黒鉄重工

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北米project 4 ~Is the order a warbird? その34【2016/03/04~10】

2018-03-03 21:58:58 | 海外旅行記

引き続きポンド格納庫を見て行きます。
ノースアメリカンP-51Aムスタング(3時間半ぶり2機目・通算117機目)
さっきも見た、マーリンエンジンで化ける前のアリソンムスタング。ここにも居たのね。



操縦席の真下にある冷却用ダクトに注目。
B/C型以降と比べると口が小さく、口もかなり機体表面と接している(離れてはいるらしい)のが分かるかと。



ノースアメリカンP-51Dムスタング(3時間半ぶり2機目・通算118機目)
これはいるだろうなと思ってました。
ノーズアートのスパム缶が目につきますが、第336戦闘飛行隊で塗られていたやつだそうな。



分解されていた謎機体。
何だろうこれ・・・と分からずじまいでしたが、今見直してみるとグラマンF8Fベアキャット・・・の民間型グラマンG-58ガルフホークでしょうね(119機目)
なんで分かったのって、脚の構造ですね。脚の収納部の凹みの中央から脚が出ている、という変な構造を持っているのがお分かりかと。普通ならば上記のP-51のように収納部の端から脚が出ます。翼内機銃の搭載の関係からこういう複雑な機構になったんですが、これがF8Fの特徴です。
グラマン戦闘機の主脚の収納はF4FといいF6Fといい、妙に凝った機構を採用しているんですが、F8Fもそうなのですね...。

F8Fはグラマンが開発したアメリカ海軍向けの戦闘機です。とにかく頑丈で見た目がデブだという印象だったF4FやF6Fまでの伝統を捨て去って、小型軽量で全周が見渡せる水滴風防を採用しているのが大きな特徴でしょう。
ただし実戦配備前に日本が音を上げてしまい、その後はジェット機の時代になりましたので、活躍の機会は無かったそうな。
それでも小型軽量な機体に大出力エンジンというのはチョッパヤですので、エアレース用に生産された機体もありまして、それがG-58なわけです。この機体も主翼の機銃が見当たらないのでそうなのでしょう。
F8Fをエアレース仕様に徹底的に魔改造したやつがレシプロ機最速のレアベア号ですね。



これもV-1650-7パッカードマーリンです。-7型はマーリン60型に相当するやつ。
こっちには過給器が付いております。エンジン気筒よりも右側が2段2速過給器なわけですが、エンジン全体の1/3~1/2くらいの大きさを占める、かなりでかい部品なのです。



これは珍しいものですよ、ノースロップN-9MBです(1942年・120機目)
1941年にアメリカ陸軍から提示された次期戦略爆撃機構想を基に、全翼機大好きおじさんで知られるジャック・ノースロップの生み出したのが世界初の全翼機爆撃機のXB-35でした。これが70年前に飛んでたの?ウッソだろお前!という外観をしており、えらく未来的なやつです。未来少年コナンに出てくるギガントみたいな。ただし残念ながら現存機はありませぬ。
とはいえ冒険しすぎではあったので、データ収集用に1/3縮尺の実験機、このN-9Mを前段階として製作したのでした。これを使って機動性、制御性、性能の情報を収集したわけですな。

見た目がポップなのでなんだかそれっぽいですが、75年前に初飛行していてよく飛ばせたなこれという機体ですね、はい。
N-9Mはデータ収集の他に、将来のB-35のパイロットの訓練にも使うつもりだったようで、4機が製造されました。これは現存する最後の1機ですが、エアショーにおいて頻繁に飛んでいるようです。よく飛ばすなぁと。どんな動きをするのか見てみたいもので。

ちなみにXB-35なんですが、構造的欠陥が判明してきます。性能も競合相手には見劣りしていたので結局XB-35は制式採用されず、コンベアB-36がその座を得ます。こいつは後日見ますぞ!



後ろから。全翼機なので薄い。この薄さがXB-35にとって命取りになったわけなんですけどね。
機体が薄いってことが全翼機の魅力なわけですが、逆を言えば薄い分爆弾をたくさん積む空間がないよね?というよく考えれば当たり前だという欠点に行き着きます。
XB-35の搭載量は23.7t (52,200lbs)に対して採用になったB-36は32.7t(72,000lbs)ですから、さすがにダメでしょう。また、薄いことから大型の原子爆弾や水爆が搭載できないのも足かせになったと思われ。
後の時代にノースロップが返り咲くことになるB-2爆撃機では機体中央部が大きく膨らんでいるわけですが、あれは爆弾を搭載するための設計なのです。



機体幅全部にフラップがあるんだな、と。



フライバイワイヤも無いのによく飛んでるねぇと。



ライトフライヤー(4時間ぶり2機目・通算121機目)
また会いましたね。アメリカの航空博物館になら割とどこにでも置いてあるんだろうな。
当然レプリカですね。



ボーイングP-26Aピーシューター(1934年・122機目)
戦間期の機体としてはそこそこ有名と思われるやつ。アメリカ陸軍機初の全金属・単葉機です。
胴体や脚がずんぐりむっくりだなぁという印象。でもこの戦争する気のない塗装はかっこいいですね。
この時代の機体はレプリカという場合も間々あるんですが、これは1934年製のオリジナルだそうです。ただし飛行できるように相当なレストアが入っているようなので、実質的にはよく出来たレプリカといったところでしょうか。



ボーイングFB-5(1923年・123機目)
アメリカ海軍の艦上戦闘機なので、FBまでが型式名、-5はサブタイプです。
正面から見ると胴体がやけに馬面ですが、プロペラの下についている豪快なラジエーターのせいですね。横から見るともうちょいスマート。
これも一応本物が由来の機体で、アメリカ海軍最初の空母USSラングレーで運用されていた機体だった模様。機体の形態もその頃のものを再現しているそうな。



ボーイングP-12/F4B(1日ぶり2機目・通算124機目)
昨日見たやつ。P-12は陸軍の、F4Bは海軍の名前で、中身は一緒です。この頃は陸軍も海軍も仲良く同じ機体を使っていたんだね(ニッコリ
なにげに何回か見ている機体でしてレプリカも造られるほどですから、意外とこっちでは有名な機体なのかもしれません。

以上、ポンド格納庫を全部やっつけたところで今日はここまで。


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