■恋のパイナップルサマー / 西崎みどり (ミノルフォン)
所謂アイドル全盛期は、おそらく昭和50年代だったでしょう。
それは「スター誕生!」等々のテレビオーディション番組が各局で放送されていた事でも明らかですが、特に女性歌手の場合は演歌や正統派歌謡曲を得意にしていても、レコードデビューは歌謡ポップスという例が少なくありません。
長山洋子は、その典型的なアイドルでありましたが、そうしたブームの中にあっては、既にデビューして、それなりの人気や注目を集めていたキャリア組であっても、アイドル路線のレコードを出す事が強く求められていた時期でもありました。
本日の主役たる西崎みどりにしても、幼少の頃から日舞の世界で活躍し、また美少女モデルとしても有名な存在であり、7歳にしてレコードデビュー!
田端義夫とのデュエット(!)曲「ねんねん舟唄」は言わずもがな、昭和49(1974)年には正統派歌謡曲「旅愁」のメガヒットを出していながら、アイドル路線も並行して求められたのですから、ある意味では良い時代でした。
掲載したシングル盤は、それが存分に楽しめる昭和52(1977)年の人気作で、とにかくA面の「恋のパイナップルサマー」が、そのものズバリ!
ほとんど何も考えていない、ノーテンキな夏のアイドルポップスがど真ん中のストライクですよ♪♪~♪
もう、ウッキウキの気分が追い撃ちのイントロからアップテンポの溌剌感は全開で、しかも実に上手い西崎みどりの歌いっぷりが堂々としているあたりは、流石に芸能界を生き抜いて来た証でしょう。
特にイヤミの無さが、妙に玄人っぽいフィーリングなのも侮れません。
ちなみに喜多条忠の作詞は、些かありきたりかもしれませんが、都倉俊一の作編曲の潔さは、これまた最高の極みだと思いますねぇ~♪
ということで、夏のアイドル歌謡ポップスは、こうあるべし!
みたいな好例が西崎みどりの「恋のパイナップルサマー」で、それはジャケ写共々、後世に語り継がれる名作ではないかもしれませんが、失礼ながら、こういう類型的なレコードほど、ファンやマニアには好まれるんじゃないでしょうかねぇ~~♪
実際、リアルタイムよりは、今になってこれが大好きなサイケおやじであります。