落ち着いた大人になろう!

旅行やら映画やらの独り言

「キラー・ナマケモノ」

2024-04-28 21:20:43 | 映画

金のかかったおバカ映画か、金のかかってない方のおバカ映画か。

と迷って、今日は金のかかってない方のおバカ映画を鑑賞。

邦題からして「キラー・トマト」や「キラー・ラビット」を彷彿とさせる。そして、トマトやラビットと同じように、このナマケモノのぬいぐるみはほぼ動かない。いや、顔や腕はうごくんだけど、移動するシーンはない。それなのに数秒で別の場所に移動する。初期のジェイソンやブギーマンみたいだ。病院からどうやって戻ってきたのだろう? あの爪で、スマホを扱えるんだから、テレポーテーションくらい楽勝なんだろうなあ。

そしてナマケモノ君、せっかく3本爪を武器に、女子大生の寮を襲い、寮の女子大生をほぼ殺してしまうのに、その3本爪もダラッーとしてて1本ずつは動かない。顔の表情はちゃんと作ってるのに、なんでこんな簡単な爪の動きは作らなかったのか? もったいない。あるいはフレディ・クルーガーに遠慮してるのかなあ。

ナマケモノのアルフィに、もうちょっとちゃんとした目的とか殺し方のエグさとか特徴ある動きとかプラスしてあげれば、ホラー映画のキャラとしてもっと光るのに惜しいなあ。

そして、おバカ映画なのに、エロとグロは一切ない。せっかく女子寮なのに、女子大生は老けてる。ピチピチしてない。主人公も美人じゃない。そして全く脱がない。殺人シーンもない。キャーって悲鳴をあげて終わり。

一番面白かったのは、寮母のミス・メイの告白シーンだな。人生、無駄にしてはいけないな。

主人公のボーイ・フレンドがなかなかいい味を出してて、“I love you”“I know”っていうセリフがあったり(“スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲”の凍らされる直前のハン・ソロとレイア姫のセリフ)、この映画の原題“Slotherhouse”を言ったり。slothがナマケモノで、slaughterhouseという“屠殺場”と、houseの“寮”を合体させた、ボーイフレンドのジョークが原題。

まあ、他にもいろんな映画のパロディがあるので、それを楽しむ映画って感じかな。ホラー感は全くない。エンドロールはしっかり作ってあった。

 

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「オーメン:ザ・ファースト」

2024-04-05 15:48:10 | 映画

私は1976年の「オーメン」世代だ。初日・平日の第1回だけあって、周りの観客もシニア料金の同世代。

「オーメン」はホラー映画なのに、グレゴリー・ペックとリー・レミックが主演で、当時のホラー映画の地位をグッと底上げてくれた作品だ。666って数字も流行った。「悪魔」ってキリスト教徒にとっては本当に存在するんだと、当時遠かった欧米の宗教の勉強にもなった。

で、「オーメン:ザ・ファースト」。出だしはオーメンを彷彿とさせる。ガラス!これはガラスで首スパっの再現かあ?と思ってたら、おおっ、そっかあ!そっちかあ!と、とっても懐かしいオープニング。

その後、主役のアメリカ人のマーガレットが修道女になるべくローマに着いて、車窓から街並みを眺めるシーンも1971年当時の再現が上手でワクワク~。

が、この後の展開が面倒くさい。

何か秘密を抱えた修道院の中で働く、アメリカの田舎から出て来てちょっと浮かれてるマーガレット。物々しい幻想ばかりが続く。人はそんなには死なない。

で、守ろうとした少女でなくて、実はマーガレットが・・・っていうのが、ポイントなんだろうが、もう前半で察しがつくので全然驚かない。

まあ、ダミアンが生まれるという結果は分かってるからなあ。

マーガレットが見る幻像で、別の女性の出産シーンがあるんだが、ここにモザイクがかかる。目を細めても見えない、大きいモザイク。精巧に作り過ぎてしまったのだろうか? 多分、スタッフさんが一番頑張ったグロイシーンが全く見えない。

ビル・ナイも仕事選ばないなあ。レディ・ガガ似の女優さんは良かった。

ただ、どういう経緯でダミアンが生まれたかはとっても良く分かった。

以下、ネタバレ

ダミアンを作り出した理由が、キリスト教の信者を増やそう!という目的の、悪い教会派閥の一大プロモーション! なるほどね! 悪魔なんて関係ないじゃん。悪い教会派閥の存在が悪魔そのものだったのか。第二次世界大戦終了後の物欲いっぱいの時代、宗教界はその存続が大変だったんだなあ。日本も「水子供養商法」が始まった時代だ。

山犬と人間の子供が悪魔になるのかあ。山犬、どうもジャッカルらしいが、こんな簡単に(あっ、当事者は大変だけど)悪魔が造れるとは。

ラストは続編ができそうな雰囲気で終わる。続編は、21世紀製作らしく、母と異母姉妹の妹が娘を守って、暗黒面に落ちた教会派閥と戦うアクション映画になりそうだ。公開しても、観には行かないけど。配信ドラマかな?

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「オッペンハイマー」

2024-04-03 17:31:35 | 映画

原爆の悲惨さと、原爆を生み出してしまったオッペンハイマーの苦悩が十分伝わってくるし、「広島」「長崎」が原爆投下によってどうなったかは映像がなくても分かるのに。なんで、「広島」「長崎」の描写がないからと、日本人に非難されてしまうのだろうか? 日本での公開が遅れて、配給会社も変更になったのは、日本国内のいろんな組織に忖度と言うか・・・。アメリカの「赤狩り」より酷くないけど、なんだかなあ。

そりゃ、「バーベンハイマー(Barbenheimer)」で浮かれたアメリカ一般市民には、がっかりというか啞然としたけどさ。逆に、そんなアメリカ人はこの映画を正しく理解したのだろうか?と心配になる。アカデミー賞はもらったけど。

映画自体は真面目だよ。3時間飽きずに、IMAXで観た。登場人物が多過ぎるので、ちょっと混乱。しかも、うち2人の顔が似てるし。

オッペンハイマーに対する「ソ連スパイ疑惑」の聴聞会をベースに、オッペンハイマーの半生が描かれる。で、それとは別にアカデミー賞助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・ジュニアが演じたルイス・ストローズの公聴会。モノクロフィルムで平行して進むんだが(時系列的にはこれが一番新しい)、最初はなぜこの公聴会が描かれているかさっぱり分からない。原爆開発までの本編とは関係ないし、ストローズはプリンストン高等研究所の所長にオッペンハイマーを抜擢しただけなのに、なんでこんなに時間をかけてこの公聴会をやってるんだろう? と、思ってたら、最後に、(ああっ、そうだったのか!)と。クリストファー・ノーラン監督らしいなあ。

オッペンハイマーは、最初はユダヤ系だから敵であるナチを倒すためにと自分に言い訳して始めた原爆開発という事業なのに、軍に圧力をかけられて、とにかく目的達成しないととガムシャラに働いて。原爆開発には成功したけど、「プロメテウスの火」から何が起こるか、ドイツが降伏して目標が敗北が分かっている日本になって、原爆の成功を祝うセレモニーに集まった人々に犠牲者を重ね、人の肌が剥がれていく幻影を見る。そして、水爆実験に反対して、ソ連のスパイではないかと疑われ、公職も追われ。気の毒なのはロスアラモスの仲間の数名も科学者として扱われなくなったことだ。

で、オッペンハイマー、こんなに苦労している割には、女性には手が早い。科学者なのに珍しい。そして、こんなに周辺に共産党員がいたとは。

アインシュタインが、誰が見ても一目でアインシュタインと分かって、物語を締めくくる。凄い存在感だなあ。

結構役者の層が厚くて。クリストファー・ノーラン、役者にも好かれてるなあ。ジョシュ・ハートネットは相変わらずカッコいい! 

唐突に証言するラミ・マレックは儲け役だなあ。あとストローズにあきれ果てる弁護士みたいな人は、オールデン・エアエンライクで「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」ハン・ソロだ。

スアラモスの科学者の中には、メグ・ライアンの息子や「ヘレディタリー/継承」「Old」のお兄ちゃんもいたらしい。

オッペンハイマーの聴聞会のメンバーも、皆観た事ある人なんだが。一番、詰問するのが、「猿の惑星: 新世紀」や「ターミネーター:新起動/ジェニシス」に出てたジェイソン・クラークって事は分かったんだが、あとは分からない。観た事あるんだけどなあ・・・。

良くできた映画じゃないか。作品賞を獲って当然じゃん。前回なんて「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」だよ。

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「ARGYLLE/アーガイル」

2024-03-25 17:24:54 | 映画

マシュー・ヴォーン監督だ。「スターダスト」、「キック・アス」「キングスマン」シリーズ楽しかった。

プロットは面白いのだ。ドンドン転がって、どんでん返しの連続で。ええっ!そうだったのって連続なのだ。そして、「キングスマン」にも繋がって・・・。目が離せない。

主役以外の、元スーパーマンのヘンリー・カヴィル、出過ぎの感もあるけどサミュエル・L・ジャクソン、「ホーム・アローン」のお母さんのキャサリン・オハラはじめ、皆良い! イキイキしてる!

なのに・・・。何なんでしょう? 主役の二人。

スパイ映画なのにヒーロー・ヒロインが、サム・ロックウェルとブライス・ダラス・ハワード。二人とも俳優としては大好きだ。特にサム・ロックウェルは良い俳優だ。

だがこの手の男女のスパイ映画もしくはアクション映画で思い出すのは「Mr & Mrsスミス」のブラピとアンジェリーナ・ジョニー。「ロング・キス・グッドナイト」のジーナ・デイヴィス。「ソルト」とか「レッド・スパロー」とか「アナ」とか「ナイト&デイ」とか・・・。あと「ザ・ロストシティ」とか。

なのに、この二人。

もうネタバレでいいや。

このシーンを映画の後半、ブライス・ダラス・ハワードとサム・ロックウェルが再現するのだ。ブライス・ダラス・ハワードが前半の、事件に巻き込まれてる小説家の頃は太っていても良い。椅子にずっと座っている小説家だからだ。確かに5年間座っていたから太ってしまった設定なのかも知れない。けど、金髪のボブスタイルにゴールドのイブニングドレスを着た姿が、チョコプラの松尾が扮したIKKOさんにしか見えないのだ。多分、この映画を観た日本人ならほとんどの人がそう思ってしまうはずだ。背中の贅肉も凄い。このブライス・ダラス・ハワードを、サム・ロックウェルが持ち上げるのだ。なので、CGで消したワイヤーが、観客の脳内で再現されてしまう。

そしてその後、カラフルな煙幕の中での二人のアクション、ブライス・ダラス・ハワードの華麗なフィギュアスケートでの敵全滅が展開するのだが・・・。「キック・アス」ばりのアクションが・・・。太めの中年おばさんと、冴えない小柄な中年おじさんで繰り広げられる。乗れない私。正直、苦笑。映画の中では夢を見たい。

ちなみに「アーガイル」は、エージェント・レイチェル・カイルの事らしい。 

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「PERFECT DAYS」

2024-03-08 13:52:46 | 映画

アメリカのアカデミー賞にもノミネートされているので、ヴィム・ヴェンダースが監督で淡々としているらしいが、観とこうと。

あっ~、やっぱ私には駄目でした。確かに余韻はあるよ。余韻はねえ。「東京」もじっくり描かれているよ。

私と同年代設定の、役所広司演じる平山(この名前からして小津安二郎の映画の作品に使われている名前だ)の、淡々とした毎日が多少の事件を絡めて描かれる。そして、彼は明日も現状に満足して、木漏れ日を見るながら生きて行く。そんな、2時間。

平山は無口なので、仕事で使う車で流れるカセットテープの歌詞が彼の心情を語る。昔の歌なので、何となく聞き取れる。

平山がなぜ、このような毎日を満足しながら生きるようになったかは分からない。アパートの1階に荷ほどきされていない段ボールがあるので、5年前はもっと広い場所に住んでたんだろう。運転手付きの自動車で娘を迎えに来た妹が「好きだったでしょ」と鎌倉紅谷の紙袋を渡していたから、鎌倉の良家の出身か? 

神社で、派手な女性が画面の隅に映るので、エンドロールで探したら研ナオコだった。

あと、あがた森魚が弾くギターで、石川さゆりの、浅川マキの歌詞の「朝日のあたる部屋」が聞くことができるという、ちょっと変わった体験ができる。

不思議だったのは、生活に窮してる平山が、姪のニコのためにあの自転車をどう用意したんだろうか。そして、平山はあの食生活でなぜ、腹が空かない?謎だ。

まあ、自分のスケジュール中心の週3で日雇い労働で隠居生活を送っている私も似たような生活かな。

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「哀れなるものたち」

2024-02-04 21:43:33 | 映画

アカデミー賞11部門ノミネートだし、「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督作品だし、18禁だし、ドキッとさせてくれるかなあと思って観たんだが・・・。「女王陛下のお気に入り」の3人の女より迫力ないなあ。

映像はファンタジー感満載で、ベラの衣装もミニスカート含め可愛いい。クルーズ船もリスボンの街並みもなかなかのSF感。

だが原題:Poor Thingsだからか、なんかPoor感が凄くて。パリの娼館あたりで飽きてきた。もう大人なので、セッ〇スシーンを見ても、(おおっ、頑張ってるなあ)位しか思わんし。出てくる男どもが、特にマーク・ラファロ演じる弁護士ダンカンと、ベラの元夫があまりにもPoorでさあ。何か観てて、本当に「哀れ」なんだもん。

エマ・ストーンはあれだけ全裸で頑張っているので、アカデミー賞主演女優賞取るんだろうなあ。満足に歩けなくて、お漏らししていた移殖直後から、知的好奇心にあふれ社会を変えようとするまでの、ベラの成長ぶりを見事に演じてたし。

この狂った登場人物の中で、個人的に一番凄いなと思ったのは、バクスター家の家政婦さんだ。科学者のゴドウィン・バクスター博士(ウィレム・デフォー)の脳移殖の手術助手も淡々とこなす。ベラと、2代目ベラのフェリシティの育児もする。そして、家政婦としても仕事をしてる。ええっ!どんだけ!!!働くんだあ! この女性こそ、この映画の世界で独立して完成された女性ではないだろうか。最後、バクスター家の一員として、普段着で庭でジンを飲んでるんだが、この家政婦さんが一番努力とその成果としての成長をしたんじゃないだろうかと。

あと、映画を観ていた観客も偉かったよ。エンドロール途中で退席するかと思ったら、皆、明るくなるまで席にいたもの。

リスボンのエッグタルトは、なるほど、卵の黄身の有効活用だったのかあ。勉強になった。

フェリシティ、ヴィクトリア朝の美女(フローレンス=アルマ・タデマの描く絵みたいな)を演じてたらマーガレット・クアリーなんだが、調べたらお母さんがアンディ・マクダウェルだった。ビックリ! もう娘が活躍する世代なのねえ。

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「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」

2023-11-30 17:24:59 | 映画

期待通りでした。とっても良い、おバカ映画だった。年末に、笑うのにピッタリだ。

関西ネタは、さすが年の功の私。しっかり笑えた。琵琶湖や彦根城、行っといて良かった。

ただ、今回の映画で勉強になった事もある。比叡山延暦寺って、境内のほとんどが滋賀県の大津市にあるんだねえ。また、滋賀県民が京都人や大阪人にタンカを切る時に言うという都市伝説の「琵琶湖の水止めたろか!」は、実際止めると滋賀県が水没するとは・・・。いや、実際に水没するかは分からないが。460本の河川が琵琶湖へと流れ込んでいるのに、 琵琶湖から流れでる河川は瀬田川1本しかない事には驚いた。

麻実麗を演じるGACKTは立派だった。ずっと出ずっぱりで、撮影も大変だったろう。お察しします。

二階堂ふみ演じる壇ノ浦百美は、関西には行かないので、残念ながら出番は少ない。

その代わり、杏演じる滋賀のオスカルこと桔梗魁が大活躍。一応男性らしいがオスカルだからなあ。ってか、もう性別なんて関係ないから。

愛之助もなかなか良かった。愛之助の母親が、モモコとは。笑った。

まあ、一番活躍していたのは「とび太くん」だな。涙が出そうになった。嘘です。グッズが売れそうだ。

映像的に凄いなあ、と思ったのは、「チャーリーとチョコレート工場」の工場内のパロディ。粗い作りと言えばそうなんだが、CGで、凄い楽しいシーンになっていた。普段はあまり好きでないゆりあんが、適役だった。

あと、和歌山沖での船の遭難シーン。この波は「ゴジラ-1.0」に欲しかった波だ。

埼玉の武蔵野線の話も楽しかった。武蔵野線ができてから、埼玉県人の会社の人が東京の展示会場や出先から「家に帰り易くなった」と喜んでたもんなあ。埼玉県民の日は、舞浜に行く日というのも納得。行田タワーは古墳を見に行った時に、バスの中から見た。あんな秘密兵器だったとは。

現代版の話も楽しかった。和久井映見があそこまで丸くなるなら、私の体重増加なんて可愛いもんだと心強くなった。

エンドロールのはなわの歌がなあ。前作のインパクトに遠く及ばない。そこが残念だった。ミルクボーイが拾ってたけど。

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「ゴジラ-1.0」

2023-11-27 21:29:26 | 映画

2016年庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」の後、なんで今、山崎貴監督で「ゴジラ-1.0」? シンの後の-1.0だよ。東宝は何を考えているんだろう?

山崎貴としては、「ゴジラ」自体は撮ってみたかっただろうけど。

時代設定は、「シン・ゴジラ」に付いていけなかった多くの世代取り込んだ、戦後すぐ。そして、一応、一般庶民。なので、とっても親しみやすい。

しかも、ゴジラと戦うのが、神木隆之介&吉岡秀隆というヒーロー感まるでなしの2人。

主人公の、CMでは高杉君として無邪気な神木隆之介が、特攻隊の生き残り(まあ、自分で生き残ったんだが)としてのトラウマ。「僕の戦争は終わっていない」と苦しみながらも、機雷除去で生計を建て、小さいながら家も再建。最後は「生きる」と決意。また、元軍人達がもう一度、命を懸けて日本を守るためにゴジラと戦おうと立ちあがる。あ~、日本人ならホロリと来る。

吉岡秀隆もいつの間にか、飄々とした吉岡秀隆しかできない博士になっている。乗ってた船が「新生丸」で良かった。ペア組んでたもう1艇に乗ってたら、あっさり死んでたからなあ。

あと、横須賀の漁師の皆さんもケガもなく助かって良かったわい。

今回の自衛隊は、まだ自衛隊がない時代だし(というか日本の武器も全てアメリカ軍に提出済)、アメリカ軍もソ連との関係を悪化させたくないから協力してくれない。

それでも、ゴジラシリーズの、戦闘シーンの曲は流れる。あの曲を聴くと、ああっ、やっぱり「ゴジラだなあ」と思う。

あの水圧作戦が良かったかどうかは、減圧症経験者の私としては疑問だが。地上で生活している怪獣なら一発で効く作戦だけど。「ゴジラ」って、「ゴリラ」と「クジラ」の混合造語だよね。クジラだと、水深1,000mまで10分で潜ることができるそうだが。普段、水深が深い所に潜んでいるゴジラに効果があるんだろうか。映画では、弱まった所に口から爆弾を突っ込んで、今回はやっつけた事になってるけど。

VFXは地上波見事。銀座も派手に壊す。だけど、海が・・・。あの距離で、あの爆発や衝撃で、なんで波が立たない? 波の描写がなあ・・・。もっと、大きくて水量が多い波が立つはずなんだが。「新生丸」の揺れが少ない。

あと、深海魚。急激に浮かんで、浮袋が口から出てあの造形なんだろうが、そこが分からない。観客に、そこが伝わったのだろうか。最初、提灯アンコウかと思ったもん。

で、ストーリー的にちょっとなあ、と思ったのは、不死身の浜辺美波。完全に乳飲み子をどうやって育てていたんだろう? そして、ゴジラに食われた電車からも生還。さらに、偶然、銀座で神木隆之介再会。そしてさらにさらに「ゴジラによって熱線の着弾地点の国会議事堂を中心に半径6キロメートルが灰塵と化して政治機能が麻痺し、またゴジラの肉片から発する放射能により各地域が汚染され、死傷者数および行方不明者数約3万人に破壊された家屋が2万戸以上と、ゴジラによって東京は壊滅的な被害」を受けたのに・・・。涙のハッピーエンドなんだけど、不死身過ぎるよなあ。真のゴジラかもしれない。

安藤サクラは小さな声でボソボソしゃべっても、ちゃんと何を言ってるか分かる。流石だ。

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「ザ・クリエイター/創造者」

2023-11-19 21:50:11 | 映画

そりゃ既視感は凄いけど、でも、私はもっと評価されていい映画のような気がする。

ただ、設定がいろいろ甘いから、SF映画としてのカルトムービーにはならないかなあ。

予告編だと、「AI vs 人間」のSF映画だったけど、実際は、「寛容な(ニュー)アジア vs 超巨大国になり過ぎたアメリカ」 の、なんか精神論争みたいな映画だった。

原案・監督・脚本は「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のギャレス・エドワーズ。

今から50年後位の、一応地球(私達が今生きてる地球ではないかも知れないが)。

AIが暴走したからと、やたら目の敵にして撲滅しようとするアメリカ軍はNOMAD(ノマド)という巨大宇宙船(ほとんど大気圏内にいるけど)で、AI搭載の人間型ロボット(この映画ではシミュラントと言う)と共存しているニューアジアの村や町にどんどんミサイルを落とす。ハマスがいるからと病院を破壊するイスラエル状態だ。

あんなに低空飛行で、肉眼でも見えるNOMAD(ノマド)が上空にくるまで、AIサイドはなんで気が付かないんだ?

ニューアジアは、どんな国家体制になっておるんだろう? アメリカに、あんなに攻撃されているのに。ガザ地区状態か。『地獄の黙示録』か。

しかもニューアジアの農村は、今から50年位前の東南アジアだ。高床式住居に貧しくみえるけど幸せそうな家族が生活している。(国家として存在しているなら)日本もニューアジアのグループで、しかも技術面では進化しているのであちこちに日本語が満載。どーせ翻訳機が訳すから、渡辺謙もちょくちょく日本語でしゃべっている。ちょっと『ブレードランナー』っぽい。ただ、ニューアジアに中国色は全くない。

チベットらしい場所では、オレンジの袈裟を着ている人間型ロボット(『チャッピー』型)は並んで正座させられて、アメリカ軍から後方から撃たれて破壊されている。

しかも『ターミネイター』になりかけたロス核爆発事件は、実はアメリカ軍側の入力ミスなんだが、その事実は伏せられたままAI撲滅の理由になっている。アメリカが仕掛けたイラク戦争みたいだ。

で、結局は、当初の原題通り「愛」なんだよ。ジョン・デヴィッド・ワシントン(デンゼル・ワシントンの長男)は奥さんのマヤをずっと思い続け、アンドリュースもシミュラントを本当に愛してしまい、ドリューも軍人としての報告より奥さんへの最期の言葉を伝えようとし。でもなあ、男女間の愛って脆いのに・・・。

NOMAD(ノマド)が破壊されても、ニューアジアが国家としてアメリカと正式に渡り合わないと、アメリカのAI狩りは繰り返されるんではないだろうか。

アルフィー、5年後っていうのがキーだったから5歳の女の子の姿をしていたシミュラントだったけど、クリエイターがいなくなった今、誰が彼女を大人の体にするんだろうか? 近い将来、彼女はレプリカントやスピルバーグの『A.I.』のデイビッドみたいに、「自分は何者か」と悩むんじゃないか。

マヤ、旦那に気が付かれないで、時間的にも設備的にも、よく創造したもんだな。それが最大の謎かも。

いろいろ書いたけど、良い雰囲気のSF映画だった。

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「ドミノ」

2023-11-19 19:43:03 | 映画

ロバート・ロドリゲスが、原案・製作・監督・脚本・撮影・編集してるんだが・・・。

予告編を観ると、ベン・アフレックス主演で、「インセプション」ぽい映像で、真面目なSF映画だ。全然ロドリゲスっぽくない。

主人公がベン・アフレックスかあ・・・。

原題は「Hypnotic」で、形容詞で“催眠術の”、名詞で“催眠状態にある人“”催眠術にかかりやすい人”。

主人公の刑事が、自分と公園で遊んでた娘が突然姿を消して、職に復帰したら娘の行方不明に関係した事件が起こるという出だし。

銀行強盗のシーンは上手でドキドキ。

で、早々に本編でもネタバレするけど、他人の心を操れる超能力者のグループ(元々は政府に所属だけど、暴走。まあ、するわな。)と敵対しながら、娘を探し出す。

他人の心を操れるから何でもできる。一般人を操っといて、ちょっとでも面倒になると、すぐに自殺させてしまう。

次から次へと、ほほう、そう来るかあ。と、思いながら観れるので、飽きないけど。

んん~、これがロドリゲス? と、常に思ってしまう。普通に、クリストファー・ノーランぽい、SF映画として観ればいいのかな。

悪役のウィリアム・フィクナーが、悪役としてとっても分かり易い存在。

だから、エンドロールの途中のどんでん返しもなんか予想できたし。

ちゃんと教育を受けていない子供の超能力が、百戦錬磨の大人に勝てる訳ないじゃん。

可哀想なジャッキー・アール・ヘイリー。子役の頃の人気を、私はリアルタイムで知っている。

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