小正月行事の中では時期が遅い部類に、中里の「カンデッコあげ」があります。2月22日の夕方、行われるものです。今年もニュースで見ました。しかし納得いかない事があったので、実際のモノを拝見しに行きました。
NHKも民放も、しめ縄の両端にあるモノの説明が中途半端でした。カギ型をした方が中心で、もう一方の説明がありません。つまり農具である「鍬」の形に削った「ホウノキ」と男根の形に削ったモノを両端に結び、ご神木であるカツラの木に投げ上げるのです。豊作と子孫繁栄を願ったシンボルがそれなんだと思います。
国道の真上に掛かっているのに、見過ごして、戻って来ました。すると商店の前に大昔のこまち娘が4人、並んで座っていました。いきなり「カメラマン来た」と言われました。違う、違う、ただの観光客だあ。と写真を撮ろうとすると、一丁前に恥ずかしがって顔を撮らせてくれません。
それはいいとして、念願の疑問をぶつけてみました。あの男の大事なモノは、どうやって大きさを決めるんだろう。すると長老は言いました。そりぁ自分のものだべさ。昔から自分のものを良く見ながら作るんだ、と言われて作ったもんだそうです。
なるほど、それでリアルなんですね。大きさは少し誇張が入っているように見えますが、作った方のアレを見たわけでないので、なんとも言えません。リアルと言ったのは、皮まで忠実に再現しているように見えたからで、果たしてむけているのか、いないのか。
お堂の中には、でっかいのを祀ってある、とおっしゃるので、開けてみました。見事です。完全にむけています。お賽銭を入れて拝んできました。
やっぱりアレが主役じゃないですか。それをうやむやに報道してはいけません。こういう信仰は各地にあって、皆、願いは同じです。ここにも子宝に恵まれないご夫婦がやってきて、投げ上げて、授かって、お礼参りに来るそうです。
もう一つ、気になったので聞いてみました。女の人も参加するのですか?そういえば今年は女の人もいたなあ。そうそう観光客も投げていた。女性もいた。しかし本来、にょにんきんせいの行事らしいですよ。昔の女性が、男根を、持って投げ上げますか? しないでしょう。やっぱり思ったとおりでした。でも保存会の門脇さんが後継者の心配をしていたようですから、この際、観光客用にパフォーマンスをするのもいいでしょう。
大概の行事は、終わると壊すか、焼くか、捨てるものですが、この行事はわざわざ外しに登ったりしません。一年中見られると思います。地味ですが、貴重な祭りだと思います。
まだ私もあきらめていない、とババの一人が言いました。とにかく4人とも、明るくて、終始笑い転げて受け答えしてもらいました。昼になったので、イスにもなる便利な箱ぞりを押して帰りましたとさ。
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