■すてきなジェンカ / 木の実ナナ (キングレコード)
長かった先週からの出張も、どうにか終りに近づき、本日は帰路の途中という浮かれ気分の中、例によって訪問各地の中古屋を急襲し、ゲットした獲物のひとつが掲載のシングル盤です。
そんなわけで画像はケイタイ用バッタの機器でスキャンしたので、ちょいと不鮮明かもしれませんが、中身もスリープも発売された昭和40(1965)年からの時間経過を鑑みて、なかなか良好だったのはラッキ~~♪
と、思わず見せびらかしモードに入って、申し訳ございません。
しかし、それでもこれはサイケおやじが長年の探索対象のひとつだったという事情に免じて、以下の拙文をよろしくお願い致します。
さて、まず歌っている木の実ナナは当時、洋楽カパーポップスを得意演目にしていたところから、この「すてきなジェンカ」も、そのとおりの日本語歌詞を附した軽快なビート歌謡に仕上がっています。
もちろん「ジェンカ」とは、フィンランド民謡を基にしたダンス音楽として、我国では坂本九や青山ミチがヒットさせた「レットキス」が超有名かと思いますし、実際、学校のフォークダンスでは定番曲として、昭和40年代を象徴する音楽だったかもしれませんが、この木の実ナナの「素敵なジェンカ」は、それとはちがう、原曲名を「Jaakon jenkka」として、1964年にヤーッコ・サロン・オーケストラが流行らせたものをネタ元にしています。
それは基本的にジェンカ特有の弾んだリズムパターンとちょっぴり哀愁のメロディラインを用いての作曲はヤーッコ・サロ、そして木の実ナナのバージョンでは作詞:七野洋&編曲:大沢保郎という制作陣が、如何にも楽しさ優先の仕上がりを狙ったのでしょう。
木の実ナナも、ドライ&ウェットなボーカルスタイルを全開させた快唱を披露しています♪♪~♪
節回しに上手く入れる微妙なコブシの匙加減も良い感じ♪♪~♪
なによりも軽いタッチのグルーヴ、というよりも、ノリが素晴らしいんですよねぇ~~♪
ということで、当時のボーイッシュイメージも眩しい木の実ナナは、リズムというよりはピートに対する感性が飛び抜けていたように思います。
しかし、それゆえに歌謡曲保守本流の「粘っこさ」、言い換えれば下世話さが不足していたような感じもありましたから、この時代には特段の大ヒットも出せなかったんですが、それでも残された音源の数々は相当に魅力的です。
そうした初期のレコードから代表曲を集めた復刻編集CDが発売されているのは喜ばしいかぎり!
機会があれば、皆様も、昭和40年代の木の実ナナをお楽しみ下さいませ。
かなり浮かれますよ♪♪~♪
それが高度成長期のひとつの様相を表わしていたとすれば、なんとなく煮詰まっている現在の世相にこそ、必要な歌と思うばかりです。