黒鉄重工

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バンクーバーの保存鉄道の旅 その1【2016/5/21】

2020-05-31 23:04:16 | 旅行・イベント記
2016年5月21日。
この日はビクトリアから日帰りでバンクーバーへ行きました。目的地はバンクーバー南部にある保存鉄道「フレーザーバレー保存鉄道」 (Fraser Valley Heritage Railway) に乗りに行くためです。
去年の秋の終わりぐらいにその存在を知ったのですが、その時はすでにその年の運行を終えていてすぐ乗りに行くことは叶わず、来季まで持ち越しになってしまいました。そして今季が始まった5月にいよいよ乗りに行くことにしたのです。

ビクトリアからバンクーバーまでは、いつも通りフェリーに乗って海峡を渡ります。朝7時出港のBCフェリーのツワッセン港行 (Tsawwassen Bay) のフェリーに乗船すべく、BCトランジットの#70系統スワーツ港 (Swartz Bay) 行のバスに乗ってフェリー乗り場へ。車両はAD Trident 3 (#9031) でした。



船内食堂で洒落たエッグベネディクトの朝食を食べたら、甲板に出ます。スワーツ港出港から1時間弱くらいは、ガルフ諸島の島々の間を縫うように航行するので景色の移り変わりを楽しめておすすめです。特にメイン島 (Mayne Island) とガリアーノ島 (Galiano Island) の間の水道は航路の中でも最も狭隘で、しかもそこを違うフェリーと離合しますから中でも迫力があります。私は必ずこの時間だけは外に出ています。


水上機が上空を飛んでいきました。シーエアのDHC-2 (C-GOBC)のようです。定期便ですかね。


すれ違いのフェリーがやってきました。BC魂ことスピリット・オブ・ブリティッシュコロンビア (MV Spirit of British Columbia) です。BCフェリーでは最大のフェリー船です。同型船にスピリット・オブ・バンクーバーアイランドがありますが、これは私が今乗船している船です。


それで、8時30分すぎくらいに対岸のツワッセン港に入港。慌てずに急いで下船して、接続しているダウンタウン方面への路線バスに乗り換えます。
9時ちょうど発、トランスリンクの#620系統ブリッジポート行き (Bridgeport) に乗ります。トランスリンクはバンクーバーの公共交通機関で、路線バスとスカイトレインという新交通システムみたいな軽量高架鉄道なんかを運行しています。
バスはD60LFでした。なおバスはおおむね3台で運転されるので積み残しが起こる可能性は低いと思います。


いつもは終点のブリッジポートまで乗っていきますが、今回は途中のラドナー乗継場 (Ladner Exchange) で下車します。要はこの周辺の各路線の集まる停留所のハブです。ここで違う系統のバスに乗り換えます。


場所はここです。ツワッセン港はここから南西方向です。


#620系統の2本目。NFI XDE60 (R12025)。ハイブリッド連接バス。


ローカル線用の小型バス、GMC C5500 + ElDorado National Aero Elite (S359)です。GMのバンのシャーシ、エンジンとボディビルダーの車体を装荷したやつ。
なお2017年に廃車になってしまっています・・・。


回送のNFI D40LF (S7315)。これも2018年に廃車済み・・・。このLFシリーズはここ数年でバンクーバーに限らず各地にて急激に勢力を減らしていると思います。


これはツワッセン港行の#620系統XDE60 (R12001)。


その脇を通るオリオンバス工業 (Orion Bus Industries; OBI) Orion V 05.501 (R9272)。
急行用のトップドアツーステップバスです。この構造だと座席数を多く取れるのです。車内はハイバックシートが並んでいるので通常の路線バス車よりも快適に乗車できます。ツーステップですが車いす用のリフトを搭載しているバリアフリー対応車です。ちなみに運転席側の風防が大きく傾斜しているのは、映り込み防止のためです。見た目は悪いですが機能面では効果ありです。
これも導入から20年程度経過しているので現在進行形で廃車が増えています。この個体も2020年に廃車済み。後継車は二階建てバスのAD Enviro 500。


9時25分。始発の#C76系統Scottsdake (Scottsdale Exchange)行きのバスが乗り場に着きましたんで、乗ります。車両は今見たGMC C5500 + ElDorado National Aero Elite (S359)。
なお#C76系統は執筆時現在では#310系統に番号を変えています。

ちなみに原稿を書く前にこの4年前の経路を辿ってみましたが、系統番号の変更等はありますが基本的に再現可能です(下記にグーグルマップによる経路検索あり)。お試しあれ。ただしそこは路線バスなので乗継が厳しい場合あり。


畑の中の道路を走る面白い路線でした。確かに人は乗らなさそう。どういう需要があって設定されているのか気になります。
で、「Northbound Scott Rd @ 62 Ave」で#C76系統を降ります。そこから120th St.を北へ歩いて64th Ave.との交差点を東へ曲がり、「Eastbound 64 Ave @ Scott Rd」で次のバスを待ちます。
10時11分、乗継の#364系統Langley Centre行きのバスに乗ります。車両はNFI D40LFR (S7496)。ちなみにCentreの綴りは、これイギリス式でして、これできちんと合っています。


64th Ave.を真東に走っていって、「Eastbound 64 Ave @ 166 St」で下車。10時38分、同じバス停で#341系統Langley Centre行きのバスに乗り継ぎます。車両はD40LFR (S7481)。
この#341系統は執筆時現在では全く違う経路に変わっているので注意。

そして10時50分、「Eastbound Hwy 10 @ 177B St」で下車して移動終了です。都合、バスを4台乗り継いできました。
なお私はツワッセン港フェリーターミナルの出口でトランスリンクの1日乗り放題券を買いましたので、いくら乗り継いでも定額です。


ちなみに2020年の路線網で行こうとするとこうなるみたいです。最後の#341系統が#320系統になって、降りる停留所が変わる以外は、経路は同じです。
バンクーバーのダウンタウンを経由する方が分かりやすいですが時間がかかるので、それよりもバスを乗り継いでいった方が近道なのです。あとは、バスをやたら乗り継いで移動してみたいというのもありました。こういう移動ができるのは路線網が網の目状に展開されるトランスリンクならではです。


バス停から歩いて3分くらいで今日の目的地「フレーザーバレー保存鉄道」へとやって来ました。
建物の写真は簡単に済ませて、まずは中へ入って列車の切符を買います。実は11時発の列車の出発までもう時間が無いのです。


滑り込みセーフ。切符を買ってホームへと上がりました。線路にはすでに出発待機している”電車”の姿が。
これ、アレですね、インターアーバンというやつですね。訪問に際し予習はしてきましたが、インターアーバンを生で見るのは初めてのことなので、これは胸が高鳴るというもの。しかも動態保存車です。


ゴツいアンチクライマーが目に入りますが、注目すべきはアンチクライマー下にある矩形の標識灯。
私が推察するにこれはどう見ても後付けの装備であり、現役時のものではありません。これはディッチライトという左右一対装着される点滅式の標識灯で、安全上の観点から現代の本線走行する鉄道車両には装着が義務付けられています。
つまりは、この電車本線走行するんじゃ?という期待があるわけです。どういう走りを見せるのか楽しみです。


これが買った切符。切符には今乗っているBC電鉄ことブリティッシュコロンビア電気鉄道(BCER)1225号のマグロ絵が描かれています。古めかしく大変好ましいインターアーバンです。すばらしい。

というところで今日はここまで。