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サイケおやじの生活と音楽

ビーチボーイズはエレキバンドだっ!?

2023-05-28 19:57:25 | Beach Boys

The Beach Boys' Instrumental Hits (Capitol / 東芝)

昭和40年、つまり1965年の日本で一番人気が高かったロックバンドはベンチャーズだったので、必然的に国内外のミュージシャンによるエレキインストのレコードが次々に発売されていたのは歴史的事実であり、人気と実績の面においても、ビートルズやストーズ、あるいはビーチボーイズといった殿堂入り(?)のグループよりも、とにかくエレキインストがウケていたのですから、それを果たして、今のお若い皆様には、ご理解いただけるものだろうか……?

―― なぁ~んていう、年寄りの余計なお世話をサポートしてくれるのが、本日掲載したビーチボーイズのアルバムでして、発売されたのは昭和40(1965)年でしたから、正に日本はエレキブームが大爆発の社会現象真っ只中!

ですから、「ビーチボーイズのインストゥルメンタル・ヒッツ」というアルバムタイトルに偽り無しの収録全編がエレキギターをメインに演奏されたインスト曲で構成されているんですねぇ~♪

   A-1 Surf Jam ※
   A-2 Let's Go Trippin' '65 ●
   A-3 The Rocking Surfer ◎
   A-4 Misirlou ※
   A-5 Carl's Big Chance ▲
   A-6 シャット・ダウン Vol.2 / Shut Down Part Ⅱ ▼
   B-1 Moon Dawg ★
   B-2 Let's Go Trippin' ※
   B-3 Boogie Woodie ◎
   B-4 Stoked ※
   B-5Honky Tonk ※
   B-6 Denny's Drums ▼

          ★サーフィン・サファリ (1962)
          ※サーフィンUSA (1963)
          ◎サーファー・ガール (1963)
          ▲オール・サマー・ロング (1964)
          ▼シャット・ダウン Vol.2 (1964)
          ●コンサート (1964)


あらためて述べるまでもないとは思いますが、ビーチボーイズのスタジオレコーディングの現場にはハリウッドで活躍していた凄腕のセッションプレイヤーが助っ人参加していた事実は揺るがせには出来ないものの、しかし、それでもビーチボーイズは公式レコードデビュー以前からのステージライブやブレイクして以降の巡業においては、自前の演奏で所謂「たたき上げ」のバンドスタイルを確立しており、そりゃ~、決して上手いとは言い難いところはあるにせよ、それなりに本物のロック魂を発揮していたと思うサイケおやじにすれば、このアルバムで聴ける「程好い下手さ加減」には好感が持てるんですよ (^^)

もちろん、このアルバムそのものが既に述べたとおり、エレキブームに当て込んだ我が国独自の編集盤という狙いから、既に発売済みだったビーチボーイズの音源から、それに相応しいトラックを選び抜いたという企画の妙もありましょう。

一応、ネタ元収録のLPを注釈させていただきましたが、全トラックがバンドとしてのビーチボーイズの自前感(?)を強く滲ませた演奏に仕上がっているところは、粗削りなスタイルが逆にロック本来の粗野なフィーリングを発散させるカール・ウィルソンのリードギター、シンプルな音しか出せていないマイク・ラブのテナーサックス、ちょっぴりサンディ・ネルソンを意識したかの様なデニス・ウィルソンのドラムス等々に顕著ではありますが、既に述べたとおり、もしも、ここに収録の楽曲をセッションプレイヤーが演奏していたら、それほど面白い仕上がりになっていないというか…… (^^;

そこで簡単ではありますが、収録トラックについて述べさせていただければ、まずはA面ド頭の「Surf Jam」はタイトルどおり、アップテンポでロケンロールなサーフインストであり、マイク・ラブの控えめ(?)なテナーサックスも憎めませんが、それにしてもカール・ウィルソンのリードギターがカッコイイ~ですねぇ~~♪

ちなみに、このアルバムには補足の邦題というか、別名「サーフジャム」というアルバムタイトルが付けられておりますが、それも納得の好トラックだと思います (^^)

ですから、サーフインストの本家本元のギタリストとして有名なディック・ディルの代表曲「Misirlou」の必死感が伝わって来る熱演にはコピーしている意地と負けん気があり、同じくディック・ディルの「Let's Go Trippin'」も、また然り!

ここではイントロ前の掛け声は面映ゆい感じではありますが、前述したディック・ディルのバージョンでは大きく前に出ていたテナーサックスによるソロ&リフのパートを全てエレキギターで演じてしまったビーチボーイズの狙いは的確だったと思えば、わざわざ「'65」と後付けした同曲のライブバージョンでの痛快な熱気は羨ましくなるほどですよ (^^)

実は告白すれば、サイケおやじが、このLPを入手したのは昭和46(1971)年、中古でのゲットだったというのも、当時は初めて憧れのエレキギターを入手し、エレキのバカ大将を目指していた頃だったという事情がありましたからねぇ~~、ここでのビーチボーイズの演奏にも、強く思い入れてしまっていたんですよ (^^;

そこで拙い理論性もテクニック無いままに、コピーしてしまったのがベンチャーズでもお馴染みの「Honky Tonk」ゃ「Moon Dawg」だったんですが、なかなか軽快なフィーリングの前者、ビーチボーイズならではのコーラス入れた後者のスマートな雰囲気が全く出来ず、つまりはモタモタしたギターワークに己の限界を…… (>_<)

そんなわけですから、必然として鑑賞を第一義としてスピーカーの前に端座すれば、おそらくはブライアン・ウィルソンが弾いているであろうオルガン主体の和みのインスト「The Rocking Surfer」、同様にアップテンポのブギウギピアノにシンプルなオルガンのリフを重ねた「Boogie Woodie」、ミディアムテンポで珍しく(?)黒っぽいブルースロックなギターインスト「Stoked」や初期ストーンズっぽい「Carl's Big Chance」も実にイイ感じ♪♪~♪

しかし、一方……、如何にも埋め草の「Denny's Drums」は、ど~なんでしょうかねぇ…… (^^;

これを選曲するぐらいだったら、サイケおやじも大好きな「恋の夏 / Summer Means New Love」を入れて欲しかったと思うわけですが、現実的は件の名曲名演はオンタイムでは日本未発売だったと思われる傑作アルバム「サマー・ディズ」収録トラックでしたからねぇ……、致し方かないわけで…… (^^;

その意味でも様々に凝ったレコーディングで仕上げられた「シャット・ダウン Vol.2 / Shut Down Part Ⅱ」の面白さは、ビーチボーイズの面目躍如でありましょうか、ちょいと助っ人ミュージシャンの存在も気になるところではありますが、後年の先進性を想わずにはいられませんよ (^^)

ということで、本日は入れてもらっている高齢者バンドの練習に久々に参加出来まして、思いっきりエレキインストをやれたのは嬉しかったです。まあ……、それもボーカルメンバーの2人にキーボード氏の参加が無理だったという経緯もあったんですが、それはそれとして、個人的には憂さも吹き飛んだというわけです (^^)

まあ……、自分だけ楽しんでしまって申し訳ないという気分もあったりして、そこで本日は、このアルバムのご紹介でございます <(_ _)>

確か現在では同タイトルながら、山下達郎が追加選曲したという触れ込みの補増版CDが出ていますので、気になる皆様は、ぜひともお楽しみくださいませ。

あぁ~~、夏は、これからっ!

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