山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

気に入った短歌

2011年11月19日 09時42分32秒 | Weblog
 昨日(2011・11・18)、退職教職員の会の短歌集第10集をもらった。
 中川義邦さんの「敗戦に至る十年間の記憶より」と題する歌からいくつか。中川さんはもう80代後半だ。
  いもーとのみおらびて車引きて来し朝鮮人の男ありしが
  
  六間の道に広がり何ならむアリラン歌ひ踊り行きしは

  はじめての爆撃は神戸に重き地響き伝はる

  艦載機乱舞のあとに遅れ来し列車の車内は血にまみれたり

  座にありし小母さんはリアリストにて戦は負けるといひてゆづらず

  憲兵の指示に逃げこみし公園に落つ1トン爆弾

  泣きながら敗戦を告げくれしかどただただわれは嬉しかりけり

 松田晧平さんの「原発・日韓・雑詠」から
  豪雨つき忘憂里の山に浅川の碑を見てうれし傘さしかける

  伊藤らが野砲で囲み押し付けた逸し乙巳条約この机上でか

  窓閉めて日本大使よ聞こえるかオモニの集い942回

 高橋貞雄さんの「黄金バット」から
  紙芝居の十円もらえず電柱の陰より覗いた黄金バット

  「弱いことも人間の価値」と子どもらに語って終えた僕の教職

  アドルフは今も生きたり大阪の教師を窒息させんとしたり


 戦争詠、朝鮮にかかわる歌がやはり目に留まる。朝日歌壇でも、生前の近藤芳美さんの選が好みだった。高橋さんの「弱いことも人間の価値」という言葉は、今の時代にこそ必要だ。
 大阪の指揮官は一人でいい、教育は2万%強制、選挙で当選したものの考えが民意というアドルフ・ヒトラーが大阪を席巻している。
コメント
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