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医学教育・・・

2014-02-24 12:54:26 | Weblog
 2月になって、大学から5年生が当院に研修に来ています。月曜から金曜のわずか5日間ですが、一人ずつ、交替で来ています。皆、眼を輝かし、積極的で、礼儀正しく、新しいことをちょっとでも覚えようと熱心ですね。
 「将来何科に?」と私が尋ねると、まだ決めていないと言う人が大半ですが・・・?!
 専門医ばかりの弊害をなくす為に、総合医を増やす為にとの趣旨で(?!)、2004年から、卒後臨床研修制度がガラッと変わりました。そして、今年は、10年目の2014年となっています。
 厚労省のホームページを見ると・・・研修先として、臨床研修病院と大学病院、どちらを選んだかというと・・・2003年には、27.5%:72.5%と、圧倒的に大学病院が多かったのですが、2013年には、57.1%:42.9%と逆転し、卒業生の半分にも満たない状態になっています。今後は、少なくとも、大学病院が多くなる傾向にはない様ですが・・・?!
 仕事に就く場合、経済的な為、スキルを磨く為、役に立ちたいから・・・と、いろいろ理由がある訳ですが・・・研修医の多くは、研修先を選ぶ為の一番大きな理由として、「スキルを磨く為」が多いと思われます。となると、症例が多くて、いろんなケースが経験出来る所・・・→今までは、大学やそれに関連する病院だと、それが出来るとの理由で、大学に残る人が多かった感じですが(?)・・・大学以外の研修病院の実態を知って、(大学に籍を置くよりもいいぞって感じになって?!)大学離れがどんどん進んで行ったと思われます。しかし、その結果、思わぬ副作用がありました・・・→大学の医局に頼っていた「地域医療」が大きく影響を受けたのです。
 大学の使命は、「研究・診療・教育」とあります。その中でも、「研究」を一番大切にしています。どんなにいい腕を持っていても、どんなにいい教育が出来ても、いいペーパーを書かないと、評価は低いものです。(現に、私が大学に籍を置いて、医学生に一生懸命に聴打診を手取り足取り一人ずつ病棟で教えている時に、ある教官からはっきりとそう言われましたが・・・)
 「大学病院タブーな裏側」の本の中の「大学病院研修医残酷物語」の内容を見ると・・・卒後の研修の辛さよりも、6年間の学生生活と国試の方が辛いとの内容でした・・・!
 医学性の試験では、出題する教官側の意向で問題内容が全て決められ、客観的な試験内容ではありません。(講義の内容は、総時間数だけ決められているだけで、詳細は、各大学様々です・・・)
 それと全く対照的に、例えば、長女が通った(大学卒業後にカイロプラクターになる為に入学した)アメリカのアトランタにある***大学では、学内の試験問題は、普段の講義をしっかりものしていれば大丈夫みたいで、卒業までに公に行われる4回の国家試験も、同じ様な問題とのことでした。
 日本の場合は、国家試験の為の勉強を別にしないと受かりませんから・・・何せ、教育は文科省、国家試験は、厚労省で、バラバラですから・・・!
 大学での「研究」と言っても・・・日本では、大学で研究に使えるお金は少なく、アチコチからお金を集めないと出来ません。
 世界的な医学専門誌である「ネイチャー」や「ランセット」などの基礎医学誌を見ると、日本人の論文数はわずか4%でしかなく、臨床医学誌で最も有名な「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」では、何と1%でしかありません。

参考図書:
1、医学部の大罪 和田秀樹 ディスカヴァー携帯 平成25年11月発行 1000円
2、大学病院タブーなウラ側 宝島社 平成26年2月18日発行 933円
3、医者の殺されない47の心得 近藤誠 アスコム 平成24年12月発行 1100円

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20140130/1 

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