■学生通り / 木之内みどり (NAV)
春の新年度といえば、スケベ心に満ちたサイケおやじには、どうにも女子大生あたりに目が行ってしまうわけでして、それも今時期の彼女達ならではの初々しさを強く感じての所業です。
さて、それには微妙に掛離れていますが、本日掲載したのは、木之内みどりが昭和51(1976)年春に発売した、如何にも女子大生イメージを狙ったかのような通算5枚目のシングル盤から、特にA面収録の「学生通り」をご紹介致します。
というのも、結論から言うと、これがベタベタの歌謡フォークで、既に皆様ご推察のとおり、ガロが昭和47(1972)年末頃から大ヒットさせた「学生街の喫茶店」の路線を見事に継承した、これがなかなか刹那のアイドルバージョン♪♪~♪
遊び人っぽい男に自然に捨てられた元女子大生(?)が、切々と自らの気持を独白する歌詞は、松本隆が微妙に滲ませる都会派フィーリングの歌詞と財津和夫のパロディと言っては失礼なほど上手い、泣き節歌謡メロディの並立があってこそ、木之内みどりの決して優れてはいない歌唱力には相性抜群と思うばかり♪♪~♪
それは曲が進むにつれて、ジンワリと盛り上がっていく展開の妙に表れ、殊更二番のサビから終楽章に至る彼女の歌いっぷりには、思わず「うるっ」ときてしまうのがサイケおやじの本性です。
また、アレンジを担当したのが松任谷正隆とくれば、その穏やかで深みのあるサウンド作りが、これまたナチュラルにユーミンの世界へ近づくのも、当然と申しましょうか、この「学生通り」には、例の「いちご白書をもう一度」のイメージがちょっぴり重なったりするんですが、いかがなものでしょう。
ちなみに「いちご白書をもう一度」はバンバンが昭和50(1975)年秋~冬に大ヒットさせていますから、そういう学生時代路線が当時の歌謡界では、ひとつのトレンドであったのか?
リアルタイムを同世代で過ごしながら、今になってそれを想うのも、すっかり中年者の宿業なんでしょうねぇ……。
ということで、ジャケ写に登場している木之内みどりの愛くるしさは、絶品!
彼女のようなガールフレンドがいたら、きっとサイケおやじの学生時代も充実していたにちがいないっ!
そこまで思わされてしまうのでした。