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サイケおやじの生活と音楽

昭和40年代後半からの大切:伊東ゆかり篇

2014-04-27 15:11:19 | 歌謡曲

明日をめざして c/w これからはじまる静かな朝へ / 伊東ゆかり (Denon / 日本コロムピア)

昭和40年代の伊東ゆかりは、おそらく誰よりもストレートに歌謡ポップスを演じられる女性シンガーだったかもしれません。

ですから、その頃に制作されたレコードは、何れもが良質の仕上がりになっていると思うのは実際のところ、後追いの評価でしょう。

何故ならば、リアルタイムではお洒落過ぎるというか、そのスマートな感性が必ずしもヒットに結びついていなかった現実があり、例えば昭和46(1971)年に発売された本日掲載のシングル盤も、そのひとつと認識されます。

極言すれば、歌謡曲には不可欠の下世話さが、どうにも最初っから不足気味なんですよねぇ……。

なにしろA面収録の「明日をめざして」は、ちょっぴりスパニッシュ調が入った往年のハリウッドポップスを模したような感じで、それが作編曲を担当した筒美京平の目論見ならば、橋本淳の綴った歌詞の程好い自己犠牲的な愛の世界が、尚更にせつないわけです。

しかし、だからこそ、ニューミュージックなぁ~んていう便利な言葉が無かった時代では、幾分当時の世相からは浮いてしまった感が否めません。

そして一方、B面収録の「これからはじまる静かな朝へ」が、東海林修の編曲による、十八番のカーペンターズ歌謡とでも申しましょうか、イントロのピアノから曲全体の彩りが、モロにA&M初期のサウンドになっているんですねぇ~♪

と同時に、作詞:井口愛&作曲:吉田央の企図(?)したと思しき、歌謡曲どっぷりの世界が洗練された味わいに転化されるのも、伊東ゆかりのナチュラルな洋楽的歌唱力の成せる技かと思うばかり♪♪~♪

個人的にはB面を愛でてしまう、如何にもアナログ盤の特性が活かされた1枚になっています。

ということで、伊東ゆかりの昭和40年代後半からのレコードは過小評価気味?

なぁ~んて思わざるをえないほど、中古市場での扱いも良くない感じですから、今こそ彼女の歌を聴きたい、聴こうと心に決めている皆様であれば、チャンス到来でしょう。

もちろんベスト編集盤はCDも常に出回っていますが、このレコード収録の両面2曲あたりは、あまり対象になっていないのでは?

そんなこんなを悲観しつつ、しかし伊東ゆかりの素晴らしさを、しっかりとこれからもお伝え出来れば、幸いでございます。

コメント (2)
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