■Dance, Dance, Dance c/w 太陽あびて / The Beach Boys (Capitol / 東芝)
本当は待望久しいと言うべきなんでしょうが、個人的にはイマイチ期待していないのがビーチボーイズの再集結と新作発表、そして予定されているらしい来日公演の諸々です。
なにしろバンド結成50周年ですからねぇ~、そりゃ~、正直、分かりますけど、サイケおやじが懸念しているのはブライアン・ウィルソンばかりか、最近は他のメンバーでさえ固執(?)している「ペットサウンズ」や「スマイル」への姿勢で、もしもそれがライプで再現されるとしたら、なんだかなぁ……。
だって、率直に言って、ビーチボーイズが一番輝いていたのは、それ以前の時期でしょう。
もちろんサイケおやじだって、「ペットサウンズ」は最高に素敵なアルバムだと思いますし、「スマイル」だって未だ難解だと自覚しつつも、先日ようやく公表された集大成ボックスはゲットしたほど、これはなかなか無視出来ない領域だと認めているところです。
しかし、それは本当に近年の世評による後押しがあっての事で、現実的にはリアルタイムでのヒット盤では無く、ビーチボーイズ本隊とブライアン・ウィルソンが決定的に対立する火種だった事実は一概に過言ではありません。
そこで思い出されるのが、サイケおやじも出かけて行った昭和54(1979)年8月の二度目の来日公演で、それは「Japan Jam」と銘打たれた江の島での野外ライブだったんですが、他にもファイアー・ホール、ハート、そして日本のバンドとしてサザン・オール・スタアズ等々が登場の大イベントでした。
で、この時の一番の注目点は「ブライアン・ウィルソンが入ったビーチボーイズ」という、日本のファンにとっては非常な関心事で、なにしろ前回の初来日では、ブライアン・ウィルソンが巡業には不参加という既定路線に入っていましたからねぇ~~。
残念ながらデニス・ウィルソンは怪我を理由に休んではいたものの、マイク・ラブ、カール・ウィルソン、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンに数名のサポートメンバーを入れた陣容は、まさに夢の出来事だと、サイケおやじは舞い上がっていましたですねぇ、実際にライプがスタートするまでは。
ところが肝心のブライアン・ウィルソンはキーボードの前に板付状態……。
時にはベースも担当していたような記憶もあるんですが、おそらくは楽器も、ボーカルマイクもオフ設定だったと思うほどの飾り物だったんですよ。
しかも演じられた代表曲の数々の中でウケていたのは、往年のサーフィン&ホットロッドのヒット曲だけで、1960年代半ば以降の例えば「Darlin'」や「Do It Again」等々になると観客のノリが急激に低下し、さらに1970年代のリアルタイムの演目なんて、もう悲惨なほどに……。
ちなみに、この時のビーチボーイズは決して手抜きでは無かったと思いますし、サポートメンバーを入れたライプステージは既に当時の定番構成でしたから、個人的には違和感を覚えるほどではありませんでした。
むしろマイク・ラヴを先頭にしたグループとしての旺盛なサービス精神は感度良好♪♪~♪ 歌もコーラスワークも演奏も、なかなか纏まりがあった印象です。
そしてビーチボーイズは、やっぱり「ペットサウンズ」以前だよなぁ~~♪
絶対の確信を得ましたですねぇ~♪
さて、そこで本日ご紹介のシングル盤はアメリカでは1964年晩秋、我国では翌年早々に出た、まさに急所を突かれたような素敵なカップリング♪♪~♪
なにしろA面の「Dance, Dance, Dance」からして、実にノリが最高というビーチボーイズ流儀のR&Rであり、痛快なギターリフと複雑なベースラインの混在は明らかに狙ったものでしょうが、これは見事な大正解だと思います。
しかも様々な打楽器を使用した厚みのあるサウンド作りも侮れません。つまり各方面で言われている、フィル・スペクターに対する挑戦的恩返しという証明なのでしょうか? 翌年春に出される名作アルバム「トゥデイ!」の見事な予告編となって、サイケおやじは大好きです。
一方、B面の「太陽あびて / The Warmth Of The Sun」は同年春先に出していたアルバム「シャットダウン Vol.2」からカットされた、素晴らしすぎるスローバラードの決定版で、美しくも儚い心象風景がジンワリと焼きつけられる感動の名曲ですよ。
あぁ、最初っから最後までファルセットで歌うブライアン・ウィルソンを他のメンバーが綺麗なコーラスワークで彩る構成こそ、ビーチボーイズの真骨頂じゃないでしょうか!
本当に何度聴いても、泣けてきます。
ということで、このあたりの刹那の快楽性こそが、サイケおやじにとってはビーチボーイズの最高点でありますから、すっかり濁り声になってしまったブライアン・ウィルソンやノリが衰えたマイク・ラブ、また失礼ながら結果的に形骸化しつつあるビーチボーイズに過大な期待は禁物と思うわけです。
しかし同時に、もしかしたら……!?
そう思いたい気持も確かに有るんですから、予定されている今年の来日公演が夏頃という噂には、ちょいとばかりのウキウキ感が、う~ん、この自己矛盾!?
それを解消するためには当分の間、初期ビーチボーイズを聴きまくる他は無いと思うのでした。
ブライアンがいなかったのでガッカリしたものです。このレコード1965年330円で発売されましたが、6月に買った時370円でした。
ノーテンキなサウンドの63-66年頃の彼等が
やはり最高ですね?
毎度、コメント感謝です。
そういえば当時、レコードの価格がコロコロかわっていたような記憶があります。確か2000円のLPが1500円や1800円に値下げなった事もありましたよねぇ。
物品税の影響でしょうか。
増税ばっかり目論む政治家は、過去を知って欲しいもんです。