山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

人権意識の欠如が体罰を横行させる

2013年01月10日 16時34分05秒 | Weblog
 桜宮高校の体罰は、自殺前日に複数回たたいたという顧問の答えとは異なり、生徒本人が母親に「今日もかなり殴られた。30~40発くらい」と告げたように、きわめて悪質だ。暴行傷害だ。
 しかもその前年にも、バレー部の顧問が倉庫や更衣室で約250回体罰を加えたことで停職3か月の懲戒処分を受けていた。にもかかわらず同じことが常態化していたのだから深刻だ。人権意識がなかったといっていい。問題が教職員全体で共有されなかったといっていいだろう。
 体罰はしないと決意すればできる。わたしは、1997年4月、北野高校定時制に転勤した。始業式で生活指導部長の先生が生徒に対して、「本校では先生は体罰はしない、生徒間のもめごとでの暴力も絶対認めない」と宣言した。わたしはその教育姿勢に感銘をうけた。学校として生徒に宣言したのだから、全教員がそれを守らなければならない。あくまで言葉をつうじて指導すると決意したのだ。言葉が、気持ちがつうじないこともある。それでも言葉をつうじて指導すると決意したのだ。
 桜宮高校でも他の高校でも、全校生徒を前にして、体罰はしないと宣言すればいい。そうすれば体罰問題は解決する。処分されない程度にすればいいという抜け道も塞ぐことができる。そのためには職員会議で真剣な議論がなされなければならない。

 『毎日新聞』(1・9)は橋下市長の発言を以下のように伝えた。
 橋下市長は、自殺をまねいた背景として「子どものSOSをきっちり受け止めるチャンネルが整備されていない」と指摘。一方で、「僕が8子どもに)手をあげることもある。親がそうだから学校現場でも(体罰は)ある。そうなったときに事後フォローをどうしないといけないのかだ」と話し、体罰が存在するとの前提をもとに、体罰が起きた後の生徒への対処方法が重要との認識を示した。
 また、いじめや体罰などの問題が起きた際に、市長が教育委員会に指揮命令を出せるような条例案を検討するよう指示したことも明らかにした。

 二つ問題がある。橋下氏はあいかわらず体罰容認だということ。事後のフォローが大事というのはいままでいわれてきたことだ。だがそれでは問題はなくならない。もうひとつは、市長が教育委員会を指揮命令する条例をつくるというのは、日本の法体系を否定するものだ。
コメント (1)
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