OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ブレッドのナチュラルに素敵なメロディ

2011-06-21 15:54:11 | Pops

二人の架け橋 / Bread (Elektra / ビクター)

1970年代に大ブレイクしたシンガーソングライターのブームでは、意外と立場が微妙な人達も大勢デビューしています。

と言うよりも、裏方で活躍しながらコツコツと自分自身のレコードを出していた下積みから脚光を浴びるという、ポッと出の成りあがり者とは違う、つまりは玄人の雰囲気を持ったミュージシャンが実力を認められたというわけです。

例えば本日ご紹介のブレッドはデヴィッド・ゲイツ、ロブ・ロイヤー、ジェームス・グリフィンの3人組として1969年にデビューしていますが、それ以前の各人はボーカル&コーラス、あるいは楽器のマルチプレイヤーとしてスタジオでの仕事をやったり、また同時に楽曲の提供等々で広く業界では知る人ぞ知るという存在だったようです。

その彼等がどのような経緯でブレッドと名乗るグループを結成したのかは知る由もありませんが、とにかく作られたレコードで楽しめる素敵なメロディとハートウォームな雰囲気の良さは絶品♪♪~♪

それは所謂ソフトロックというジャンルでしょうが、ブレッドの音楽性は実に幅広く、クラシックもジャズ系スタンダードも、さらにはR&Bや当時の新しい流行になっていたニューソウルまでも、白人ロックやハリウッドポップスのフィルターを通して再構築する腕前は超一流だと思います。

中でも掲載したシングル盤A面収録の「二人の架け橋 / Make It With You」は、全米チャートトップに輝く1970年のメガヒットにして、アレサ・フランクリンもカパーするほど黒っぽいフィーリングがお洒落に昇華された大名曲!

もちろん我国でもラジオの洋楽番組や深夜放送で、まさに一服の清涼剤的なヒットになっていましたですねぇ~~♪

なにしろメロディが抜群ですし、アコースティックギターの爽やかな使い方とエレキベースのソウルっぽさ、意外に刺激的なストリングのアレンジもイヤミがありませんから、ゆったりと流れていく曲展開の中でシンミリとソフトにリスナーの心へ染みてくるボーカル&コーラスは素晴らしすぎる心地良さ♪♪~♪

普通であれば、このタイプのヒット曲は我国の歌謡曲&歌謡フォークにパクられて当然なんですが、ブレッドの「二人の架け橋」の場合は、あまりにも完成度が高くて、流石にそれが出来かねる世界に到達しているように思います。

ちなみにジャケ写には前述の3人が写っていますが、実際のレコーディングにはセッションミュージシャンのドラマーが参加していますし、これが大ヒットしたおかげのライプ巡業の都合でしょうか、この頃からマイク・ポッツが正式にドラマーとしてグループに加わったようです。

そして以降、多くのヒット&隠れ名曲を出したのは言わずもがな、5人目のメンバーとして、これまたスタジオセッションの世界では有名だったラリー・ネクテルも正式参加し、なかなか充実の活動を展開したのですが……。

何故か1974年頃には解散したようです。

しかしブレッドの残した歌と演奏は今日でもCMに使われたり、何かの機会にラジオや有線から流れてきた瞬間、思わず耳を奪われるほど素敵なものばかりという真実は不滅!

国難の中でバカ丸出しの永田町、そして脱力している国民生活の中に、今こそブレッドが歌ってくれるような心に染みるナチュラルメロデイが必要なんじゃないかなぁ……。

そんな想いが胸を過る日々が続いています。

コメント
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