山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

韓国日記(6) 韓国土産、ビール禁止の店

2009年11月16日 01時38分42秒 | Weblog
 11月2日(月)午後。記録保存所での用事を終えたあとの日記がない。記憶をよみがえらせて韓国日記の続きを書こう。
 政府記録保存所(国立公文書館)をでて駅までぶらぶら歩くと、銀杏並木がきれいだった。日本で人気の銀杏並木だ。日本にいると勘違いしそうだ。地下鉄政府庁舎駅で昼食。中華の店だった。
 この日は、デジョンからそのままソウルに戻った。新幹線を降りて、駅前へ出るとやけに寒い。あっ!ダウンのジャケットがない!しまった。電車にわすれた。居眠りして、リュックは抱えていたのだが、ダウンはひざから滑り落ちたのだ。駅に着いて、あわてておりるとき足元に落としたのを気付かずに降りてしまった。
 ボケがすすんでいる。でもしょうがない。安物の随分古いものだからもういいだろう。日本ならば駅に連絡して次の日、何処そこの保管所へ取りに行くというところだが。
 夕方の寒風はこたえる。ソウル駅の扉をでてすぐの、まだ敷地内にいくつも並んでいた衣類の露店でおばさんがすすめてくれたマフラーを買った。45000ウオンだった。かっこよく首に巻いてもらった。その巻き方はもうわからなくなったが。
 駅と地続きのスーパー・ロッテマートにはいった。とても広い。肉は日本のような霜降りではない。私がよく行く大阪市立中央図書館の横のスーパー・コーヨーは薄切りも焼肉用もほとんどが霜降りだ。でもそれが本来の姿ではないことがよくわかる。キムチのコーナーは鶴橋、御幸通りと同じだ。種類豊富。ワタリガニのキムチもある。がまんがまん。
 野菜はといえば、綺麗に洗ってそろえたものもあれば、泥つきヒゲつきの人参、不ぞろいの大束の菜っ葉といろいろだ。その場でメモして歩くのも失礼かと思い、これは記憶しておこうと思ったことはたくさんあるのだが、思いだせない。でも特徴的な野菜としては、大根が、日本での主流の大根のように、先が細くなっておらず、いきなり丸いお尻のまま尻尾もなく終わってしまう。いうならば、ナスビの形の大根だ。石川県で太くて短い、げんすけ大根というのがあったが、それに近いか。御幸通りのコリアタウンではチョンガ大根と書いていた。青首だ。キムチに適しているのだろう。あれっと思ったことはいくつもあったが、忘れてしまった。
 魚は、日本ほど執着しないようだ。イシモチとかタラは民族の好みの魚だと思うが、鯖や、さんま、いわし、イカなどもあった。どれも近海でとれたもののようだった。刺身の盛り合わせもあった。だが、マグロ中心の日本とは風景が異なる。レストランで刺身、さらに活け魚の料理をだす店は、「日式」と大書きしているから、韓国と日本の食習慣はあきらかにずれがある。
 さらに回っていると、ラーメンのコーナーがある。種類豊富だ。袋入りからカップめん、激辛を予想させるもの、あっさり牛肉スープなど食欲をそそる。土産に買う人もあるようだが、かさばるのでダメだ。
 海苔のコーナーは日本人とおぼしき人がいっぱいだ。色んな種類、値段もさまざま。比較していくとたくさん入ってそうなもの、安そうなものへと流れていく。でも、海苔はあまり安いと、すけるほど薄いもの、塩がきつく、油もしつこいものがあるので要注意だ。日本人客は土産用にたくさん買う。あまり安いのもよくないな、どれにしようかと値段の高い海苔の前で思案していると、店員さんがこれが一番美味しいですよといってくれたのが、手にとっていたものだった。それを5パックも買った。1980ウオン×5個=14900ウオン。これがバッグとリュックをパンパンにする結果になった。二日目に土産を買うとは思ってもいなかったのだが、スーパーに出向くこともないかもしれないと思い、ホテルも連泊なので思い切って買った。懐かしいロッテガーナチョコも10個買った。8000ウオン。安い土産だ。あと日本より安いなあと思って、コチュジャンと中華の豆板醤・オイスターソースを買った。わざわざここで買わなくてもということはわかっていたが。つい。しめて、35370ウオン。3000円弱だ。
 沢山買ってどうやって持ち帰るのか、日本人女性客に聞いてみると、これがびっくり。韓国に来るときは大きいスーツケースの中がほぼ空で、そこにぎっしり詰めて帰るというのだ。なるほど、かしこい!。おぬし、やるなあ。私は、結婚した娘が保管場所としてわが家に押し付けている大きいスーツケースをみて、こんな大きいのはあかんと思い、3泊分の着替えと必要な書類が入ればいいと小さなバッグにした。買い物ツアーという発想が全くないので、思いつかなかった。先の女性は、各種食材をいっぱい買って、ぎっしり詰めて帰るのだそうな。
 マッポのホテルへ戻った。夕食はホテル裏の飲食街へ。小さい店に入った。ここは写真入りのメニューがあったので分かりやすい。キムチチゲをたのんだ。店員が辛いよという表情をしたが、いい、いいとうなずいて答えた。でも半端じゃなかった。韓国流儀で定食セットとして白菜キムチ、大根キムチ、寒天、薄いすり身の天ぷらの炒め物がついて、ご飯、小さいなべにぐつぐつと沸騰して出てきたキムチチゲ、さらにたくあんだ。このたくあん、日本のように2切れではない。いっぱいだ。あっ、ビールビール。ビールを!注文したが女店主は首を横に振り、手で×印をするではないか!ああ、なんということだ。一巻の終わり。日本なら、まずお飲み物は?とくるのに。禁酒か、この店は。酒がいちばん儲けが大きいのに。
 しかたがない、食べよう。キムチ、そしてご飯。まだぐつぐついっているチゲのキムチをはしでつまんでふーふーいいながらたべる。やがて頭からタラーリ、タラタラっと汗が流れはじめる。白菜キムチの皿が空になったら追加してくれた。チゲの豆腐も食べる。また汗が流れる。食べ終わるまで止まらなかった。他の客は別のものを食べている。ビールがないのは変ではないらしい。注文もしない。汗をふきつつ、お金を払ったが、たった4000ウオン。330円。
 店を出て、今日はコンビニではなく、おじさんが一人でやっている小さな食品雑貨の店に入った。屋台や道端の露店も元気に商売をしている韓国にあっても、敬遠されそうなお店を応援しようと思い入った。色んなものが通路1本の狭い店内に雑然と並べられている。通路というほどのものではない。2・5メートルで行き止まりだ。350㍉ℓの缶ビールとネットに3個入ったゆで卵、カップラーメンを買った。4800ウオン。
 ホテルに帰って、プシュッといい音をたてて缶をあけた。これがないとおさまらない。ゆで卵をひとつむいた。なんと、身が殻より随分小さくなっている。これは年季の入ったゆで卵だな!煙を使わずに燻製したようないい色をしている。噛みごたえもいい。なかなかのものだ。ビールがうまい。いや、赤ワインの方が合うなあ。ワインに無煙燻製玉子。1個たべて、あと2個は持ち帰った。もうひとつという気は起きなかった。
 この日もビールとワインを飲み、満足して眠りについた。ベッドで日記を書こうと思いつつ寝てしまった。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする