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黒鉄重工

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北米project 4 ~Is the order a warbird? その61【2016/03/04~10】

2018-10-05 21:22:02 | 海外旅行記
ボーイングB-52Dストラトフォートレス(1952年・250機目)
御存知、アメリカ空軍の戦略爆撃と核兵器を象徴する機体です。この博物館じゃ一番大きい。このくらい離れないと全体を写せないのです。
これほどの機体がWWII終戦から7年後に初飛行して、それから65年以上現役で飛んでいるんですから、恐るべしです。


カナダのエアショーでも見ましたがやっぱりでかいんですよ。カナダで見たのは最終生産型のH型ですが、これはD型。A~C型は数十機ずつちまちまと造っていたんですが、D型は約170機を一気に量産したやつです。サブタイプ別では一番生産数の多いやつです。
H型はレーダーやセンサーが追加装備されていたんで機首周りがごちゃごちゃしていたんですが、D型はそれらが無くてクリーンな姿です。
なお塗装が上が灰色で下が黒色なのはベトナム戦争で用いられた夜間迷彩を再現していると思われ。塗り分けが雑なので塗りかけにも見えますが、それも含めての再現なんでしょう。
この機体も1966~1973年にベトナム戦争で実戦経験して、175回の任務に投入されたようです。本土に帰還後の1975年にこのマーチ空軍基地で事故ってしまい以降飛べなくなってしまったそうな。


ジェットエンジン8発という凄まじいやつ。


ボーイング独特のクソデカ尾翼。G型からは尾翼の上側を少しカットしたんで、このクソデカは初期型の特徴です。あとは胴体尾部に対空気銃の銃座があります。これもG型からは銃座に人が入ることがなくなり、最終のH型では機銃すら無くなりました。


世界よ、これが核の傘だ。
開発当初は当然のごとく核爆撃を前提にした爆撃機だったんで、B-52には水爆2発を積めました。これを積んでモスクワまでの長距離を高高度で飛んでいってソ連を火の海にマジでするつもりでした。


謎巡航ミサイル。B-52は水爆や通常爆弾だけではなく巡航ミサイルも搭載できるミサイルキャリアーの側面も持っているのです。
主翼のエンジンポッドよりも内側のところにパイロンを搭載していたのでそこにミサイルを吊り下げることが出来ました。
このパイロンが中々便利だったようで、ミサイルはもちろんD-21無人偵察機や実験機など何でも発射できる便利屋だったようです。

で、このミサイルですが説明書きが無いのでよくわからないですが、たぶんAGM-86B巡航ミサイルだと思います。AGM-86Bはこう見えて☠核巡航ミサイル☠で、しかも今でも現役だそうな・・・。


ノースアメリカンF-86Hセイバー(1日ぶり3機目・251機目)
F-86の戦闘爆撃機型。制空戦闘機として造られたF-86ですら戦略空軍の爆撃機化の魔の手からは逃れられないのだ・・・。増槽の内側に爆弾搭載用のパイロンが付いております。
地味に胴体が太くなってたりするんで他のサブタイプからの流用は少なく、よってプラモデル化に恵まれない可愛そうなやつ。


あとは機関銃が20mm機関銃4門に変更されています。F型までは12.7mm6門でしたので、機関銃の数は減りましたけど威力は上がりました。12.7mmだと火力不足だと言われとりましたしね。


ここにはF-84初期型とF-84Fが並んでいるのです。違いがよく分かるんで興味深い展示をしているなと。


リパブリックF-84Cサンダージェット(1日ぶり2機目・252機目)
P-47を生み出したリパブリックがその次に開発したジェット戦闘機。P-47の時と同じく頑丈さが売りなんだとかで。
実戦参加となった朝鮮戦争では緒戦こそブイブイいってたのですが、中国が最新鋭のMiG-15を投入してくるとF-84は性能で劣るようになってしまい、対MiG-15はこちらも最新鋭のF-86が相手することになりました。
仕事のなくなったF-84は、同じく仕事のなくなったF-80と共に爆弾を積んで低空侵入して対地爆撃する戦闘爆撃機に転職しました。F-80は知りませんがF-84は機体の頑丈さが対地爆撃任務において助けられていたようです。

そんなわけで戦闘爆撃機として有名になったF-84ですが、このC型はまだ戦闘爆撃機化される前の普通の戦闘機型です。190機くらい造ったそうな。戦闘爆撃機になったのはG型からですね。こっちは3,000機以上造られましたがね・・・。


横から。初期のF-84は主翼が直線翼なのです。
意外と尾部は細いのだなと。


リパブリックF-84Fサンダーストリーク(1日ぶり2機目・253機目)
こっちもF-84ですが、主翼を後退翼にして機動性を上げた型です。主翼の他にも色々なところが変更されていて、もうこれ別物だよねという機体に仕上がっています。実際最初はYF-96として試作されたそうなんで、最初は別型式にしようとしていたんでしょうけど、なんでF-84の派生型にブチ込んだのかよく分かりません。


これも横から。ね、今のF-84Cとはぜんぜん違うでしょ?
主翼はもちろん、水平尾翼に垂直尾翼、風防に空気取入口、胴体のラインも太くなってるし、兵装ステーションも付いているのだ。これを同じ型式の機体にしろというのはムリがあろうかと。

なおF型も戦闘爆撃機として設計されています。通常爆弾なんかを搭載できますが目玉はなんといっても☠Mk.7戦術核爆弾☠でしょう。今まで戦略爆撃機にしか搭載できなかった核爆弾を戦闘機にも積めるくらいには小型化したものです。小型と言っても広島型原爆くらいの威力はあると言われていますので街ひとつを消し飛ばすくらいは出来るわけです。まあ狂ってるわな。
当初はF-84F用の装備として開発されました。後に搭載できる機種が増えてったそうで。なのでこの戦闘機、核爆撃機でもあるんですよ。やっぱ狂ってるわな。


ゼネラルダイナミクスFB-111Aアードバーク(1964年・254機目)
黒鉄重工初登場。アートバーク Aardvark とはツチブタの意味。正直意味不明・・・。

時のケネディ政権およびジョンソン政権時に国防長官を務めていた御存知マクナマラがアメリカの軍事費の削減を目指して、空軍と海軍が同じ戦闘機を採用すれば大量発注でコスト下がるよね!という感じで空海共用戦闘機として開発されたもんです。

ところが空軍は低空を超音速飛行できる戦闘爆撃機を、海軍は長距離ミサイルを積める艦隊防空戦闘機をそれぞれ欲していました。求めているものが違うんで共通化出来るわけないんですが(逆に共通化出来たのは複座、可変翼、アフターバーナー付きターボファンエンジン双発の3つだけ)・・・。
それでもマクナマラは効率最重視で計画をゴリ押しし、計画を強引に進めていきました。マクナマラ、いかにも経理屋という感じですからね。お宅の会社にもこういう人いません?

で、あれやこれやを詰め込みまくったために機体は肥大化してしまい、海軍は早々にイチ抜けたしてしまいます。イチ抜けたところで残ってるのは空軍くんだけなのですけどね、とりあえず空軍型は開発を終えて実用化したのでした。

後にベトナム戦争で初実戦投入されるんですが、3回出撃して1機も帰ってこないという最悪のデビュー戦を果たし、見事殺人戦闘機の二つ名を頂戴したのでした・・・。
ところが爆撃機としては優秀でして、特に湾岸戦争では絶大な信頼を得ていたそうな。特にバンカーバスターを装備できる数少ない戦闘機なのです(他はF-15Eだけ)。

とまあ爆撃機として使い潰せたから良かったものの、そうでなかったら本当にダメ戦闘機として後世まで語り継がれてたんで、まあ。効率ばっか見て水と油を無理やり混ぜてもダメなんだよというお話なのでした。


F-111はここで見たのが初めてなんですが、やはりでかい。胴体とかなんでそんなに太いのよと思います。
機体は複座でして、座席の配置は戦闘機でよくあるタンデムではなくサイドバイサイド(横配列)です。パイロットとオペレーターが仲良し小好しに横に並んで座るんですが、これ一応腐っても戦闘機なんですけどね。
なお緊急脱出の際はコックピットごとカプセルのように射出されて脱出します。脱出できても着地が上手くいかないんでこれが主流になることはありませんでした。


機首レドームは先端がなぜだかツンと上向きになった形状。ここダサポイント。たぶんこれがダサくて人気がないんだと思います。人気がないんでプラモデルも登場当時こそよく出ていましたが、近年は再販すらありませんね。

F-111君、何度も書いているように戦闘機としては使えなかったんで、様々な職種へ転職します。ある者は全天候型爆撃機、ある者は電子戦機、そしてある者は戦略核爆撃機へ・・・。
ここに展示されているのはFB-111Aでして、元々爆撃機の素養を持っているF-111をより純粋な爆撃機として改良した戦略爆撃機型の機体です。なので型式にBが付いているんですね~。博物館の分類分けでも爆撃機枠に入ってます。元はと言えば戦闘機なのに・・・。

アメリカ空軍はソ連の対空レーダー網と対空ミサイル陣地を潜り抜けるためにレーダーで捕らえられない低空で侵入できて対空ミサイルを振り切れる高速で飛行できる機体を求めていたんですが、そういえばF-111がいるじゃんと気づきました。航続距離を伸ばしてより高出力のエンジンに換装して核爆弾を搭載できるよう改設計したやつをFB-111Aとしたのです。
効率厨のマクナマラもここぞとばかりに大量発注を決め一時は210機が発注されたんですが、程なくして同じ概念の戦略爆撃機B-1ランサーの開発が決まったんでそれが出てくるまでのつなぎ役に降格されてしまい、配備数も70機程度まで減らされてしまいました。南無。


F-111は色々とアレですが新技術を色々と採用した戦闘機なのです。例えばこの可変翼。実用機で採用したのはF-111が最初なのです。こいつの可変翼をパクって生まれたのがMiG-23だともっぱらの噂。可変翼の利点欠点は前も書いた気がするんで割愛(手抜き)
空気取り入れ口の先には衝角みたいなのが付いてますが、MiG-21みたいなのについてるショックコーンです。ミグの1/4しかありませんがあれも立派なショックコーンです。


中身が抜かれてガランドウになっていますが、これに搭載されていたエンジンも実用機では初のターボファンエンジンの双発です。ターボファンエンジンの話もだいぶ前に話した気がするんで割愛(マルナゲドン)

といったところで今日はここまで。
次回でついにマーチフィールド編はおしまいです。



【1/144】イリューシンIl-62M 高麗航空【ギャラリー】

2018-10-03 22:32:56 | 模型ギャラリー

キット:ICM 1/144 Il-62M インターフルーク
仕 様:高麗航空(機体番号P-885)
[製作記はこちら]

ソ連の旅客機は前から作ってみたかったのですが、ソ連や東欧の航空会社はあまり知らないのでそうせなら近所を飛んでいる北朝鮮の高麗航空の仕様で作ってみたいと思っていました。
とりあえずキットだけ先に確保しておいてデカールは最悪自作することも考えていましたが、世の中には旅客機のデカールが溢れていることを知り色々探しているうちに高麗航空のデカールも売られていることを発見。早速eBayで購入して作ったのでした。
製作記にも書きましたが、デカールはAscensioというところのものを使いました。



高麗航空は上記の通り北朝鮮の航空会社で、同国のフラッグキャリアです。というか北朝鮮の航空会社はこれしかないです。
ボーイングやエアバスなど西側の旅客機は政治的なアレコレで手に入れることができないので東側の旅客機を多く保有しているのです。保有機材もIl-62など歴史的な物が多かったんですが、さすがに近年は機材の近代化を行ったようです。



Il-62は胴体後部にジェットエンジンを4発配置したのが特徴の旅客機です。これはイギリスのVC-10のパクリなんですが、本家よりもパクった方がよっぽど売れたというのは皮肉です。
窓まわりに国旗の色である赤、白、青を配した帯。今思うと古典的な配色ですね。
最近の機材は塗装が細い赤帯1本だけと簡略化されているようなので少し残念。



北朝鮮の国旗も高らかに。
レジ番はP-885にしました。特に理由なし。











以上、Il-62M 高麗航空でした。

【1/144】イリューシンIl-62M 製作【ICM】

2018-10-02 18:59:10 | 航空機模型製作記
今回はウクライナの模型メーカーICMから発売されている1/144イリューシンIl-62Mを作ろうかと思います。
Il-62はソ連のジェット旅客機ですね。胴体後部にエンジンを4発搭載した姿が特徴的ですが、これはイギリスで開発されていたジェット旅客機のパクリです・・・。まあソ連だしね。

これを買ったのはカナダの模型屋でした。なんか珍しそうだから買っておいたんですが、日本でも割と普通に手に入るやつでした。買った理由はリアエンジン4発というのが印象的なのもありますが、これのオペレーターのひとつに北朝鮮の高麗航空がいたよな、というのを思い出したのがあります。ちょっとそういった珍しいやつをやってみたかったのです。
配色はそれほど難しいものではないので、最初は自作デカールとハンドペイントでいけそうだなと思っていましたが、ちゃんとしたデカールが手に入りましたのでそれを使って作ることになりました。


ランナー構成。
主翼は上下張り合わせです。


胴体とかエンジンとか尾翼とか。
部品点数は抑えめになっています。


飛行展示用のスタンドと窓ガラス。


デカール。キットで作ることの出来る航空会社は旧東ドイツのフラッフキャリア、インターフルークです。
が、今回は全く使いませぬ。


駐機状態で作るつもりなのでスタンドは使う予定がないけど捨てることもないので、組み立てだけやりました。ただ、最終的にはスタンドを使うことになりましたが・・・。
土台と柱の嵌合がガバガバなので接着剤使いましょう。


仮組みしてみる。4発の長距離ジェット機なので相応にでかい。
イギリスの設計図をパクって造ったからなのかそれほどソ連ソ連していない印象です。
リアジェットは重心の関係上、主翼の位置が胴体後ろ側にくるんだなぁというのもよく分かります。


主翼前縁に付いている空気取り入れ口みたいな部品なんですが、なんと樹脂の湯回りが足りずショートを起こしていました・・・。うーむ、これが東欧キットということなのか。ちなみに水平尾翼の前縁部分にもショートが起きていました。
部品請求するとかパテで埋めるとかするべきなんでしょうけど、面倒くさいので無視しました(手抜き)。まあ、一応飾ったらあんまり見えないしね?


垂直尾翼の方向舵は可動させることが出来ます。でも、後でデカールを貼る時に動いてしまうと厄介なのが分かったので、その時に接着して可動は殺してしまいました。


降着装置はある程度組み立ててから塗装します。主脚の左右に伸びる細い脚もなんだかショートしているような感じでした。ツメが甘いキットだなぁ・・・。


塗装に入ります。まずはエンジンのファンブレードからガンメタで塗って、それをエンジンナセルの部品に組み込んでエンジンナセルを組み立てます。
塗装前に完全に組み立ててしまうと後々塗りづらくなるので、こうしました。ファンブレードの部品は組み立て後にマスキングします。


そしたら胴体やら主翼やらをババーっと塗ってしまいます。


主翼はガルグレーで塗って、前縁を銀で塗りました。


胴体は上半分がクールホワイト、下半分は灰色ですがどの灰色かはちょっと忘れてしまいました。


エンジンナセルは胴体の灰色で、ノズル部は銀色です。


塗装が済んだら、肝心要のデカール貼りです。
日本ではあまり盛んではないのですが、海外では飛行機模型のデカールの市場があります。まあ日本は自国の飛行機模型を調達するのに苦労しないからだと思いますが。
デカールは軍用機も民間機も両方ありますが、中でも旅客機のデカールは調べてみると垂涎ものの商品が山ほど出てきます。その中に高麗航空のデカールが存在したのです!
高麗航空のデカールはロシアのAscensioというところが発売しています。これをeBayで購入して輸入しました。便利な世の中だ、素晴らしいです、ネット社会バンザイ。

デカールはフィルムに直接印刷したような感じで、いわゆるニス層はありませぬ。なので、テキトーに大きめに切って水に浸しておくとデカールの部分だけ剥がれるということはないです。使いたい部分だけ余白を出さずに切り出すことが必要です。


まずは窓まわりの帯の部分を貼ったわけですが、ここで大誤算が・・・。キットの窓割りとデカールの窓割りが合わないのです。
Il-62はICMの他にズベズダも発売しているんですが、しまったこのデカールはズベズダ用だったのでは・・・。
帯のデカールは窓の部分が透明でキットも窓の部品は透明だったのでこれを活かそうと思ったんですが、こうなってはどうしようもないのでデカールに付属している黒い窓のデカールを上から貼り付けて対処しました。

しかしデカールは薄くて色が乗っているところも半透明なので、キットの窓の部分の上に乗っているデカールは透けて裏から窓の形が見えてしまいます。透明部品の裏から裏打ちして裏を塞ぎましたがそれでも透明部品自体がデカールを通り越してきた光を反射して透けてしまいました。これを今から直そうとすると大改造だしもうどうしようもねぇなと思ってしまい、これの修正は諦めてしまいましたとさ。

あとは帯の長さも微妙に合わなかったんで、現物合わせで調節しました。こちらは割と簡単に対処できました。

みんなもこのデカールを使う時はズベズダのキットを作ろう。これなら窓割りが揃うはず。多分だけど。


なおデカールは半透明です。白色は印刷されていません。


まあ下地が白なんで貼っちまえばどうってことないんですけどね。インクの部分の発色も十分じゃないかと。
デカールの品質は悪くないように思いました。


他のデカールも全て貼ってクリアコートを吹いたら最終組立。おお、これは高麗航空ですねぇ・・・!


駐機状態で飾るつもりでいたんですが、ケツが思ってたよりも重くて脚を取り付けたら尻もちをついてしまいました。
頑張れば機首に重りを入れて重心を調整できるんですが、それよりも飛行状態で飾ったほうが早いなと思ったんで、急遽いらないと思われていたスタンドを召喚。胴体に穴を開けてスタンドを刺します。接着剤が乾くまでしばらく放っておいたら完成です。

ソ連製旅客機に北朝鮮の航空会社というちょっとアレな組み合わせは前からやってみたかったので、今回これが叶ってよかったです。
展示会とかで飾ったら目立ちそうだけど政治的なアレだし窓の出来もアレなのであんまり飾れない・・・。

以上、完成品写真はギャラリーにて。