■Frankfurt Tape 1973 / The Rolling Stones (- = Bootleg)
世情混沌とする中で発売されたストーンズの傑作アルバム「メイン・ストリートのならず者」リマスター盤は、果たしてどうなのか……!?
未発表曲&アウトテイクが入っていること、さらに豪華&高価箱仕様にはリマスター音源を使ったアナログ盤や1972年の北米巡業から作られる予定だった映画「Ladies And Gentlemen」と「Cocksucker Blues」の抜粋映像入りという企画は、確かに嬉しいものでした。
当然ながらサイケおやじもゲットさせられたわけですが……。
実は心から楽しめたわけでは、決してありません。
それはリマスターによって再構築された「音」の今風な響きというか、特にボーナストラックの幾つかは、これまでブートで耳に馴染んでいたことあり、どうやら全篇に部分的な音の差し替え等々があるのは間違いないという結論に達しています。
そのあたりを聴き較べる作業も、実は手持ちの音源をあれこれ引っ張り出しての奥の細道に対し、多忙を極めている現在の仕事があっては些か苦痛になっているが、ストーンズ中毒者を自覚しているサイケおやじには哀しいところ……。
で、結局は昔の「生の音源」を求めてしまうんですよねぇ。
例えばちょいと前に入手していた本日ご紹介のブツは、1973年の欧州巡業音源としては、昔から人気の高いもののひとつですが、一応は最新のリマスターというコピー物!?
01 Brown Sugar
02 Gimme Shelter
03 Happy
04 Tumbling Dice
05 Star Star
06 Dancing With Mr.D
07 Angie
08 You Can't Always Get What You Want
09 Midnight Rambler
10 Honky Tonk Women
11 All Down The Line
12 Rip This Joint
13 Jumping Jack Flash
14 Street Fighting Man
ソースデータは1973年9月30日のフランクフルト、その2ndショウを客席から隠密録音したもので、これが何故に人気が高いかと言えば、ミック・テイラーのギターがクッキリハッキリ! 大きな音で聞こえるんですねぇ~♪
正直に言えば、キースのギターが引っ込み、またミックのボーカルもそのとおりという、幾分バランスの悪い音源なんですが、それゆえにリアルな臨場感がブート愛好者にはたまらないところじゃないでしょうか。
もちろんミック・テイラー信奉者にとっては至上の音源♪♪~♪
毎度爆発的なギターソロがここでも満喫出来る「Gimme Shelter」、テンションの高いスライドを披露する「Brown Sugar」や「All Down The Line」はスワンプ的な味わいも別格です。
さらに単音弾き中心のアドリブソロも、まあ、何時も同じようなフレーズばっかりという手癖が逆に嬉しいかぎり♪♪~♪
一方、キースも負けじと奮闘しますが、残念ながら前半では録音の状況から少しばかり勿体ない……。ただし「Dancing With Mr.D」以降になると、それなりに音が大きくなってきますから、後半は本当にストーンズ本来のギターアンサンブルを主軸とした、まさに白熱のロックショウ!
そして轟音の中から確実に聞こえてくるビリー・プレストンのオルガン&ピアノも良い感じ♪♪~♪
ですからクライマックスの「Jumping Jack Flash」から「Street Fighting Man」へと続く流れには、思わず腰が浮いてしいますねぇ~♪ もうミック・テイラーが大暴れですよっ! 特に「Street Fighting Man」の最終パートは物凄いとしか言えません!
ということで、時にはマイクを隠すためでしょう、部分的にはドロップアウトもありますから、決して初心者にはオススメ出来ませんが、ストーンズ中毒を患ってさえいれば、これはこれで至福のひとときが楽しめると思います。
ちなみに他のブートとの音質面での差異では、例えば手持ちの「Guten Abend Frankfurt (VGP)」と比較して、そんなに大きな変化は無いと思いますが、モノラルミックスの定位がこれまで以上に真ん中でメリハリが効いて再生されるという感じがします。
そして今回の「メイン・ストリートのならず者」リマスターをきっかけに、いよいよアーカイヴ物に手を染めたストーンズが、今でも一番人気の1973年ライプ全盛期の音源を解禁してくれることを痛切に願っているのでした。
さあ、今日もまた「メイン・ストリートのならず者」を聴く他ないですねぇ。
と、口では嘆いていますが、本音は嬉しいというサイケおやじの心情は、既に読まれていますよね。ふっふっふっ。