山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

激戦・堺市長選  だが橋下落日の転回点となることまちがいなし!

2013年09月11日 22時55分45秒 | Weblog
 9月29日投票の大阪・堺市長選挙が注目されている。堺市が大阪都構想に加わるかどうかを決める選挙になるからだ。現市長竹山修身氏と維新前市議・西林克敏氏とのたたかいだ。竹山氏が勝利すれば大阪都構想に大きいダメージとなる。西林氏が勝利したとしても市議会では多数でないので、都構想にすぐ参加とはならないが、ややその方向ということになる。
 堺のホテルは、維新が100室単位で抑えていると友人がいっていた。維新国会議員や市会議員を貼り付けて運動させるためだ。橋下氏も必死だ。ここで橋下敗北となれば、大阪都構想はほぼ頓挫するだろう。1年後に予定される、大阪市の住民投票でも維新は負けるだろう。
 だから、維新のタウンミーティングでも橋下市は力が入りすぎ、候補者の西林氏に5分しかしゃべらさず、あとすべて自分がしゃべりまくるという状況だ。こんなやり方が、かつて上り調子の時はうけたかもしれないが、下り坂の今は逆効果だ。市長候補と言っても、橋下氏の操り人形でしかないことを天下にさらすだけだ。くわえて、血迷ってきた橋下氏。ここのところ、力を入れるのは反共攻撃ばかりらしい。曰く「竹山さんが当選したら共産党の市長誕生。これは絶対許せない」「共産党の市長を誕生させるかどうか。この一点で、堺市民のみなさんに賢明な判断をしていただきたい」。竹山氏が共産党候補でないことは周知の事実。共産党は自主的支援で、両者は是是非非の関係だ。それを知ったうえで、竹山を通したら、共産党になって怖いぞという、古い手法をとる橋下氏。相当追い込まれている証拠だ。最大の争点は、堺が大阪都に参加するかどうかのはずだ。ところが、共産党になっていいのかと、争点をそらそうとしている。大阪都の魅力を訴えて盛り上げていかなければならないのに、選挙戦がはじまるまえから、そこから逃げているのだ。これでは負けたも同然だ。反共攻撃で勝てると考える橋下氏、相当頭が古い。大阪都構想には語るべき魅力がないことの裏返しでもある。
 『読売新聞』9月9日の世論調査が面白い。大阪都構想について、「府市が統合再編すべきだ」と賛意を示したのが、府民で52%、その理由(2つまで)は「府と市の二重行政の解消につながる」(78%)「大阪地域の発展につながる」(37%)「大阪のトップは1人でいい」(24%)だ。一方、「統合再編の必要はない」と反対した人は39%で、理由(2つまで)は「住民サービスの低下につながる」(45%)「住民参加の自治が衰退する」(34%)「橋下大阪市長が推進する構想だから」(33%)だ。前回調査(2012・6)では「どちらかといえば」を含む賛成が61%、「どちらかといえば」を含む反対が28%だった。10ポイント前後の変化が生じている。
 調査では、大阪都構想に堺市を含めることに否定的回答が大阪府民で63%、堺市民で60%に達していることが注目される。
 また、橋下支持率は、府内で58%とまだ高い率をもっているが、前回調査(2012・6)より14ポイントも低下している。支持理由(2つまで)は「指導力がある」(43%)「発信力がある」(38%)だ。一方、「支持しない」は32%で、前回より12ポイント増えている。理由は、「独裁的だ」(52%)「発言に問題がある」(45%)となっている。
  『読売』調査はこの1年の府民世論の着実な変化を示している。だが、数か月前に調査した『朝日』のときにも書いたが、橋下政治を身近に体験している大阪市民の枠で集計発表していないのが不満だ。堺市民で集計できるのだから、大阪市民でもできるはずだ。なぜしないのか。大阪のマスコミはまだまだ橋下の力の亡霊におびえている。また橋下にこびへつらう習性から抜け出していない。
 竹山氏がいうとおり、大阪府と堺市の間に二重行政は存在しないから100歩ゆずっても堺市を解体する理由はない。逆に大阪都にくみこまれれば、堺の市税収入の4分の1が都に吸い上げられる。その分、市民サービスは確実に低下する。この批判に維新は、都の行政でカバーされるというが、維新は、堺市が加わらなければ、カジノ構想に堺は入れてもらえず堺ののぞくベイエリアでカジノをやることになり、堺は取り残された町になると批判した。力のない批判だ。都は産業基盤整備などをやるとしており、地下鉄堺筋線(大阪市内)や高速道路淀川左岸線などがあがっている。くわえてカジノ賭博場。いずれにしろ堺市には関係ないし、財政が吸い上げられるだけの結果になることは、やるまえからはっきりしている。
 だから、まず、堺市に限っては、議論すればするほど、大阪都はとんでもない毒まんじゅうだということがわかってくる。大阪市でもすでに橋下のもとでやられているのだが、市民サービスの大幅切り下げが大阪都の結果だということだ。選挙戦をつうじて議論が活発になれば、堺市民は、都構想の、そして橋下政治の毒をはっきり認識するだろう。
コメント (3)
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