山上俊夫・日本と世界あちこち

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大阪都構想、週明けに府・市議会で否決へ。しかし橋下の大芝居が

2014年10月24日 09時44分47秒 | Weblog
 大阪都構想の協定書が大阪府議会、大阪市議会にかけられて審議がすすめられてきた。審議が終了し、月曜日27日に採決される。そこで否決される見通しだ。
 ところが橋下氏は、変なこといいだした。否決される前提で、23日、「ますは方法論を問いたい。住民投票できめるのか、議会で決めるのか」と。住民投票にかけるかどうかを住民投票にはかるというのだ。だが住民投票にもっていく前提は議会での承認が不可欠だ。これは「大都市地域における特別区の設置に関する法律」第6条に明記されたことだ。否決された後で、自分の思い通りにいかないのは我慢がならないから、住民投票にもっていくのに、議会で決めるのがいいのか、住民投票で決めるのがいいのかとだだをこねる。彼はすでに、この住民投票に必要な条例案の検討を関係部局に指示したという。もし住民投票をやるとなると数億円(6億円か)かかる。
 これは法律を無きものにすることだ。そもそも地方の条例で上位にある関係法を否定することが許されるのか。
 橋下氏も熱心な憲法改悪でも、国会の発議に当たっては議院の3分の2の多数が必要だ。それを安倍首相は過半数にしようとして、立憲主義に反すると猛反対を受けてひっこめた。
 橋下氏は、過半数に足りず否決されたものを生き返らすために、別の道をつくろうというのだ。法律無視もはなはだしい。仮に、住民投票をやって、橋下一流の詭弁で議会が妨害しているために住民が決められなくていいんですか、などとあおったとしても、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」は動かない。議会での否決は動かない。あおった住民投票に法的拘束力はない。
 橋下氏が狙うのは、住民投票で議会の決定を否定する意思が示された、だからそれを受けて「専決処分」をするということだろう。むき出しの「専決処分」では違法性があまりにも明白だから。専決は災害などで議会が開けないとき、議員が死亡などで定数に足りないときにだけ認められるもので、大阪ではそうではない。にもかかわらず「専決処分」しか突破の道がないということで、そこに粉飾を凝らすために新たな住民投票を持ち出したのだ。しかし住民投票をやるための条例案は議会を通らないだろう。
 だとすると、むき出しの「専決処分」をするか。それでは悪辣さがあぶりだされる。となると、住民投票と同等かそれ以上の効果を持つ市長選挙をまたやるという策しかない。市長選挙で「専決処分」の同意を得るというねらいだ。
 今年3月にも、市長選挙の手法で(6億円使って)、法定協議会メンバー入れ替えの承認をもらったといい張った。そして市長選挙とは無関係の府議会選出の法定協議会メンバーを入れ替えて維新で独占した。そのメンバーでそそくさとまとめあげたのが協定書だ。
 橋下氏は、大芝居を打って、なんでも自分の思い通りにしようとねらっている。ナポレオン・ボナパルトは国民投票で皇帝の地位に就いた。甥のルイ・ナポレオンも国民投票で皇帝ナポレオン3世となった。「民主主義という名の下における専制君主」だ。詭弁を弄する扇動家にとっては住民投票が独裁への近道だ。
 独裁者の横暴を許してはならない。
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