OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

演じて歌う賀川雪絵

2011-01-14 16:30:37 | 歌謡曲

一年は裏切りの季節 / 賀川雪絵 (日本コロムビア)

今年は初っ端から、些かむさくるしいアップが続いたので、本日は新春らしい大サービス♪♪~♪ 女優さんレコードのひとつとして、ジャケットも嬉しい人気盤です。

歌っている賀川雪絵は、「徳川女系図」から始まる東映ポルノ路線の常連女優として大活躍した後、テレビや一般作品にも進出して行きましたが、これはちょうどその過渡期の昭和46(1971)年晩秋に発売された彼女の歌手デビュー曲とはいえ、ヒットしていません。

このあたりは昭和元禄が継続していた当時、女優は歌うのも芸の内という事情があったにせよ、いや、それだからこその厳しさがあったわけです。

しかし流石は賀川雪絵というか、自らのヌードを使った掲載ジャケットをご覧いただければ、今日では絶対にNGなデザインと企画が眩しいばかりでしょう。

肝心の楽曲は作詞:吉岡オサム、作曲:鈴木征一、そして編曲:河村利夫というトリオが組んだ、如何にも昭和なポップス演歌♪♪~♪ 特に電子オルガンのサイケデリックな味付けが高得点ですし、なによりも歌詞の内容が処女喪失~捨てられたスケバンの青春回顧という、そのまんま出演映画の中で彼女が十八番にしていた役柄を歌ってくれるんですから、たまりません。

そこであらためてジャケットを眺めてみれば、虚無的な彼女の表情と共に倒れた洋酒の壜やグラスが写っていて、いかにも捨てられた女の風情が強く演出され、また同時にサービスされる乳やヒップのワレメがしっかり写っているヌード写真が、せつないほどに愛おしいわけです。

ということで、現代では絶対に無理なジャケットデザインばかりが人気を呼んでいるシングル盤ではありますが、ちょいと書くのを憚られるモロな歌詞を幾分押さえ気味に歌う賀川雪絵の「演技」は、実に秀逸だと思いますし、持ち前のエグイ声質も良い感じ♪♪~♪

サイケおやじよりも一回り下の皆様にとっての賀川雪絵は、TV特撮ヒーロー物では悪の女王様といった役柄が印象的な女優さんかもしれませんが、こういう歌も「演じていた」という現実を、ぜひとも楽しんでいただきとうございます。

う~ん、演じて歌う、まさに演歌!

コメント (2)
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