松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

無能政治家の必要ない、「非A(なるえい)の世界」

2020-05-13 13:18:13 | 日記・エッセイ・コラム

 今、欲しいのはこういう世界なんです。端的に言ってヴァン・ヴォークトの「非Aの世界」に、わたくしの理想とする社会は展開します。
 ヴォークトは1912年生まれで、このSF小説を1948年に発表しています。真空管の時代に、AIが統治する社会を描いています。

 人々は職を得るために、AIが選抜する「機械の都市」に集まって来ます。キカイとは、AIの宮殿のことです。ここでは一度に2万5千人が同時に一次試験を受けます。つまり2万5千の小部屋がある宮殿で、部屋にはそれぞれ安楽椅子が一つと机。キカイと会話するためのスピーカー。答えを書いて提出する窓口があります。
 これは選抜であると同時に、教育でもあります。というのは、この試験で大事なのは「なるえい(非A)的思考」だからです。
 ナルエーとは、非アリストテレス的思考法のことで。アリストテレスは、同一視という間違いを犯していたというのです。アリストテレスは、本質を理解しようとして本質は必ず「言葉」で言い表す事が出来ると信じていました。これが間違いだと言うのです。言葉はイコールその物では無い。地図は実際の土地ではない。
 安倍の清明も言っている。言葉には「呪(しゅ)」が掛けられている。人はそれぞれ言葉から、勝手にイメージを膨らます。
 この間違いを犯さないための非A(ナルエー)なのです。

 この本は、SFと言っても難解です。非A的思考の神髄が、随所に出てくるからです。「おれはどうやら半分、記憶喪失症にかかっているらしい。記憶喪失症ということを、その最も広い意味において理解すべく努めねばならぬのだ。そのようにして初めて彼は、今の状態が彼の感情におよぼした影響から、自分を解き放つことができるのだ。」
 いや、これ。やめれば良かった。長くなり過ぎるわ。収拾がつかないので、一旦休憩。

 つまり何が言いたいかというと、吉村知事は素晴らしい。QRコードを使って、コロナを追跡し、本人に通知する。プライバシーは極力守られる。
 さーすが、弁護士出身。パチパチパチ。

 ヴォークトが、時の政権に嫌気が差していたかどうかは分からない。でも賄賂の通じない、一度に2万5千人と話が出来る明晰な頭脳を持った、自己修復能力のあるキカイが、個別の能力に応じた仕事を提案する。

 2650年の設定になっているが、あと630年後には。無理でしょうなあ。

 大事な地位に、高い報酬をあげない事が大事でしょう。誇りが報酬なわけですから。

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