東京都知事選挙が告示され期日前投票がやられているのに、テレビでの公開討論がやられていない。ある陣営が渋っているからだ。宇都宮さんはすぐどの日程でもOKだと返事しているのに、このまま投開票を迎える異常な選挙になりそうだ。
公開討論を妨害し、逃げ切りを図っているのは小池百合子その人だ。なぜか。ノンフィクション作家・石井妙子さんの『女帝 小池百合子』(文芸春秋)が出版され、注目を集めているからだ。その中には小池氏がカイロ大学を首席で卒業したとずっと言い続けてきたことが嘘だとバッサリやられているからだ。小池氏は「卒業証書も卒業証明書もある」といっているが、あるなら示したらいいのに、絶対しない。いや、できないのだ。
石井さんは、小池さんとカイロ時代に2年間同居していた女性にインタヴューし、かつ、同氏から当時の手帳、日記、手紙などをすべて譲り受けて書いた。第1級の証拠に基づいている。氏は、「(小池氏は)カイロ大学1976年の進級試験に合格できず、従って卒業はしていません」と断言しているのだ。経歴詐欺だ。これではテレビ討論に出るわけにはいかない。火だるまだ。なら、いさぎよく立候補を取りやめるべきだ。ウソと虚飾にまみれた人生にけじめをつけるべきだ。
思い出すことがある。1996年の衆院選で、サッチーとして一世を風靡した野村沙知代さんが、コロンビア大学留学の経歴をひっさげて新進党から立候補した。落選したが、のち繰り上げ当選となる。しかし、コロンビア大学留学は経歴詐称だと告発された。黒川検察とは違って当然受理され捜査されたが、不起訴となった。だがサッチーは当選を辞退した。
小池百合子氏の逃げ得を許してはいけない。経歴の中でも学歴は最重要のひとつだ。それを最大の売りにしてしていたのに、ウソだったとは信用をすべてくつがえす。政治家の中には大学中退という人は多い。中退でもいいじゃないか。政治家でなくても中退した人はごまんといる。卒業資格は取れなかったとしても、その大学に学んだことに値打ちがあるし、人生の味になる。ところが嘘をついて、ひけらかす、人を騙すというのは最低だ。小池氏の経歴詐称を放置してはいけない。
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