昨日のおやじバンドのライブは、散々でした。が、しかし、演じている本人達が楽しければ、それで良いじゃないか! と開き直っています。
それでもライプ録音した演奏を聴いていると、額に汗が滲みますねぇ……。
ということで、本日はプライベート録音の傑作盤を――
■The Early Show / Art Pepper (Xanadu)
アート・ペッパーが花形プレイヤーだったスタン・ケントン楽団を辞め、1952年に自己のバンドを結成した頃のライプ音源を発掘したアルバムです。
それはボブ・アンドリュースという熱心なジャズファンによって録音されたプライベートなテープが元ネタになっていますが、発売されたのは1976年頃でしたから、それなりに音の補正や編集が加えられています。特に拍手の部分は完全にフェードアウトされていますので、ライブ盤という趣が無くなっているのは、賛否両論でしょう。
録音は1952年2月12日、ハリウッドにあった「サーフクラブ」という店のセッションで、メンバーはアート・ペッパー(as,cl)、ハンプトン・ホーズ(p)、ジョー・モンドラゴン(b)、ラリー・バンカー(ds,vib,per) という素晴らしいカルテットです――
A-1 How High The Moon
A-2 Suzy The Poodle
A-3 Easy Steppin'
A-4 Tickle Toe
A-5 Patty Cake
A-6 Move
B-1 All The Things You Are
B-2 Don't Blame Me
B-3 Surf Ride
B-4 Rose Room
B-5 Suzy The Poodle
結論から言うとアート・ペッパーは、このセッションの翌月にオフィシャルな初リーダーセッションをディスカバリーレーベルに録音していますが、すでにそのレパートリーの一部として「Suzy The Poodle」「Tickle Toe」「Surf Ride」が演じられているのは興味深いところ♪
アート・ペッパーの演奏は、後年の陰影に彩られた繊細な表現はイマイチながら、猛烈なドライブ感と独特のノリ、さらに溌剌とした歌心が眩しいほどです。チャーリー・バーカーの語法を使っていながら、所謂パーカーフレーズがほとんど出ないのも凄いと思います。
共演者ではハンプトン・ホーズが熱気あふれる好演ですし、ラリー・バンカーはドラムスの他にヴァイブラフォンが実に良い味わいで、「Patty Cake」は名演でしょう。
ということで、実は金色インクを使ったジャケットは、ザナドゥというレーベルの持ち味でした。そして新録音は銀色を使っていましたですね。
そこでアート・ペッパーには、もう1枚、「The Late Show」という続篇アルバムもありますから、合わせて楽しみませう。