突発的に観たくなる映画が確かにありまして、今日の私は日活ニューアクション作品がっ!
と言っても仕事中には無理なので、昼メシ時に、これ、聴きました――
■野良猫ロック / 日活ニューアクションの世界 (Solid)
今日、「日活ニューアクション」と呼ばれている諸作は、日活がロマンポルノ路線に転じる直前まで作っていた活劇映画です。それは青春映画でもあり、犯罪映画でもあり、また恋愛映画でもあるというハイブリットなものでしたが、その根底にあるのは若者の反逆だったと思います。
その部分はもちろん、以前の「日活アクション」にも顕著でしたが、ここであえて「ニュー」と付けられたのは、裕次郎や旭といった既存の大スターが登場せず、梶芽衣子や藤竜也といった、どちらかと言えば同社で燻っていた役者が主役を張っていたことです。
当然、演出も流行していたアメリカン・ニュー・シネマの影響が大きく、また日活といえば鈴木清順という、当時の分からないことがカッコイイ的な感覚も強烈に含まれていました。
ですから、そこに使われる音楽もジャズやロック、しかも当時の先端の音が取り入れられ、映像と音楽の融合を目指していたような部分さえ、推察出来るほどです。そして「日活ニューアクション」が再評価されているのも、実はそれゆえなのだと思います。
このアルバムはそんな再評価ブームの中の1枚で、収録された16曲は昭和45年から翌年にかけて全部で5本作られた「野良猫ロック」シリーズに用いられた音源です。ただしシリーズ1作目の「女番長・野良猫ロック」からの音源はありません。これは主演が和田アキ子だったためでしょうか? ちなみに、その作品は彼女を売り出すために企画された側面が強く、もちろん和田アキ子本人の歌も使用されていましたが、その権利関係の所為かもしれません。
で、そこで和田アキ子以上に輝いたのが梶芽衣子だったというわけです。そして以後、彼女を中心にシリーズが製作されていくのは、ご存知のとおりです。
肝心の音源ですが、私的なお目当ては初っ端に収録された「恋のブルース / 青山ミチ」です。これは第4作「マシンアニマル」からの音源で、非常にディープな演歌ブルース♪ そのコブシ、その情念は、不滅の輝きがあります。黒~い、重~いフィーリングと恐いけれども実は優しい心根の呻きをお楽しみ下さい。ちなみにこれは彼女が実際に出演して歌った場面からのものです。
また「野良猫ロック」の代名詞ともなった名曲「禁じられた一夜」は安岡力也のソロ・バージョンと梶芽衣子とのデュエット・バージョンの両方が収録されているのが嬉しいところ♪
それとハードロック音頭の真髄を聞かせる「御意見無用/ モップス」のフィルム・バージョンも貴重です。
他にもジャズロックや歌謡フォーク&ポップスの名演・名曲が多数入っておりますので、当時の雰囲気が楽しめます。ただし、ここまで復刻して映像DVDが出ないのは片手落ちでしょう。
そのあたりは、おまけに付けられた復刻ポスターを見ながら、思いをはせて下さいませ。またジャケットはデジパック仕様、ブックレットには当時のスチールも掲載されています♪