OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ビーチボーイズはアメリカ産

2020-08-15 17:02:02 | Beach Boys

Made In U.S.A / The Beach Boys (Capitol)

  A-1 Surfin' Safari 
  A-2 409 
  A-3 Surfin' U.S.A. 
  A-4 Be True To Your School (single version) 
  A-5 Surfer Girl 
  A-6 Dance, Dance, Dance 
  B-1 Fun, Fun, Fun (single version) 
  B-2 I Get Around 
  B-3 Help Me, Rhonda (single version) 
  B-4 Don't Worry Baby 
  B-5 California Girls 
  B-6 When I Grow Up 
  B-7 Barbara Ann (single version) 
  C-1 Good Vibrations 
  C-2 英雄と悪漢 / Heroes And Villains 
  C-3 素敵じゃないか / Wouldn't It Be Nice (remix version)
  C-4 Sloop John B. 
  C-5 神のみぞ知る / God Only Knows 
  C-6 Caroline, No 
  D-1 恋のリバイバル / Do It Again (single version) 
  D-2 Rock And Roll Music (album version)
  D-3 Come Go With Me 
  D-4 Getcha Back 
  D-5 Rock 'N' Roll To The Rescue
  D-6 夢のカリフォルニア / California Dreamin'

    ※新曲扱い

今日まで、何かとベスト盤やコンピレーション盤を数多出しているビーチボーイズではありますが、掲載したのは、1986年に発売された、これが当時としては、なかなかに有用で、嬉しい2枚組LPでありました。

なにしろ最後の2曲、「Rock 'N' Roll To The Rescue」と「California Dreamin'」が堂々の新曲扱いでありましたし、その頃に我が国では容易に聴くことが叶わなかったモノラルミックスのシングルバージョンまでもが、しっかりと入っていたんですねぇ~~♪

ご存知のとおり、ビーチボーイズ全盛期の諸作、つまりは1960年代中頃までに発売されたレコードはリーダーのブライアン・ウィルソンの意向が強く反映されたと云われていますが、とにかくモノラルミックスを最初っから想定しての制作だったそうで、このあたりはビーチボーイズだけではなく、例えばビートルズも同様の姿勢ではありましたが、それでも時代の要求からアルバムはステレオミックスを望んでいたキャピトルレコードとしては、モノラルミックスのマスターテープから勝手に独自のステレオミックスによるLPを発売し、それは左右に音の位相を少し変えただけの所謂「疑似ステレオ」盤でありながら、主力商品として流通させていたのですから、始末が悪く……。

例えば、そんな「疑似ステレオ」によるアルバムとしてはキャピトルレコードにおける1962年の1st「サーフィン・サァフリ」、1965年の「トゥディ」「サマーディズ」「パーティ!」、1966年の「ペット・サウンズ」、1967年の「スマイリー・スマイル」と「ワイルド・ハニー」という、今となっては歴史的黄金期の諸作がモノラルミックス優先で制作されていたという現実には驚いてしまう皆様も必ずやいらっしゃると思いますが、一応はリアルタイムで出回っていた日本盤にしても、モノラルと疑似ステレオのトラックが混在したLPがありまして、それでも当時は、そんな真相(?)に気づかなかったのがサイケおやじの本性でした。

ところが、ビーチボーイズを聴いていく過程おいて、どうやら前述したとおり、ビーチボーイズのモノラル偏向主義は、ブライアン・ウィルソンの強固な意志によるところが大きいという真実に触れ、しかもちょうどタイミングが良かったのは、1980年代も中頃になると、我が国でもアルバム「ペット・サウンズ」を高く評価する動きが殊更業界やポップスマニアの間で広がっていましたので、「あの曲のシングルバージョンは云々」等々という情報が耳に入って来ていたのですから、たまりません♪♪~♪

実はサイケおやじも、その頃に仕事でアメリカへ行けた時には積極的に中古レコード店に赴き、その猟盤活動ではアナログのシングル盤も獲物として狙っていましたので、それなりに存在を確認し、幾枚かは蒐集出来ていたのですが、ついにそれらが纏まってLP化されたのは朗報という他はありませんでした。

そこで掲載のベスト盤「メイド・イン・USA」の収録曲は上記したとおり、正にビーチボーイズの演目の中でもド有名な歌と演奏ばかりで、しかもA面初っ端の「Surfin' Safari」からD面1曲目の「Do It Again」までがモノラルミックスなんですねぇ~~♪

そして既に述べたとおり、そのほとんどが基本的にシングル盤で発売された、所謂シングルバージョンであり、具体的に注釈を入れたトラックについては、まず「Be True To Your School」がチアガールっぽいコーラスが入った勢いのある楽しいテイク♪♪~♪ これなどは、全くビーチボーイズ全盛期の証の様な仕上がりだと思いますので、これだけでも、このベスト盤の価値があると思ったほどでした♪♪~♪

同様に「Fun, Fun, Fun」は発売当時から立派なリアルステレオバージョンが作られていて、それはアルバム「シャット・ダウン Vol.2」のステレオ盤に収録されているんですが、ここに収録のモノラルミックスによるシングルバージョンは、それに比べるとフェードアウトが長くなっているのが特徴的です。

ただし、個人的な感想を述べさせていただければ、件のステレオバージョンのフェイドアウトは演奏パートが先に消え、ボーカル&コーラスがアカペラの如く残るので、サイケおやじは、これが実は大きなという事を告白させていただきます。

また、「Help Me, Rhonda」は、アルバム「サマーデイズ」所収のテイクですし、「Barbara Ann」はフェイドアウトで終わるので、シングルバージョンと知れました。

それと「恋のリバイバル / Do It Again」はエンディングの効果音が入らない事が有名なシングルバージョンですが、そのあたりの価値観は十人十色かもしれず、最初からコーラスが全開のアルバムバージョンが収録された「Rock And Roll Music」も、然りと思います。

さらに気になるのは、ここに収録された「素敵じゃないか / Wouldn't It Be Nice」が、今ではマニアの間で「バージョン 2」と呼ばれている別ミックスだという情報が入っていたので、大いに楽しみにしていたのですが、ちょっぴりボーカルが違う様な気がするだけというか……、あんまり個人的には???

さて、そこでいよいよ眼目と言えるのが、新曲扱いだった「Rock 'N' Roll To The Rescue」と「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」で、前者はマイク・ラブとテリー・メルチャーが共作した、このアルバムのための新曲と言いたいところなんですが、実は結成25年記念アルバムの制作が企図された中にあって、それが頓挫した結果としてのベスト盤「メイド・イン・USA」という裏話(?)が囁かれているのですから、その「Rock 'N' Roll To The Rescue」にブライアン・ウィルソンのリードボーカルがあろうとも、なんとも「らしくない」アップテンポのハードロック調は、これまた個人的には???

なんか……、ドラムスの音からして、馴染めないんですよ、サイケおやじには……。

さらに「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」は説明不要、誰もが知っているママス&パパスの大ヒット曲をカバーしたという、これに期待しないのはビーチボーイズのファンならずとも、アメリカンポップス&ロックの愛好者にはいないはずと思うばかりのトラックで、しかもバーズのロジャー・マッギンが象徴的とも言えるエレクトリックの12弦ギターで参加しているのですから、これが素敵じゃ~なかったら、ウエストコーストロックの神話が崩れるという恐れさえ……。

結論から申し述べれば、サイケおやじは……、何度、ど~聴いても、イマイチ好きになれません……。

実は……、直後に知った事なんですが、この「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」のレコーディングは既に数年前に基本的なところは出来上がっていて、それが1983年にマイク・ラブとディーン・トーレスが組んで企画発売したカセット仕様のオムニバスアルバム「ロックンロール・シティ」の中にビーチボーイズ名義で収められていたトラックがオリジナルだとすれば、それをベスト盤「メイド・イン・USA」用に改編するにあたり、前述したロジャー・マッギンの12弦ギターをダビングするに関した作業は、バーズをメジャーデビューから売りまくったプロデューサーのテリー・メルチャーが、ここでも手腕を発揮したという事なのかもしれません。

ちなみに、テリー・メルチャーはドリス・デイの息子であり、幼少期から芸能界には馴染んでいたのでしょう、それなりに音楽的な才能もあった事から、1962年にコロムビアレコードと契約し、テリー・デイ名義のレコーディングも行いましたがヒットを出せず、裏方へ云々というストーリーは良く知られているところでしょう。

そして以降、ブルース・ジョンストンと組んだブルース&テリー名義でビーチボーイズのカバーを出したり、同系サーフィン&ホットロッドのグループをプロデュースした事から、ビーチボーイズとの繋がりも深まり、そんなこんなの関係は容易には書き尽くせませんので、本日はここまでとさせていただきますが、今となっては、ブライアン・ウィルソンに見捨てられたが如き1985年頃からのビーチボーイズに裏方スタッフとして参画し、前述「Rock 'N' Roll To The Rescue」と「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」を具象化したばかりか、それに先立つ久々の大ヒットシングル曲「Getcha Back」を出せたのも、テリー・メルチャーの存在があれがこそっ!?

しかし……、それでも、ここでの音作りは妙に新しくて、ドカドカ煩いドラムスや品性が感じられないサックスの音色等々、これまた「らしくない」違和感が……。

ということで、最後の最後に肩すかしが待っていたとはいえ、サイケおやじとしては、このベスト盤には愛着がありますし、例え問題作(?)であろうとも、件の「Rock 'N' Roll To The Rescue」と「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」が今でも容易に聴けるのは、このアルバムが最良かもしれません。

あっ! 書き遅れてしまいましたが、「Rock 'N' Roll To The Rescue」は当時流行のリミックスした「12インチバージョン」が2~3種類は制作流通していたはずなんですが、サイケおやじとしては既に述べたとおりの失望感がありましたので、入手しておらず、今となっては後悔モードにどっぷりであります (>_<)

うむ、ビーチボーイズの奥の細道も、険しい……。

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