今、欲しいのはこういう世界なんです。端的に言ってヴァン・ヴォークトの「非Aの世界」に、わたくしの理想とする社会は展開します。
ヴォークトは1912年生まれで、このSF小説を1948年に発表しています。真空管の時代に、AIが統治する社会を描いています。
人々は職を得るために、AIが選抜する「機械の都市」に集まって来ます。キカイとは、AIの宮殿のことです。ここでは一度に2万5千人が同時に一次試験を受けます。つまり2万5千の小部屋がある宮殿で、部屋にはそれぞれ安楽椅子が一つと机。キカイと会話するためのスピーカー。答えを書いて提出する窓口があります。
これは選抜であると同時に、教育でもあります。というのは、この試験で大事なのは「なるえい(非A)的思考」だからです。
ナルエーとは、非アリストテレス的思考法のことで。アリストテレスは、同一視という間違いを犯していたというのです。アリストテレスは、本質を理解しようとして本質は必ず「言葉」で言い表す事が出来ると信じていました。これが間違いだと言うのです。言葉はイコールその物では無い。地図は実際の土地ではない。
安倍の清明も言っている。言葉には「呪(しゅ)」が掛けられている。人はそれぞれ言葉から、勝手にイメージを膨らます。
この間違いを犯さないための非A(ナルエー)なのです。
この本は、SFと言っても難解です。非A的思考の神髄が、随所に出てくるからです。「おれはどうやら半分、記憶喪失症にかかっているらしい。記憶喪失症ということを、その最も広い意味において理解すべく努めねばならぬのだ。そのようにして初めて彼は、今の状態が彼の感情におよぼした影響から、自分を解き放つことができるのだ。」
いや、これ。やめれば良かった。長くなり過ぎるわ。収拾がつかないので、一旦休憩。
つまり何が言いたいかというと、吉村知事は素晴らしい。QRコードを使って、コロナを追跡し、本人に通知する。プライバシーは極力守られる。
さーすが、弁護士出身。パチパチパチ。
ヴォークトが、時の政権に嫌気が差していたかどうかは分からない。でも賄賂の通じない、一度に2万5千人と話が出来る明晰な頭脳を持った、自己修復能力のあるキカイが、個別の能力に応じた仕事を提案する。
2650年の設定になっているが、あと630年後には。無理でしょうなあ。
大事な地位に、高い報酬をあげない事が大事でしょう。誇りが報酬なわけですから。
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