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超久々のエアフェスタ浜松へ その6【2016/10/16】

2017-09-30 20:18:51 | 旅行・イベント記

午前の飛行展示から昼休みを挟んで、13時45分から本日の目玉ブルーインパルスの展示飛行が始まりました。
静浜基地のように他基地から飛来するのではなく(リモート展示と言うのだそうだ)、浜松基地で離着陸します。
ただし私は会場の後ろ側に陣取っていたのでブルーインパルスの離陸の場面は撮影せず。



1~4番機がダイヤモンド・テイクオフをしたまま編隊で旋回して会場前方から進入。



そのまま後方へ航過。
フラップと降着装置を展開しながらの飛行なので結構濃密。



5番機が単機で離陸してそのままローアングル・キューバンに入ります。急上昇、宙返り、ロール回転を一気に行います。



6番機も離陸。



左手から5番機がフォーポイント・ロールで航過。90度ロールを4回行って1回転します。キビキビしたロールが素晴らしい。



ファン・ブレイク。かなり密集した編隊で割りとよく取り上げられる編隊じゃなかったかなと。



チェンジ・オーバー・ターン。
縦1列のトレイル編隊で進入後にブレイクしてデルタ編隊に移行します。



ブレイク!
一見無秩序にバラけているように見えますが緻密に計算されて訓練も幾度となく繰り返しているんでしょうね。



デルタ編隊へ移行。一番下の機体がちょっと出遅れたか。



デルタ編隊のまま360度旋回します。



1周する頃には機体同士の間隔が密になっています。



インバーテッド&コンテュニアスロール。5番機が単機で背面飛行で左手から航過。
背面飛行はいつ見てもしんどいだろなぁと思います。



レインフォール。デルタ編隊のまま大きくループ飛行します。



ループ飛行の頂点からスモークを展開して降下。
その後ブレイクして末広がりに飛行します。



チェンジオーバー・ループ。後方から進入してトレイル編隊からデルタ編隊へ移行。ちょうどその最中の写真。



ハーフスロー・ロール。
アブレスト編隊(横1列に並ぶ隊形)で進入して途中から背面飛行しながら航過します。

今日はここまで。


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超久々のエアフェスタ浜松へ その5【2016/10/16】

2017-09-20 22:05:37 | 旅行・イベント記

地上展示を前回までにやっつけたので、次は飛行展示を一気に見ていきましょう。時間は会場についた直後の10時まで遡ります。
ちょうど展示を終えたE-767早期警戒管制機が着陸してきました。なお観覧席は北側にあるので、普通に撮ろうと思うとド逆光になってしまいます。この時点でもうまともに撮る気が失せています。



次はF-15J戦闘機。小松基地の第306飛行隊から2機が飛来。



静浜の時と同じで、機体が高いわ遠いわで・・・。
返す返すもカナダのエアショーの撮影環境は良かったと漏らさざるをえない。



アフターバーナーを吹かす。



迎え角を取る。よく動いてくれますよ。見る分には楽しい。



脚を見せながらほぼ真上を飛行。



ロールしながら飛行。
これを最後に帰投していきました。



今度は浜松基地第32教育飛行隊のT-4が離陸。
手前のE-767はたぶんドラえもんによって小さくされたんだと思います。



9機が編隊離陸していきました。離陸した後は一時離脱。



次はUH-60JヘリとU-125A救難機が離陸。これも編隊離陸でして、特にUH-60Jが前かがみになりなから飛行するのはかっこよかったですね。
救難時の様子を展示します。



まず足の速いジェット機のU-125Aが遭難現場に急行して情報を収集します。



機体は水色で塗られていて、これ迷彩塗装です。U-125Aの他にも今のUH-60JやUS-2飛行艇も救難機ながら洋上迷彩に塗られています。
遭難した側から見えないじゃん・・・と常々思ってたんですが、これら救難機が本来想定している場面は、敵地で遭難した隊員を強行的に救難するというものなのです。したがって派手な塗装だと敵に見つかってミイラ取りがミイラになるので、迷彩塗装にしてそれを避けるのだそうです。



再び会場上空を航過。この時物資の入ったかばんをパラシュート投下しました。これでしばらくなんとかしてねということで。



次に遅れて駆けつけたUH-60Jが遭難者を捜索。かっこいい角度で飛行しますが残念、逆光です。



遭難者のいる直上で隊員が縄を伝って降りて遭難者を救出していきます。その場面は地上展示機が邪魔で撮りませんでしたが・・・。



無事に遭難者を救出して帰還します。このUH-60Jは空中給油用の給油グローブが胴体右側から前方に伸びるように付いていて、これがかっこいいですね。ミサイルとかじゃないよ。



さっき離陸したT-4が次に展示飛行。最初は台形型の編隊で航過。富士山型なのかな?



次はダイヤモンド編隊。



後追い。



ソロ飛行。



エシュロン編隊。このまま着陸していって終了です。

これで午前中の展示飛行が終了。昼休みを挟んで、いよいよブルーインパルスの出番です。
今日はここまで。


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超久々のエアフェスタ浜松へ その4【2016/10/16】

2017-09-19 22:48:33 | 旅行・イベント記

地上展示編も今回で最後。
ちなみにこの時間はちょうど昼休み。飛行展示も行わず、地上展示機なんかを見て回ってね、ということで設けているのだそうだ。
ただ、ブルーインパルス待機のために動かない人も結構いますね。



地対空ミサイルペトリオットミサイル。ミサイル迎撃ミサイル的にも使えるので、日本では専ら北朝鮮の弾道ミサイルの迎撃用に運用されていますね。ただこれはイージス艦がミサイルを撃ち漏らした時の後詰めなので、これが使用されるということはほぼほぼヤバイ状況です。
ミサイル単体を指すこともありますが、これを発射し運用するシステム全体を指すこともあります。
これ、オリーブドラブなので陸上自衛隊の装備かと思いきや航空自衛隊のものです。



まずは花形の発射機。
1基4連装のミサイルランチャーを4つまで、つまり16発まで搭載できます。この発射機が直接発射をするとかではなくて、離れたところにある射撃管制装置からの指示によって発射されるのだそうな。



PAC-3という現在の最新式のミサイル。ただこれはハリボテ臭いです。



レーダー装置。
これがいないと目標の索敵、追尾、識別、PAC-3の誘導ができませぬ。いわばパトリオットの目。
フェイズドアレイレーダーという種類のレーダーで、イージス艦のアレと同じ方式です。



電源車。
射撃管制装置とレーダー装置に電力を供給するための車両。出力150kWの発電機を2台搭載していますが、1台だけで足りる量です。もう片方は異常時の予備電源です。
車両はUDトラックスのクオンですね。めちゃくちゃ張り出してますね、バンパー。どんな意味があるんでしょ?



射撃管制装置。
レーダーの電波を出したりミサイル発射指示を出したり、パトリオットのキモと言えましょうぞ。



トヨタ 100系ランドクルーザー。
たぶん自分のことをパトリオットシステムの一部だと思い込んでいるんでしょう。




ふそうスーパーグレートの平トラック。



なんだか物々しい高機動車。
「基地防空用地対空誘導弾」という短距離地対空ミサイル。これが正式名。
加えてこれは空自での名前で、陸自では11式短距離地対空誘導弾という別の名前を使っています。ややこしいな。
これは発射装置で、パトリオットと同じく射撃管制装置が別にあります。



これが基地防空(ryの射撃管制装置。
射撃管制の他にフェイズドアレイレーダーも備えています。ちょうどレーダーを展開した状態です。



VADS-1改。対空20mm機関砲です。
低空侵入する敵機を撃墜もしくは阻害するというものなんだそうですが、気休めっぽい装備のような。さすがに手動追尾じゃなくて、ちゃんとした追尾装置が付いていますね。



81式短距離地対空誘導弾。さっきの基地防空用地対空誘導弾の前任の装備です。



レール上の発射装置にミサイルが剥き出しに取り付けられている状態。昔っぽいなぁと。

これで地上展示は全て見終えました。
次回から飛行展示編です。


その5へ→

超久々のエアフェスタ浜松へ その3【2016/10/16】

2017-09-04 23:09:54 | 旅行・イベント記

前回に引き続き地上展示機を見ていきます。
まずはゴジラに爆撃でもする気か!?という雰囲気を漂わせている三菱F-2。航空自衛隊の航空機(特に国産機)には「イーグル」や「ファントム」みたいな愛称はないんですが、一部からバイパーゼロとか平成の零戦とかおセンチな名前で呼ばれることもあるらしい。
公式には戦闘機という区分となっているんですが、重い対艦ミサイルを4発抱えて敵艦を撃沈させる事実上の攻撃機です。でも専守防衛の自衛隊が攻撃なんてイメージ悪いので戦闘機ということにしているんでしょう。
ちなみに最初は"支援"戦闘機という区分でした。これも攻撃という言葉の刺々しさを和らげるためのものでした。
これに戦闘機の本分たる空戦やらせたらどうなるんでしょうね。これの開発母体になったF-16よりも全体的に大型化していますから、軽快なF-16には勝てないんじゃないかなぁと思いますが。



遠くから撮ると黒山。近くから撮ると全体が入らないジレンマ。
青色の塗装が目立ちます。洋上迷彩というやつで、海上で視認されにくい迷彩柄になっています。最近の戦闘機はどいつもこいつも灰色なので結構珍しい。実際かっこいいのだ。
この機体は浜松基地の第1術科学校のもの。この部隊は航空機の整備や兵装の運用に関する教育訓練を目的としたもの。なので、このF-2は教育用の教材になるわけですね。



兵装ステーションには武器が取り付けられてました。
これはJDAM(ジェイダム)の付いた爆弾だと思います。ゴジラにぶつける気か!?っていう形をしていますね。
JDAMは爆弾ではなくて、ふつうの無誘導爆弾を精密誘導爆弾に変えることのできる追加装置みたいなやつです。普通のニンテンドー64だとドンキーコング64は遊べないんですが、別売りの拡張パックを本体に取り付けると遊べるようになる・・・みたいなやつです、たぶん。
既存の爆弾に付けるだけなので比較的安価なのが魅力だとか。



主翼端のレールに付けられているのはおなじみの空対空ミサイル、サイドワインダー・・・かと思いきやAAM-3というものだそうだ。90式空対空誘導弾とも呼ばれるそうで、名前から察せるとおりこれ国産のミサイルです。
アメリカのサイドワインダーを超える能力が魅力だとか。まあそうでないと国産ミサイルを開発する意味ないからねぇ。でも調達価格がお高いのが欠点。量産効果無いからね・・・。



GCS-1またの名を91式爆弾用誘導装置。なんで名前が2つもあるんだろう、面倒じゃないのだろうか?それに航空自衛隊って、○○式って名前付けるのあんま好きではないと思っていたけれど。
これもJDAM同様爆弾そのものではなくて、爆弾に外付けで取り付ける誘導装置のことを指します。500ポンド無誘導爆弾に装着するんだそうな。
じゃあこれは和製JDAMかというとそうでもないらしく、JDAMは誘導にGPSを使いますがGCS-1は赤外線誘導を採用と、誘導方式が異なっています。あとは、JDAMは対地攻撃用、GCS-1は対艦攻撃用と用途も違います。



後ろから。
ていうかF-2の実機を間近で見たのは今日が初めてですかね。



横から。
さっきも書いたとおりこれの母体はF-16なんですが、何でか知りませんが個人的にはあんまりF-16だとは意識しないですね。なんとなくF-16よりもデカいなとは思います。



親の顔より見た練習機ことロッキードT-33Aシューティングスター。とっくに退役しているので、これは基地で保存されている機体ということになります。
川崎重工でもライセンス生産されていたんだそうで、これもカワサキ製なのでござい。



後ろから。
これについては別に書くことないでしょう(手抜き



航空自衛隊の主力兵器であり花形と言えましょうぞ、マクドネル・ダグラスF-15Jイーグル。こちらもすごい人気です。
やっぱりデカい機体でして、全長で言うと第二次世界大戦時の下手な双発爆撃機と同等かそれ以上の大きさ。そりゃデカいわけだ。流石に全幅はそれよりも小さいですが。
これもF-2と同じで第1術科学校の教材です。高価な教材だ。



F-15Jにもミサイルが取り付けられていました。
主翼に吊るされている白いのはさっき見たAAM-3。
一方胴体に取り付けられている青いのは、AIM-7スパロー空対空ミサイル。
スパローとAAM-3およびサイドワインダーってどっちも空対空ミサイルなのにどこが違うねん・・・。これはさっきのJDAMと同じで誘導方式の違いです。スパローはレーダー誘導方式でサイドワインダーは赤外線誘導方式なんだそうな。
詳しいことは各自研究してください・・・(丸投げ



正面から。
空気取入口の角度が左右で異なっています。最適な空気量をエンジンに送り込むために上下して口の面積を調整できます。最近知りました・・・。



後ろから。
博物館の保存機なんかだと排気口のノズルはエンジンごと取り去られていることがザラですので、このように観察できるのは現役機だからこそですね。



地上展示機ではないですがブルーインパルスも見ておきましょう。
ファンは朝イチでブルーインパルスの真ん前を陣取るのだそうです。



ブルーインパルスのT-4。とにかく丸いという可愛げのある飛行機です。
ちっちゃい印象もありますが、隣の電源車と比べると意外と大きいのだというのが分かります。



5番機と6番機、その奥の数字の書かれていないやつは予備機です。予備機を使う頻度ってどのくらいあるのか分かりませんが、予備機のパイロットは下手すれば任期中一度も本番の飛行が出来ないまま異動してしまうのでしょうか?それともさすがに予備機担当は持ち回りしてるんですかね?



次は格納庫で展示されている機体を見ていきましょう。
ブルーじゃないインパルスの方のT-4が一部解体されて展示されています。



エンジン部がよく見える状態になっています。外板の内側は黄色く養生(?)されているのですね。
排気口ノズルもただの筒みたいな形状が逆に新鮮です。



ゼネラル・エレクトリックCF6-80型ターボファンエンジン。早期警戒管制機のE-767用のエンジン・・・つまりボーイング767と同型のエンジンとなります。
ノズルや配管でごちゃごちゃしている細長いのがジェットエンジン本体で、その前方(写真から見て右側)に付いている裏ごし器みたいなやつはファンです。
旅客機のエンジンは随分と直径が大きいように見えますが、直径を大きくしているのはファンのプロペラでして、実はエンジン本体は案外細身なのだ。



斜め前から。ターボジェットエンジンに巨大プロペラを付けたみたいなのがターボファンエンジンです。
ファンの直径がエンジンよりも大きいのがミソで、これにより気流の一部はエンジンに採り込まれずに外側を流れることになります。
ターボジェットエンジン単体だとジェット噴流の速度が速すぎて、音速を超える運用がない旅客機でそのジェット噴流の速度は効率が悪いのです(ジェット噴流の速度と飛行速度は同じくらいが効率良いらしい
そこでジェット噴流をファンで回したエンジンの外側の気流と混ぜてやるとちょうどよい速度まで落ちて効率が良くなる・・・という考えだそうで。
最近では推力の大半がファンによるものらしく、それってもうプロペラ機なんじゃ・・・と思わないでもないです。



石川島播磨F100-IHI-220E型ターボファンエンジン。F-15J用のエンジンで、プラット&ホイットニーF100-PW-220Eのライセンス生産版。
これもCF6型と同じターボファンエンジンですが、ファンの直径がエンジンの直径よりも少し大きいだけというもの。
あんまりファンの気流が多いとジェット噴流の速度が下がってしまい、速度が命の戦闘機には向かないので、ファン直径を控えめにして流れる空気量を抑えているんです。こういうのを低バイパス比エンジンといいます。逆にCF6は高バイパス比エンジンといいます。



これも教材でして、中身がわかるカットモデルになっています。左側が前です。
すんげー勢いでエンジンに取り込まれた空気は圧縮機(コンプレッサー)でめちゃくちゃ圧縮されます。圧縮機は扇風機の羽根が何重も連なったみたいなものです。これが軸流圧縮方式エンジンの特徴でして、風車の枚数を多段化していけばそれだけ圧縮されていって高出力化されます(実際はそんな簡単じゃないでしょうけども)。
この点、圧縮率を高めようとすると圧縮機の直径を大きくするしかない遠心圧縮方式のエンジンは小型化に不利であり、現在では遠心式圧縮方式のエンジンは絶滅してると思います。

で、圧縮された空気はその後ろの燃焼室に流されます。ここで燃料を吹きかけられると同時に点火します。すると爆発的高温高圧の燃焼ガスが発生します。
あとはその燃焼ガスをすんげー勢いでノズルから排出すると、反作用でエンジンを乗っけた飛行機が前に進むという感じです。
ただし燃焼室と排気口の間にはタービンがあって、ここで燃焼ガスのエネルギーを少し拝借します。タービンを回して得たエネルギーは圧縮機の動力源に使われます。以下無限ループ。

クソ大雑把にいうとこうなります。難しいね。

今日はここまで。地上展示はもう1回あります。


その4へ→

超久々のエアフェスタ浜松へ その2【2016/10/16】

2017-09-03 22:46:35 | 旅行・イベント記

当初の予測を見誤って遅れて会場入りしたエアフェスタ浜松。まずは地上展示機を見ていきましょう。飛行展示の合間合間に見ていたのですが、時系列で載せていくとごちゃごちゃしそうなので先に地上展示を片付けてから飛行展示を掲載していこうと思います。

まずは浜松基地一の巨人、ボーイングE-767。背中に背負っているお皿は回転させることが出来、世界でも稀有な皿回し芸が可能な飛行機です。この一発芸で敵の飛行機パイロットを笑いの渦に巻き込んで操縦不能に追い込み墜落させるという、独特な戦術を取るとされています。しかし最近では皿1枚じゃ、ジョークの通じなさそうなロシア人には効果が薄くなっているようで、今後は皿の枚数を増やした機体を開発するとかしないとか。

・・・以上のことから、早期警戒管制機いわゆるEWACS機ということが分かるのでござんす。
レーダーはバカ正直にまっすぐ直線に進むという性質上、地上のレーダーサイトからでは地平線の向こうまで警戒するというのは苦手です。そこで航空機にレーダーを載せて上空から監視すればかなり遠くまで見通せるんじゃね?と思いついて造られたのが早期警戒機です。
レーダーで捉えた情報を味方に連絡するくらいしか出来ない早期警戒機と違って、早期警戒"管制"機はレーダー情報の分析・解析まで機内で行って、さらに味方の航空機の誘導や管制まで行える、空飛ぶ司令塔みたいな機体に仕上がっています。

E-767は、型式から想像できる通りボーイングの旅客機B767を原型としたAWACS機。本当はE-3セントリーが欲しかったけどその時にはもう生産終了して絶版品になっていたので、767の機体にE-3の電子装備を積んだという機体を新しく造りました。
どうもE-3が生産ラインを閉じた辺りに航空自衛隊はAWACS機の導入を決めたみたいで、なんとも間の悪いことです。新しく設計を起こすE-767よりも既に量産されているE-3の方がお値段が安いのは明らかなのですが、E-3が生産終了する前に導入できなかったものなんですかね?やはり防衛省(当時は防衛庁か)は買い物が下手くそだという印象が拭えないです、最近・・・。

ちなみにE-767は、航空自衛隊の他はアメリカ空軍はおろかどこも採用していないので、今のところ自衛隊のみが唯一装備する機体となっています。しかも配備されているのは浜松基地の4機だけ。実はレアなんですよ。



これも皿回し芸人、グラマンE-2Cホークアイ。こっちはお皿の他にプロペラも回せる上に主翼も畳めるのでE-767よりも芸達者と見えます。
元は1960年に初飛行したアメリカ海軍の早期警戒機。でもって、現在も改良型が生産されている長寿機種です。これでも空母で離着艦できる艦上機でして、なので主翼が畳めるようになっているんですね。
空自でE-2Cの運用が始まったのは1983年あたりで、上記のE-767よりもだいぶ先です。自衛隊は空母を持っていないので艦上機の仕様は必要ないんですが、設計変更すると値段が跳ね上がりそうですし。それと、翼を畳めると機体の専有面積が減るんで駐機する時便利なんでしょうね。



浜松基地のヌシと言える川崎T-4。ブルーインパルスのブルーじゃない方の飛行機だよと言えばだいたいみんな分かってくれるはず。
もう少し突っ込むと、訓練生を養成するジェット練習機です。9月に行った静浜基地のT-7練習機での初等訓練過程を終えた訓練生は、次に中等練習機であるT-4に乗り換えて浜松基地などで中等訓練に臨むのです。
頭から尻尾まで全部国産というのがウリ。中でもエンジンも国産だというのが自慢。これ、今でも十分若々しい見た目をしているなと思うんですが、初飛行から既に30年以上経過していて、けっこうもう年なんだなと驚く。後継機の話は聞かないので、まだまだ現役っぽいですね。



近所の幼稚園で塗られた増槽。自分の描いた絵が空を飛ぶというのは結構いい気分なのかもしれない。
ちなみにもう1機、ノーズアートにサメの絵ではなくウナギの絵を描いたT-4がいたんですが、やたら混んでましたしうなぎなんて浜松じゃ大して珍しくもなかろうと思ってスルーしたんですが、後で調べるとなんだか珍しいやつだったそうですね・・・。



みんな大好きマクドネル・ダグラスRF-4EファントムII
こいつは偵察型のファントムです。なので戦闘には不向きなんですが、戦闘機と同じ高速性を活かしてちょー高速で敵地に侵入して、敵の情報を機首にあるカメラで盗撮して、敵に追いつかれる前にトンズラするという使い方をされます。
空自のRF-4Eはベトナムの空でも飛んでいそうな茶色と緑の迷彩塗装・・・つまり上空から視認された時に溶け込むような迷彩塗装なわけですが、写真偵察機ってそんなに低空を飛ぶもんだったかしら?



機首に装備された偵察カメラ。前方、下方、左右に1個ずつあります。空自のRF-4には元から偵察型なのと戦闘型から改造されたものの2種類がいると静浜基地航空祭の時に説明したんですが(みんなもう忘れていると思うけど)、機首にカメラがある方は前者になります。
世はまさにデジタル時代という中で未だにフィルムカメラを使っているとか。なので撮影した写真を瞬時に友軍に転送するなんてことは出来ず、撮影したフィルムを基地へ持ち帰ってそこで現像する手間がかかります。
なお偵察機での撮影は何も戦争に使うに限った話ではなく、災害発生時の初動で情報収集する際にもこれを使うんだそうです。熊本地震ではその実績があるとかで。なるほどその手があったかと思いましたね。



双発ローターのヘリコプター、ボーイング・バートルCH-47Jチヌーク
静浜で見たばかりなので写真だけ載せて次へ(手抜き



初めて見ました、ガルフストリームU-4。ビジネスジェットだよね、これ。
案の定ガルフストリーム社のビジネスジェット機、ガルフストリームIVそのものでした。だからU-"4"なのか。
指揮連絡、小型軽量貨物空輸、訓練支援、要人輸送などを行う何でも屋なんだそうです。所属は入間基地の第402飛行隊。



ビーチクラフトT-400
輸送機などのパイロットを養成するための練習機です。元はビーチクラフトの400型です。なのでT-400・・・。めちゃくちゃ安直な命名ですけどいいのかなそれで。



ゴジラと戦争でもする気か!?という風貌をしているベルAH-1Sコブラ。対戦車ヘリなので陸上自衛隊の機体でゴンス。
世界初の対戦車ヘリなんですが、実は本命で開発していた対戦車ヘリが失敗した時の保険として開発されていたもの。本命ことAH-56シャイアンは開発の途上で色々機能を盛り込みすぎて機体が肥大化、生存性にも難アリってことで開発中止に追い込まれちゃいました。そんな時にベル社が自社開発していたAH-1の原型機が正式採用されたのでした。
本命が失敗して保険が踊り咲くというケース、米軍機ちと多くないか?という気もします。

AH-1は当時生産していた汎用ヘリコプターのUH-1ヒューイを原型にして開発したものです。まあ、全然似ていないんですが、尾部にはUH-1の面影が残っています。
前面投影面積を減らすために導体の断面を幅99cmまでめちゃくちゃ細くしたのが特徴です。乗った時めすんげー狭そう。この形状が以降の攻撃ヘリにも受け継がれており、初っ端にして洗練された形状をしていたわけです。
固定武装に機首のガトリング砲がありますが、ゴジラには毛ほどもない威力しかありません。他には胴体側面に取り付けられた翼にミサイルやロケット弾を装備できたりしますが、これもゴジラには歯がたちませんでした。



AH-1の原型になったベルUH-1ヒューイ。イロコイとも呼ばれるらしい。
ベトナム戦争でこいつがバッタバッタ撃ち落とされ目も当てられない状況だったことから攻撃ヘリが開発されるようになったのです。
見比べてもらうと尾部以外は別ものというのがお分かりいただけるかと。



静浜のヌシ、富士T-7
空自パイロットが等しく最初に操縦する機体、初等練習機です。これは静浜航空祭で散々書いたのでスルー(手抜き



消防車軍団です。
これはR-2型。指揮車なので消防装備はありませぬ。



A-MB-3型破壊機救難消防車。物騒な名前ですが、空港用化学消防車です。これは日産ディーゼル製。自衛隊の消防車では一番大きいとか。



A-MB-1型。古い方の破壊機救難消防車です。50年選手じゃないのかしら。そんなに高頻度で置き換えるものでもなさそうですから長生きしてるんでしょうね。

今日はここまで。


その3へ→

超久々のエアフェスタ浜松へ その1【2016/10/16】

2017-08-25 19:53:11 | 旅行・イベント記

2016年10月16日。2016年航空祭シリーズ第2弾。
9月は静浜基地の航空祭に出向きましたが、10月は静浜基地の隣りにある浜松基地の航空祭に行きます。家から近所なのとブルーインパルスが飛行すると言うので行ってみたかったわけです。
ここの航空祭は何でだか知りませんが「エアフェスタ浜松」と他の基地と呼び方が異なります。まあ、航空祭を英訳しただけなんですが。
例によって航空祭では公共交通機関で赴く他ありませんので、静岡からは東海道線で浜松駅まで乗ります。浜松駅からはシャトルバスが出ているのでそれで基地まで行きます。
行く前は6時頃の電車に乗れば大丈夫やろと余裕こいていたわけですが・・・。



いや、めっちゃ混んでるなこれ、なるほど発見デーかよ・・・。
既に駅前まで待機列が形成されていて、駅の裏口である写真の地点に到達した時点で8時45分(駅前広場からここまで数百mある)。この時既に浜松基地では開幕展示飛行が始まっていますから、完全に出遅れています。なんてこった。
慌ててもしょうがないので待ちます。



待っている間はシャトルバスの撮影でもしています。バスに関心があるとこういう時に暇つぶしになって良いです。
シャトルバスは遠鉄バスが引き受けています。
これは日野ブルーリボン+富士重7E。だいたい20年位前のバスです。ナンバープレートの分類番号が2桁ですからね。



三菱ふそうエアロスターM。これも相当な古株です。しかもそこそこ数がいる。
遠鉄のエアロスターMの場合、後部の行先表示器が無いのが中々衝撃的。



日野レインボーHR。中型長尺です。
旧型のツーステプバスは濃い緑色の帯をしていますが、低床バスは淡い緑色をして「オムニバス」のヘッドマークも付けて、区別されています。



日野ブルーリボンII。



いすゞエルガLV290。まだ数台しかいない新型車。見れたらいいなと思っていましたが、やりました。



待機列の折り返し地点、横断歩道を渡って反対側へ。
三菱ふそうエアロスターのペチャノン。



遠鉄観光の観光バス、エアロバスも動員されていました。これに乗れたら大当たりですね。



エアロスターのツーステ。この顔でツーステのこの塗装か・・・。妙に違和感がある。



9時15分。ようやくシャトルバスに乗れる。こりゃあ、バスを降りれるのは10時頃か・・・?浜松基地、結構人が来るんですね・・・これは誤算でしたよ。
ちなみにバスは座席分しか人を乗せないので、乗ってしまえば基地までは楽ちんです。時間はまあまあかかりましたが。



9時50分。どうにか10時前に基地に到着することができました。
ただ、バスで移動中に岐阜基地のF-2戦闘機の展示飛行を見ることになってしまい、歯痒い思いをしました。
基地内もすごい人だかりで、これは帰りも大変だぞ・・・。

今日はここまで。


その2へ→

カナダの航空祭コモックスエアショーを堪能する 最終回【2015/08/15】

2017-08-19 21:41:57 | 旅行・イベント記

コモックスエアショー最後の演目、CF-18特別塗装機のデモ飛行の続きです。



迎え角を取って上昇。主翼から蒸気の渦が出ています。



背中を見せながら低空で旋回。高度低い!



一応CF-18のベストショット(当社比
これ200mmレンズで撮影していますから、低空で飛んでいるというのはカメラ使っている人はわかってくれると思います。何回もしつこいですがF-15Jだとこうはいかなかったですよ。







ややピンぼけ気味ですが一番寄れたカット。



着陸体勢。いやぁ、堪能しました。



・・・と見せかけて再離陸!
引っ掛けだったのか何か問題でもあったのか?



そのまま突っ切る。
垂直尾翼にはパイロットの絵が描かれています。ちなみに反対側にはチャーチル首相がいるんだそうな。
機体の識別コードのH◎VOも実在したものだそうな。


一周してもう1回着陸。今度は本当に着陸しました。



これでCF-18の飛行は終了。戦闘機のパワーを活かしたトリに相応しい素晴らしい飛行でした。

そしてこれにてコモックスエアショーは閉幕。全ての飛行展示が行えて本当に良かったと思います。
さて、あとは帰るだけです。「撤退だけはクソ速い」がモットーの黒鉄重工ですから、余韻に浸る間もなくそそくさと基地を出て、車を駐めた駐車場へ向かう帰りのシャトルバス乗り場へ急ぎます。何せ今までいたところは会場の最奥、ゲートまでは遠いのですぞ。
来場した人数は多いにしても日本の航空祭にしては少ない方なのでそっちはそれほど問題ではないのです。
が、問題はシャトルバスの運行体制でして、これの台数が少ないと来場者を捌ける量が大きく減じてしまうので早く並ぶひつようがあったのです。私の見立てではシャトルバスの台数は来場者に対して少ないと思います。対して日本ではここら辺結構頑張っているのです。



一刻でも早くバスのりばに行きたいところですが・・・今の天気は晴れ!地上展示機の撮影は朝のうちに済ませておきましたが、その時は曇り。ここは日差しの下でも撮影したいというのが人情というもの!
なので目ぼしいところだけ寄り道して撮影していきました。CC-117輸送機。でかい。



あとは戦闘機だけ見ればいいやと思いましたが、CC-117の奥にCP-140を見つけたのが運の尽き。あれは朝の時にはいなかったやつです。
飛行展示中の姿を見てはいますが、ここは撮っておくべきだと回り道していきました。
CC-117を見た直後なのもありますが、結構小さいんだなこいつ。



その後は通りすがりの機体を何機か撮影してアメリカ空軍のF-16D。天蓋が閉まっている状態も撮ることが出来たので収穫でした。



最後にCF-18Bを撮影。
これを最後にコモックス基地を出ます。ありがとうコモックスエアショー。また機会がめぐり合えば行きたいです。他のエアショーにも行きたいので当分先になりそうですけど。



さてシャトルバス。案の定行列ができていて、しかもバスが中々来ない。やはり台数が少ないようです。
それでも並び始めてからバスが駐車場に着くまで30分くらいでしたから、終わってみればまあまあな待ち時間でしたでしょうか。
ちなみにこのバスは地元コモックスバレー所属ではなく隣町のナナイモ所属のバス。エアショーのために応援に駆けつけてくれたんですね。

車で駐車場を後にした頃が18時前あたり。ちょっと焦っていました。
みんなもう忘れていると思いますが、根城にしているビクトリアからコモックスまではレンタカーで来ています。それの返却時刻21時まであと3時間というところまで来ているのです。で、レンタカーを借りたビクトリア空港まではちょうど3時間かかるかという距離なので、結構ギリギリなんですよ、ええ。
エアショーは15~16時くらいには終わるっしょとか思っていたので(プログラムを事前に知らなかったマン)、帰りは旧道でも走るかとかナナイモで夕食でも食べるかとかのんきなことを考えていたのですが、ハイウェイをぶっ続けで走らんとマズい状況になっていました、とほほ。

途中のナナイモまでのハイウェイは制限120km/h(!)なのでその辺りの速度で巻き返しを図りました。車通りも少ないので走りやすかったです。
堂々と120km/h運転できるのは気持ちいいものですが、ちょっとでも何かに接触しただけでも死んでしまうような速度なのでやっていると集中して疲れます、アレ。
ナナイモからは専用道ではなくなり車も多くなるのでややだらだらとした走りになります。速度的にネックになるのはダンカンとビクトリアの間にあるマラハット山の峠で、片側1車線の山道になります。酷道ほどではないですが「お前それでも大陸横断道路1号線か」という道路です。走るには楽しいけど夜中に通るのは真っ暗なのでちょっと恐いです。
峠を越えると車線も増えてビクトリア近郊に出るので、市街地に入る前に1号線を抜けて適当な幹線道路へ転線、空港へ向かう17号線に合流したらあと少しです。

そんなこんなで、21時まであと20分というところで空港に到着し、無事レンタカーを返却できました。何度か同じ道を通って道路のことを知っていてよかったです。初めて運転する観光客みたいな気持ちだったら難しかったかも。



空港からはBCトランジットの路線バス88系統シドニー行きに乗って終点のシドニーの町まで。終点で折り返し空港行きになりますが、行先表示に飛行機のアイコンが付くようになったんですね。以前は見られなかったもの。
シドニーからはビクトリアのダウンタウンへ行く70系統か72系統のバスに乗ってビクトリアへ。バスを降りてようやく約15時間ぶり飯にありつけました。時刻はもう22時過ぎでしたかね・・・。昼飯も食べていなかったのでもう半ばやけ食いでしたとさ。

これでコモックスエアショーはおしまいです。
片田舎のエアショーとは思えないほど濃密な1日でした。飛行展示する機体はどれも魅力的で、飛行機とは見ていてこんなに楽しいものかと思いました。
私がそういうのにチョロいのもあるんですが、本場のエアショーはやはりすごかったと。これがきっかけになって飛行機の趣味へとずるずる引き込まれていきましたね。本当チョロい。

ちなみに、コモックスエアショーは2年おきの開催ですので今年(2017年)は開催されるはずなのですが、カナダ空軍はなにやらお忙しいようでエアショーをやる余裕がなく、今年は中止になってしまったそうです(泣)
次回は2019年なので、その時は開催されるといいですね。みんなもエアショー行こう。

今回はこんなところで。

おしまい

カナダの航空祭コモックスエアショーを堪能する その19【2015/08/15】

2017-08-17 20:33:23 | 旅行・イベント記

コモックスエアショーも最終盤、いよいよ最後の演目になりました。トリを務めるのはカナダ空軍の戦闘機CF-18ホーネットによるデモ飛行です!
滑走路の右から滑走を初めて我々の手前で大迎え角で離陸!なおあんまりに急だったのでピンぼけして撃沈・・・。



右にロール。



脚は出したまま。



そのまま一回転して行ってしまいました。



前半は機体がちっちゃくしか写りませんから、勘弁してね。







前にも書きましたが、この塗装は第二次世界大戦の戦いのひとつであるバトル・オブ・ブリテンから75周年を記念して塗られた期間限定の特別塗装です。カナダもイギリス連邦の一員として連合国側について参戦していましたからね。
当時のイギリス軍の戦闘機の塗装を再現しているので、緑と茶色の迷彩塗装になっています。でもこれ、スピットファイアじゃなくてハリケーンを再現しているんですってね。
数年ごとに塗装は塗り替えられるので、これはこの年だけのものです。2017年にはカナダ建国150周年の特別塗装で、お前はシャアかと思うほど真っ赤っ赤になっていました。



風防の裏側にはフォルスキャノピー(偽の天蓋)が描かれています。相手を混乱させて瞬間的に判断を遅らせるためのものです。確かに一瞬ですが表裏が分からなくなります(この機体は表は茶色だが一般機は表裏ともに同系色



空模様はもう最高ですね。朝のどんより雲がウソみたい。



LERX特有の蒸気渦。



機体は低空をグリグリ動きますので楽しいです。エンジン排気音もうっるさいです。さすがホーネットだ。











脚を出しながら背面飛行。

まだ途中ですが今日はここまで。


[2015 R.I. ANG Open House & Airshow - CF-18 Hornet Demonstration]

おまけはCF-18のデモ飛行。


最終回へ→

カナダの航空祭コモックスエアショーを堪能する その18【2015/08/15】

2017-08-03 20:57:20 | 旅行・イベント記

ヤクの飛行展示の次は、カナダ軍の空挺デモンストレーション部隊「スカイホークス SkyHawks」展示です。カナダ軍唯一の軍隊によるパラシュートを使うデモチームで、1969年以来もうすぐ50年という長い歴史があります。
(恐らくカナダ陸軍の)空挺連隊が結成した非公式部隊が始まりでして、結成2年目の1970年にはパラシュート世界選手権で銀メダルを獲得したそうな!そんな実績が認められたのか1971年には制式な部隊に昇格しました・・・とのこと。
ちなみに管轄的にはカナダ陸軍の部隊のようですが、海軍や空軍、さらに予備役からも人員が集められ組織されているそうな。オールカナダ軍のチームなんだよー、ということなんですかね。



・・・という風につらつら書きましたが、この場にいた当時は「あ、なんかDHC-6が飛び立ったな」くらいの認識しかなかったです。ワイの英語はもうガバガバ。

DHC-6でおなじみのこの双発輸送機、カナダ軍ではCC-138という型式があります。民間型だと300型に相当する機体で、愛称は民間型と同じツインオッター
デ・ハビランド・カナダ伝統の短距離離着陸(STOL)性能に優れた機体でありまして、DHC-6は特に未開地のような未舗装で滑走路の距離が短い飛行場での運用に長けた機体です。
そういう性能を持っているので、小さな飛行場しかなさそうなカナダ北部の輸送、救難救助、作戦支援などの任務に就いているのです。冬場もスキーを履けば雪上でも離着陸できますし。

この機体(13804)は第440輸送飛行隊の機体で、これはノースウェスト準州イエローナイフを拠点にする部隊です。イエローナイフはオーロラがいつでも見られるとかでかつて日本人にも好評だった町です。オーロラということは北極圏も間近でして、つまりはド田舎です。
主な任務はレンジャー部隊や士官候補生の育成支援だそうですが、今回はスカイホークスを上空まで運ぶ任務を負っています。



やっけに上に向かってばっか飛んで行くなぁ・・・とか思いながら眺めていました、当時。



ギリギリ音が聞こえて目に見えるかという高度まで達した時、機体から何か赤いものが飛び出ました!スカイホークスの隊員が降下を始めたのです。ここでようやくパラシュート部隊の飛行展示だと気づく。
CC-138にはCC-115(DHC-5)のような後部カーゴランプが無いので、胴体後部の側面にある扉から飛び降りることになります。うっかり水平尾翼にでも当たったらお陀仏だろうなと余計な心配をします。

空挺部隊の降下はいつだかに自衛隊の航空祭で空挺部隊が輸送機から降下してくるところを見た記憶がありました。あれは一度放り出されると後は黙って降下するだけでした(その代わり隊員の数がやたら多い)。カナダのこれもそんなものだろうな、とタカをくくっていました。



段々降下してくるとカメラでもその形を捉えられるようになりました。そこには国旗が描かれたパラシュートがありました。この時はまだ面白いパラシュートだなとしか思っていませんでした。



!?
あっ国旗だ!


!?!?
す、スモークだ!しかも日本では絶滅した赤いスモーク!


ダイナミック国旗掲揚
これにはカナダ人も喝采。ついでにDJブースからは国歌が流れるジョークも飛び出し、観客は釣られて脱帽し起立する始末。これには笑わせられました。

この国旗掲揚が3人で行われているのにも注目。
一番下の人が右足に国旗掲揚と左足にスモーク散布を一手に引き受けています。一番つらいやつ。
その上であぐらをかいている2人は何だか変な格好で組み合っています。向かって右側の人は下の人の展開するパラシュートの前に寄りかかりながら飛行しています。こうしていないと体勢を維持できないのかも。
その横の左側の人は右側の人の腰に脚をホールドしてしがみついています。でも上半身は彼から離れているので横になっているような感じになっています。見ている時はみんな気づいていないからいいけどかなり無理な体勢をしています。
パラシュートを2つ横に並べて飛行するには2人の身体の向きをVの字にする必要があるからなんだと思います。これ、パラシュートが少しでも上下にずれたらこのような体勢にはなりませんからね。見ている分には涼しい顔そうですが実際にはかなり大変なんじゃないでしょうか。



パラシュートもどちらかと言うとこれはハンググライダーの方が近いのかもしれません。

余談ですがスカイホークスの展示は元々開幕直後に行う予定のものでしたが、午前中の曇天により後ろに回されていた状態でした。
なるほど確かにこれは快晴の下行わないとダメだな~と実感します。よく午後になって天気が回復してくれたものだと思います。



着地。



これで終わりかと思ったら第2弾が降りてきました!
カラースモーク6条を出してぐるぐる回転しながら降下してきます。



ぐるぐると。
パラシュートでこんな機動ができるものなんですね。



地上が近づくと着地体勢に入ります。



着地。



さらにもう1回!



今度も複数の隊員による降下です。スモークを出しつつ降下しながら姿勢を整えていきます。



3つのパラシュートで円を描きながら滑空しています。
この間、3人の隊員は互いに脚を組ませながら滑空しています。これも大変だろうねぇ。



これにて終了。観客へ向けて敬礼します。



CC-138も会場を航過してご挨拶。



CC-138も着陸して終了。
これほどエンターテイメント性の高いパラシュートチームとは思いもしませんでした。またもや素晴らしいものを見させていただきましたぞ。

次回はいよいよ、エアショーのトリであるCF-18のデモ飛行です。


[Canadian Skyhawks at Barksdale Airshow 2016]

今回のおまけはスカイホークスの動画です。


その19へ→

カナダの航空祭コモックスエアショーを堪能する その17【2015/08/15】

2017-08-01 21:26:09 | 旅行・イベント記

ヤクが展示を終えると旅客機の離着陸の番です。
パシフィックコースタルのBeech 1900C (C-GIPC)が着陸。



続いてウェストジェット・アンコールのBombardier DHC-8-Q400 (C-GEMN) WR3181便(カルガリー発)も到着。



突如現れたコークスクリューの機動。誰やお前。



オール・アビエーションが所有するピッツS-2エアロバティックス (N12QW)でした。
プログラムには入っていなかったので、地上展示だけしていたところを辛抱堪らず急遽飛行したところでしょうか?



飛行の途中に第440輸送飛行隊のデ・ハビランド・カナダCC-138ツインオッターが離陸。弊ブログではDHC-6の名前でおなじみの機体で、カナダ空軍では小型輸送機として使っています。軍用機になってもかっこいいですなぁ。
第440飛行隊の基地は北部のイエローナイフにあるということですから、小さな飛行場ではSTOL性の高いこの機体が必要なのでしょうかね。
あれ、これもプログラムには無いなぁ、通常任務だろうか?と思いましたがこの謎はこの後解けます。



垂直に上昇するS-2。









さらにカナダ空軍のCF-18Aホーネットが動き出しました!おお、午前中の天候不順で果たして飛ぶか不安でしたが、どうやら飛ぶようですね。



ちょっと中心を外しましたが正面。なんかの動物みたいですね。



ホーネットのエンジンはうるさいことに定評がありますが・・・本当にやかましいんですね。







この188761は見ての通り特別塗装が施された機体です。
この塗装は1940年から始まった第二次世界大戦のイギリスとドイツの戦いバトル・オブ・ブリテンから75周年を記念したものです。機体上面は当時のイギリス戦闘機の迷彩塗装を再現したものになっています。
カナダ空軍はこの手の大面積の特別塗装が好きで、過去にも何種類かの派手な特別塗装機があります。



滑走路の端に向けてタキシングしていきました。どうもエアショーのトリはこれのようです。



さっき着陸したパシフィックコースタルのC-GIPCが離陸していきました。

今日はここまで。


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