無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

自給率

2008-05-12 14:09:12 | 食べ物
地方の道の駅で、産直のコーナーにある水煮のネマガリダケやゼンマイが、中国産だった事にはもう驚きもせず、袋の裏を読む癖がついてしまった。山菜や採りたての野菜も、「誰さんの畑からです。」と、名前が付いている物を選ぶようになった。田舎にいる特権で、産直の物が買えたり、山菜や魚を貰えることに喜びを感じている。

正直言うと、現在の我々はどうあがいても自給率100%の生活は出来ない。国民食と言われるカレーでも、その香辛料の多くは外国産だ。島国だから当たり前だと思っている魚介類の多くも、ロシア、カナダ、チリ産と国際色豊かだ。日本海の湊町酒田では地物の魚は結構高いが、それでも買える。辺りを見渡せば庄内米を育む平野に囲まれている。ここで生涯を過ごそうとすると、他の土地よりも治産地消で賄える環境にある。それでも農家の行く末は、決して楽観的ではない。農家の方々の高齢化に後継者の不足、聞く所によると田んぼの3枚に1枚は減反の目に遭っていると言う。

昨日のBS1の番組に、酒田の平田牧場の新田社長が出られていた。平田牧場では、三元豚を始めとして、庄内豚の生産を多く手掛けている。庄内は豚肉の歴史があり、先代の会長はたった2匹の豚を飼う事から現在の平田牧場を大きく成長させた。なるべく安い飼料を使いたいと中国に産地を求め、酒田港から中国の黒竜江省へ繋がる海上シルクロードを確立させた。その平田牧場が、中国の穀物や飼料の高騰を受け、なるべく地元で飼料を調達出来ないかと考え、休耕田に飼料用の米を植える事を提案した。勿論、飼料用だから普通の米に対しては買い付けは安い。しかし一度稲作を放棄した田んぼ復活させる難しさや、畑や大豆を植えてもなかなかうまく行かない事を考えると、思い切って飼料用でも稲作にするメリットはあるのかも知れない。またトウモロコシで育った豚より、米で育った豚は、白肉(脂身)が甘くサラッとして、なかなか美味しいのだそうだ。

将来の食糧を考えると、ベジタリアンであれば、最も多くの人に食料を分配出来るのだという。鳥であれ豚であれ、草や飼料が必要になり、コストが掛かる。牛肉はその最たるものなのだそうだ。我々がこれからなすべき事は何なのか。取り敢えず、少しづつ生活を変えて行かなければならない。
コメント (15)
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