OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

濡れシャツのかおり

2013-07-06 14:28:57 | 歌謡曲

六本木心中 / 桃井かおり (CBSソニー)

さて、昨日取り上げました「青春のしぶき / 影山美紀」のジャケ写イメージについて触れた「濡れシャツ演出」で思い出したのが、本日ご紹介のシングル盤です。

もちろん主役の桃井かおりは説明不要、今や日本の有名女優のひとりとして、虚無と半ボケ(?)のキャラクターが十八番という個性派であり、最近では様々なCMに登場しては、極みの存在感を発揮していますが、だからこそ歌手としても味わい深いレコードを色々と出してきました。

そしてこれは多分、桃井かおり名義では最初のシングル作品でしょう。

発売は昭和48(1973)年、ただし、実は最初に作られたのは企画アルバム「上村一夫の世界 / 同棲時代~春夏秋冬」に収録の音源であり、当然ながら社会現象にまでなった上村一夫の代表作「同棲時代」をモチーフにしたオムニバスLPからのカットになんですが、それゆえに冒頭に置かれた桃井かおりと小倉一郎のナレーションが暗~い雰囲気を演出しているのは、如何にも当時の世相にどっぷりです。

というか、サイケおやじを含むその頃の若者の多くが、あてどないながらも、漠然と明るい未来を自然に思い込んでいられた幸せがあればこそのネクラムードだったんですよねぇ。

これには絶対の異論もあろうかとは思いますが、しかしその「繰り返すことが、こわいの……」「死んじゃおぅか?」という台詞に続く楽曲本篇の歌謡ロックした、妙に明るい展開が本音だと思うんですよ。

これは実際に聴いていただく他に、サイケおやじの稚拙な筆は必要無いわけですが、きっと皆様も、流石は上村一夫の作詞に中村泰士の作曲!

と、納得されるはずと思っています。

そして本題(?)の「濡れシャツ演出」が全開のジャケ写では、ご本人の乳首が今となっては「お宝」扱いなぁ~んて、嘯く事はありません。

何故ならば当時の桃井かおりは日活ロマンポルノ「エロスは甘き香り(昭和48年・藤田敏八監督)」への堂々の出演ばかりか、かなり派手に脱ぎまくった演技にも躊躇はありませんでしたからねぇ~~♪

何を今更、と言う気持は毛頭ありませんが、特筆しておきたいのが、ここに登場している桃井かおりのスタア女優らしからぬ「華の無さ」であり、それこそがリアルタイムから全く異質な個性として、時代にアクセスしていたと思うばかりです。

極言すれば「雰囲気女優」とまで決めつけられながら、実は芝居の本質、演技の要は揺るぎない存在感を披露していたのですから!?!

ただしサイケおやじとしては、決して歌が上手くない桃井かおりが、この「六本木心中」では、未だそれを活かせていないイモっぽさが愛おしいんですよ♪♪~♪

ということで、「濡れシャツ演出」のジャケ写は、たまらないというのが、本日の結論です。

そして同系のお楽しみ盤は、コレクターズアイテムとしての価値も絶大であり、先日ご紹介した「Mr. SHADOW / 天馬ルミ子」も、乳首は透けてませんが、この桃井かおり盤の妹分のような雰囲気が良好なのでした。

コメント
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