり雪国暮らしの雪との格闘は、しんどいです。

特に本日は朝から降りっぱなしで、まあ、借りている家は山間部ではありますが、車を掘り出すのに30分もかかってしまいましたし、買い物や食事をして戻ってみれば、前庭は元のモクアミで雪が積もっているんですから、車を入れるのにまたまた除雪という始末……。

もう、慣れていると自分では思っていたんですが、こんな弱音は地元の人に失礼極まりないでしょう。

今夜~明日は晴れるといいなぁ……。

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R&Rの魂と逝ったジョン……

2012-12-08 15:12:41 | Beatles

John Lennon Sings The Great Rock & Roll Hits: Roots (Adam Ⅷ)

突然の悲報から既に30年……。

それでも癒えない悲しみは、ジョン・レノンが教えてくれたロックや人の世の喜怒哀楽、その中の生き様がサイケおやじには辛辣なほどリアルであった証とさえ……。

ですから、故人が残してくれた偉大な遺産は、その全てが様々な真実を含んでいるのは当然であり、決して聖人君子ではなかったジョンの苦悩や魂の叫びをそこから感じる事が、ファンにとってはひとつの喜びに違いありません。

特に本日ご紹介のLP「ルーツ」は、1975年に世に出た人気アルバム「ロックン・ロール」の裏側に存在する混濁や人間関係の諸々から産み落とされた幻のアルバムとして、現在もブートが流通していほどの問題作です。

 A-1 Be-Bop-A-Luia
 A-2 Ain't That A Shame
 A-3 Stand By Me
 A-4 Sweet Little Sixteen
 A-5 Rip It Up ~ Ready Teddy
 A-6 Angel Baby
 A-7 Do You Want To Dance
 A-8 You Can't Catch Me
 B-1 Bony Moronie
 B-2 Peggy Sue
 B-3 Bring It On Home To Me ~ Send Me Someone Lovin'
 B-4 Slipping And Slidin'
 B-5 Be My Baby
 B-6 Ya Ya
 B-7 Just Becase

ご存じのとおり、前述の「ロックン・ロール」はタイトルどおり、ジョンが幼少の頃から親しんだR&RやR&B、さらにはアメリカポップスのルーツを自分流儀で歌ったオールディズカパー集なわけですが、これを作るきっかけとなったのが、例の「Come Together」盗作騒動だったと言われています。

それは活動停止が前提期のビートルズにあって、ジョンが自信を持って書いたとされる件の名曲が、なんとっ! R&Rの偉人たるチャック・ベリーの「You Can't Catch Me」のパクリだとして、楽曲管理会社から訴えられ、裁判の結果は和解となったんですが……。

条件として、前述の会社「ビッグ・セブン・ミュージック」が保有する歌の中から3曲をジョンがレコーディング発売するという事になり、ど~せなら、カパー作品集を作ってしまおう!?!

という、経緯があったようです。

そこで早速、1973年秋からフィル・スペクターにプロデュースを依頼し、ロスでレコーディングが開始されたのですが、当時のジョンはヨーコとの不仲から気の合う仲間と夜遊び&泥酔の日々であり、一方のフィル・スペクターも様々なゴタゴタから精神的に追い詰められていた頃とあって、セッションはトラブル続き!

音楽的な対立というよりは、気持のズレなんでしょうか、喧嘩口論でスタジオ内の雰囲気は最悪だったそうですし、ついには発砲騒ぎまでもあった事は今や隠し様もない歴史(?)でしょう。

おまけになんとか作られた数曲のマスターテープをフィル・スペクターが持ち逃げするという事件が発生したのですから、当然ながらプロジェクトそのものが中断に追い込まれています。

ところがそれで納得してくれないのが、件の裁判で一定の権利を認められた「ビッグ・セブン・ミュージック」側で、せっかくの大きなビジネスチャンスがあるのですから、ジョン本人や当時の所属レコード会社であったキャピトルに対して矢の催促!

そこでニューヨークに戻ったジョンは新作アルバム「心の壁、愛の橋」のレコーディングと並行して、問題のオールディズカパーの追加セッションを開始していますし、キャピトル側も苦心惨憺(?)の末にフィル・スペクターからマスターテープを取り戻すのですが、その過程で暫定的に編集された「ロックン・ロール」のラフミックマスターが「ビッグ・セブン・ミュージック」の代表であったモーリス・レヴィという人物の手に渡ってしまったのですから、混乱は収まりません。

驚くなかれ、その未完成(?)ソースから作られた「ジョンの新譜LP」が、「アダムⅧ」という通販会社から出てしまうという大事件が勃発し、それが本日の1枚たる「ルーツ」というわけです。

もちろんキャピトル側も正規盤「ロックン・ロール」の発売を早める対抗処置と同時に、「ルーツ」の販売禁止を求める訴訟を起こしたのですが、実は「アダムⅧ」側には「ジョンとの口約束」という曖昧なお墨付きがあった事から、結果的に数千枚が流通し、しかも「ロックン・ロール」とは異なる収録曲やミックス違い、一目瞭然の曲順違いがありましたから、1969年のジョンのポートレートを使ったジャケットデザインも含めて、その消える事になったオリジナル盤が忽ち高値で取引された事は言うまでもありません。

特に当時、正規盤「ロックン・ロール」では聴くことの出来なかったフィル・スペクター所縁のロネッツが1963年に大ヒットさせた「Be My Baby」とジョンが好きだったというロージー&オリジナルズの「Angel Baby」は、何れもオールディズのラブ&ロッカパラードですから、ファンには気にならざるをえないレアトラック♪♪~♪

それゆえに瞬時、ブートが流通し始めたのも当然でありました。もちろん掲載の私有盤も、それです。

また実際に聴いてみると、全体的なミックスの違い、場合によってはジョンのボーカルそのものが違うトラックもあり、特に「Sweet Little Sixteen」のワイルドなフィーリングは個人的に大好きです。

ちなみに演奏パートの参加メンバーは今日でも明らかになっていませんが、ジェシ・エド・デイビス(g)、スティーヴ・クロッパー(g)、レオン・ラッセル(key)、ハル・ブレイン(ds)、ジム・ケルトナー(ds) 等々がロスのセッションに呼ばれていた事は様々な証言、あるいはフィル・スペクターの人脈を考慮すれば、推察は易いと思います。

一方、仕切り直しとなったニューヨークでのセッションには、クラウス・ブァマン(b)、ボビー・キーズ(ts) が参加している事は、これまた可能性が高いところでしょう。

そして実は後に流出したセッションからのアウトテイクを収めたブートを聴くと、最初に作っていたフィル・スペクターのマスターテープにおけるジョンのボーカルは、相当にテキトーな感じ……。

ですからニューヨークでの再開セッションでは、かなりの部分で歌入れがやり直されている事が明確ですし、問題の「ルーツ」というアルバムに用いられたラフマスターでも、幾分未完成なパートが散見されるんですから、当時のジョンの焦燥や不安定な心情は如何に!?

個人的には、そういう部分を垣間見せる偉大なロッカーのジョン・レノンが、一番好きです。

ということで、あまり故人の命日には相応しくない、それこそ不遜な選択と文章ではありますが、どうかご容赦下さい。

それでもジョン・レノンの凄さは、かえって伝わって欲しいと願っておりますし、この「ルーツ」も、機会があれば、ぜひ!

最後になりましたが、本日はこれから、おやじバンドで「Stand By Me」を心をこめて、やってきます!

合掌。

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裏表、あって良いのはアナログ盤

2012-12-07 14:54:23 | Rock

光ある限り… c/w Lookin' Out My Back Door
                                               / Creedence Clearwater Revival (Fantasy / 東芝)

現在真っ只中の選挙戦は魑魅魍魎とボンクラの顔見世状態を露呈していますが、立候補者や応援客演者がそれぞれの綺麗事を宣はくも、それが既に戯言である真実は国民がお見通しでしょう。

もちろん、その裏側にある奴等の思惑も同様である事は言うまでもありません。

あぁ~、裏も表もあるのが政治と言えば、それは世の中の仕組みや人間世界の有り様と似て非なるものとは決して断定は出来かねるのですが……。

しかし同じ裏表の世界でも、アナログ盤のレコードには未だ救いがあると言っては失礼でしょうか。

そこで思い出されたのが本日掲載のシングル盤で、ご存じ、1960年代末から1970年代初頭に絶大な人気を集めたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル=CCRが1970年夏に出した1枚なんですが、結論から言うとA面のゴスペルロック「光ある限り… / Long As I Can See The Light」はウケませんでした。

しかしB面の「Lookin' Out My Back Door」が典型的なCCR流儀のロカビリー&カントリーロックでしたから、当時のラジオからはガンガンに流れていましたですねぇ~~♪

実は後に知ったところでは、このシングル盤は日本とアメリカではA面とB面が逆になっていたそうで、確かに当時の全米ヒットチャートでは「Lookin' Out My Back Door」が2位にランクされた記録が残っているんですから、う~ん……。

正直、ど~して日本で「光ある限り… / Long As I Can See The Light」がA面扱いにされたのか、首を捻るばかりですよ。そりゃ~、CCRの新機軸として、鄙びたサックスも導入されたイナタイ雰囲気の醸し出し方とジョン・フォガティーのゴリゴリな熱唱は、ソウルフルなポイントにおいても、所謂スワンプロックのひとつのサンプルと言えないこともありません。

しかし、それがシングルヒット狙いに向いていたとは、当時のCCRのイメージからして、ちょいと的外れであったことは既に述べた結果からも否定出来ないでしょう。

ただし、そうであっても、やっぱりCCRは素晴らしい!

何故ならば、やっている事に裏も表もありませんからねぇ~♪

常に一本気なロック魂と豪気なソウルフィーリング、つまり黒っぽくて、土の香りが強い骨太な南部音楽を提供してくれた事は、紛い物ではありません。

ちなみに、このシングル盤に収録の両曲は同じ年に発表された傑作人気アルバム「コスモス・ファクトリー」からのカットであって、その徹底したR&RとR&Bの白人的融合作業のオーラスに置かれたのが、問題の「光ある限り… / Long As I Can See The Light」という事実は重大!

件のLPを楽しまれた皆様には説明不要とは思いますが、怒涛烈風の如きアルバムの流れの終局で聞こえてくる、そのジンワリ熱い「光ある限り… / Long As I Can See The Light」には、なんとも言えない余韻と潔さを感じるんですねぇ~♪

その味わいの深さは用意周到な目論見の成功例だと思いますから、シングルカットのA面に置きたいのも、分かりきった衝動です。

ということで、結局は裏があっても、それが素晴らしければ良し!

そうでも思わなければ、やってらんないのが、この世の理であり、ましてや表に基本的な良さを求めてしまう事も、当然の仕儀でしょう。

現在、口先だけの勢いであれやこれやを積み重ねている政治屋の諸先生方には、往年のアナログ盤の如き潔さと暖か味を期待する他はありません。

この気持、分かってはくれないでしょうかねぇ……。

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強烈に凄い! 全盛期ジャズメッセンジャーズの発掘音源!

2012-12-06 14:54:59 | Jazz

The Jazz Messengers At The Free Trade Hall 1961 (Head On Fire = CD)

実は最近、ジワジワとジャズモードに回帰しつつあるのがサイケおやじの本性です。

昨日も病院での検査帰りにソフト屋を急襲! 諸々ゲットしてきた中の1枚が本日ご紹介の発掘音源CDなんですが、なんとっ! リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds) という全盛期ジャズメッセンジャーズによる1961年5月6日のリアルなライプが良好な音質で楽しめたんですねぇ~~♪

01 It's Only A Paper Moon
 有名な歌物スタンダードをモード的解釈で演じるという、当時のジャズメッセンジャーズ十八番の手法がいきなりの大爆発!
 なにしろイントロからの重厚なリフをバックにリー・モーガンが縦横無尽なアドリブをやってくれますからねぇ~♪ その後に出てくるお馴染みの原曲メロディが尚更に愛おしいのもムペなるかな、続くウェイン・ショーターの意味不明なソロ展開も、好きな人にはたまらない世界でしょう。
 もちろんサイケおやじも、その中のひとりとして、ここは発作的なシビれに、どっぷりと浸らせていただきました♪♪~♪
 しかし同時に凄いのはアップテンポで突進するリズム隊の骨太感!
 それゆえに再び登場するリー・モーガンの飛び跳ねフレーズの連発にしても、バンドとしてのグルーヴは決して揺るがないのですから、いゃ~、素晴らしい限りです。

02 Dat Dere
 当時のジャズ・メッセジャーズには欠かせなかったファンキー部門の担当者がボビー・ティモンズであるとすれば、本人自作のゴスペル節が自信たっぷりに披露されるのは自然の流れでしょう。
 ここでもどっしり重いハードバップのグルーヴと真っ黒なソウルフィーリングが全篇に横溢し、加えてウェイン・ショーターのテナーサックスがハードエッジなアドリブを演じれば、リー・モーガンがダークな思わせぶりから情念の噴出を聞かせてくれるのですから、これまた、たまりませんよ♪♪~♪
 ところが肝心のボビー・ティモンズのアドリブが短く、あっさりしているのが、ちょいと勿体無いです。せっかくリズム隊がグリグリに煽っているんですからねぇ……。

03 Are You Real?
 と思った次の瞬間、颯爽と始まるのが、ベニー・ゴルソン時代からの定番ヒットなんですから、思わずグッと惹きつけられるのはジャズ者の宿業でしょうか。
 スピードに乗ったテーマ合奏からウネウネと奇怪なアドリブフレーズを積み重ねていくウェイン・ショーター、直線的でありながら千変万化なリー・モーガン、その対象的な遣り口を演じてくれるフロントプレイヤーの存在こそが、予想を裏切るが如き抜群の相性を感じさせてくれるんですから、これぞっ! 全盛期の証のように思います。
 そして、ボビー・ティモンズの快調なアドリブ、終盤でのソロチェンジは言わずもがな、それを支える硬質なドライヴ感を提供するジミー・メリットのペースも流石の一言!

04 A Night In Tunisia
 これまた常にバンドの定番演目であった有名曲という事で、それは歴代メンバーの実力をリスナーが推し測る意味でも毎度のお楽しみ♪♪~♪
 結論から言うと、ここでのウェイン・ショーターの破壊力は強烈至極で、特にテーマ直後のブレイクの凄さは、とにかく聴いていただく他はありません。また、直線的にぶっつけてくるアドリブフレーズの面白みも、当時としては相当に破天荒だったと思われます。
 そして一方のリー・モーガンも、これまたハチャメチャにぶっ飛んだ存在感をアピールしまくりですよっ! これまでよりもテンポアップしたアンサンブルからアドリブパートまで、ジコチュウ全開なんですから、既に「お約束」となっている終盤の無伴奏ソロのマジギレも火傷寸前でしょう。
 う~ん、時の勢いってのは、こういう事だと痛感!

05 The Summit
 これはなかなかの曲者というか、ウェイン・ショーターが書いた最先端モードの演奏というわけですから、バンドの意気込みとは裏腹に観客の反応は、完全に新しいものを聴いているという感が、この音源録音状況からも伝わってきます。
 つまり非常にクールで熱いメンバー各々のプレイが、観客を圧しているような、ちょいと突っぱねた姿勢が散見されるというか……。
 しかし個人的には、これもリアルなジャズメッセンジャーズとして、大好きです。

06 Like Someone In Love
 という尖がった姿勢から一転、和みのスタンダード曲を柔らかくやってくれるのも、ジャズメッセンジャーズの魅力でしょう。
 ここではリー・モーガンの歌心、ボビー・ティモンズの上手い伴奏、そしてウェイン・ショーターの変態アドリブが見事な融合を聞かせてくれますよ♪♪~♪

07 Kozo's Waltz
 そしてオーラスは威勢の良いアート・ブレイキーのドラムソロからグイノリのモダンジャズが展開される、これがハードバップの保守本流という演奏です。
 あぁ~、こういうものが聴けるからこそ、ジャズの黄金時代はそこにあるっ!
 些か確信犯的なレトリックではありますが、エキセントリックなウェイン・ショーター、作者の強みを活かしたリー・モーガンの突撃ラッパ、親分の敲くワルツビートに強引とも思えるスイング感を付与するボビー・ティモンズ、その隙間を埋め、さらには自己主張も忘れていないジミー・メリット!
 まさにジャズメッセンジャーズの底力を堪能させてくれる演奏です。

ということで、演目はリアルタイムでブルーノートと契約していたジャズメッセンジャーズが、既に1960年春~秋に正式レコーディングしていたものが中心ですから、それ以前の十八番であった「Are You Real?」も含めて、手慣れた中にも前向きな勢いは存分に楽しめますよ。

気になる音質は全7曲で収録時間が約79分強ですから、正直に言えば音圧レベルが幾分低く、ベースとドラムスが目立つモノラルミックスではありますが、それゆえに迫力は充分だと思います。おそらくはラジオ放送用の音源だったのかもしれません。

いゃ~、今でもこんな素晴らしい発掘物が出るんですから、まだまだ世の中、捨てたもんじゃ~ありませんねぇ~♪

ジャズが好きで良かった♪♪~♪

心底、思っています。

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同世代の早すぎる訃報には……

2012-12-05 11:48:24 | Weblog

今日は日帰り人間ドッグというか、簡易健康診断をやってもらっています。

まあ、何も無ければ良いんですが、とりあえず諸々の自覚症状もありません。

しかしそんな日に歌舞伎役者の中村勘三郎が亡くなるという報道は、せつなくも苦しいです……。

なにしろ年齢だって、サイケおやじの世代ですし、絶句でした。

う~ん、今、こうして活かされている事に感謝するしかありませんねぇ。

ということで、夕方までびっしり検査の予定、その後に時間があれば期日前投票に行く予定なんで、本日の1枚は休載致します。

皆様も、どうかご自愛下さいませ。合掌。

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おやじバンドの歌謡曲:其の壱

2012-12-04 15:27:52 | 歌謡曲

バス・ストップ / 平浩二 (テイチク)

現在のおやじバンドの基本姿勢は一応、野郎のロック!

ところがこれまで何をやってもウケなかったところから、今シーズンは熟女さん実力派ボーカリストの参加を得て、これがなかなか好評なんですから、少なくとも個人的には複雑な心境です。

まあ、今更「女にロックは出来ねぇ~~」なぁ~んていう戯言は、やってる演目が昭和歌謡曲なんで、全くお呼びじゃ~ないわけですが……。

しかし、そうした気持は結局、おやじバンドのメンバー相互の認識であったんですねぇ~♪

そこで面目躍如というか、昭和歌謡曲路線を外さない範疇で選んだのが、昭和47(1972)年に大ヒットした平浩二の「バス・ストップ」であります。

というか、実は我がバンドのドラマー氏のカラオケ十八番でありまして、既に本人はすっかり「その気」なんですから、後は流れでお願いしますっ! 掲載のシングル盤も、彼の私物を拝借したものです。

う~ん、それにしても作詞:千家和也、作編曲:葵まさひこによって書かれた「バス・ストップ」は、とりあえず演歌系に分類されるんでしょうが、実はブラターズでもお馴染みの「Only You」が基本ラインなんでしょうねぇ~♪

また歌っている平浩二は、ほとんどこれ一発の大ヒットシンガーなんですが、それゆえに何時までも忘れられないのは、逆に幸せな存在だと思います。これは失礼でも、なんでもない、本当の真実ですよ。

もちろん平浩二の歌の上手さ、説得力は言うまでもありませんから、「バス・ストップ」という極みの名曲を素人がやる以上、そこには覚悟があって然るべきなんですが、同時に誰もが歌ってみたいと思わされるのが、平浩二が演じてくれたプロならではの親しみ易さ♪♪~♪

やっぱり、流石だと思うばかりです。

ということで、おやじバンドの昭和歌謡曲路線は、もう少し続きますが、今しばらくお付き合い願えれば、幸いでございます。

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あべ静江の満点昭和歌謡

2012-12-03 15:31:18 | 歌謡曲

透きとおった哀しみ / あべ静江 (キャニオン)

さて、昨日書いたとおり、本日はサイケおやじがサイモンとガーファンクルの「冬の散歩道」のギターリフをコピー練習した訳を明かしましょう。

それは掲載したシングル盤A面曲「透きとおった哀しみ」に件のリフを用いるための方策でして、同じイントロと歌の展開の中の要所を、それでキメようという目論見であります。

と書いたところで、肝心の楽曲を聴いていただかなければ、その真意は伝わらないとは思いますが、とりあえずサイケおやじの所期の目的は、そこでした。

しかも、書き遅れましたが、歌っているあべ静江は、この曲を出した昭和49(1974)年春頃が実質的な全盛期というか、何をやっても人気が沸騰していた頃でしたから、それに比例するが如きレコードの仕上がりも万全!

まずジャケットからして、清純派の真骨頂とも言うべきソフトタッチの和みが滲み出ていますし、併せて絶妙のフェロモン飽和状態は、説明不要の必須事項でしょう。

もちろん、あべ静江ならではの清々とした声質で、このせつない詞の世界が歌われるのですから、センチメンタルな曲メロに前述「冬の散歩道」が潜まされていたしても、それは作詞:山上路夫&作編曲:馬飼野俊一によるプロフェッショナルの成せる技!?

ですから、サイケおやじが浮き上がった小細工を弄するのも、独善的な不遜ではありますが、それもまたアマチュアバンドをやる、ひとつの楽しみと思っています。

あぁ、何時もの事ではありますが、殊更本日は最高にイヤミな事を書いてしまい、失礼致しました。

しかし、それにしても、この「透きとおった哀しみ」は如何にも「らしい」昭和歌謡曲ですねぇ~♪ 実際にやってみると、あらためて痛感させれているのでした。

そのあたりを含みまして、次回のライプには、この「透きとおった哀しみ」をやる所存でございます。

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冬には冬の歌の楽しみ

2012-12-02 14:55:59 | Simon & Garfunkel

冬の散歩道 / Simon & Garfunkel (Columbia / 日本コロムビア)

この季節になると急激に聴きたくなるのが、本日掲載のシングル盤A面曲「冬の散歩道 / A Hazy Shade Of Winter」です。

もちろん寒~い冬の訪れがあり、しかも現在のサイケおやじは雪国での気儘な単身赴任状態ですから、真相は厳しい仕事があったとしても、本音は微熱気分でウキウキする日が多いわけでして、まあ、こんな事は家族には絶対言えないにしても、ついついこの歌の強烈なギターリフのイントロが心を占めているんですねぇ~~♪

演じているサイモンとガーファンクルは説明不要、とにかく不滅のデュオとして未来永劫聴き継がれる存在と確信していますが、それは詩情豊かな歌詞とメロディばかりではなく、例えば「冬の散歩道」に代表されるような、実に辛辣で自己啓発的な歌詞を強烈なロックフィーリングで演じていた事にも無関係ではありません。

思わず心に突き刺さってくるような鋭さがあってこそ、もうひとつの染み入るような優しい世界も提供されるのでしょう。

さて、そこでサイケおやじは昨夜から、前述した「強烈なギターリフ」を特訓していますが、理由は明日に告白するとして、やればやるほど根性が試されるような凄い構成は快感ですよっ!

ちなみに件の名曲「冬の散歩道 / A Hazy Shade Of Winter」は本国アメリカでは1966年晩秋、日本では翌年初めから春にかけて大ヒットした事により、タイトルどおりに冬の歌のイメージが強いのも当然でしょう。

また演奏パートには有名セッションミュージシャンが参加も確実ですから、全体の力強さやグッと惹きこまれるキメ、中でもイントロフレーズの素晴らしさは、これまた未来永劫でしょうねぇ~♪

1980年代になって、バングルスというお姉ちゃんバンドがカパーヒットさせてしまったのも、何か必然性さえ感じられます。

ということで、さあ、これから練習再開!

繰り返しますが、その真意は明日書かせていただきます。

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