湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

「直江津集合!2009」 長い前置きと笹子峠

2009年09月02日 | MTB
 走り出す4日前、月曜日あたりまでは今年もロードで走るつもりでした。まだ一度も使っていなかったキャラダイスのサドルバッグとキャリアをとりつけ、少し重めの余計な荷物を入れて2往復自転車通勤して走り心地を確認してみたりと、珍しくそんなことをしてみたりもしていました。なのにどうしてMTBで走ることになったか。いろいろ理由はあるのですが、結局のところ一番の理由は魅力的と思えるコースがどうしても考えつかなかったからだと思います。

 渋峠は今年も越えるつもりでした。しかしそこまでのアプローチに頭を悩ませました。渋川あたりまでのあのうんざりするような関東平野の移動を今年は避けたかったのです。

 そんなわけで、地図を見ながら、あるいはいくつかのサイトを参考にしながら退屈にならないようないくつかのコースを検討したのですが、やはりどうしても気持ちが乗ってきません。交通量の少ない、走りごたえのありそうなコースにすることはできる。ただ、僕が検討したそうしたコースだと、「日本海を目指す!」というコンセプトを考えるとあちこちふらふらという感じでどうしても気分がすっきりしないのです。太平洋から日本海を目指すのであれば、やはりなるべくすっきりとシンプルなコースを走りたい。そんなことを考えながら思いついたのが、MTBで大弛峠を越えて日本海を目指すコースでした。

 大弛峠を自走で越えるなんて去年までは考えられなかったけれども、サポートカーに大きな荷物を運んでもらって身軽だったとはいえ、去年の轍屋の夏合宿で大弛峠まで走れることはわかりました。ひじょーに厳しかったけれども、なんとか走れることは一応わかりました。よし、ではそのあとのコースは?と考えてみると、川上村からまだ走ったことのない馬越峠を越えて、しばらく小海線に沿って北上すると小諸に出る。おぉ、小諸に出るなら車坂峠があるではないか!車坂峠の群馬側はまだダートだったはずだし、峠から湯ノ丸高峰林道を少し走れば大弛峠と渋峠同様に2000mを越える池の平までもやはりダートで行ける。せっかくMTBで日本海を目指すのにダートが大弛峠だけでは寂しいような気もしたけれども、ここも走ればMTBで走る価値は充分ありそうだ。さらに車坂峠を群馬側に下れば草津への上り口へもすぐだ!

 と地図を見ていたら、珍しくだんだん興奮してきました。日本海までのあいだに2000mを越える峠を3つも越えるというのもなんともチャレンジしがいがあって良さそうです。コースも僕的な感覚ではシンプルで申し分がありません。そしてこのコースであれば、この夏モチベーションがなかなかあがらずになかなか遠出できなかった、なかなか走れなかった分を帳消しに出来るんじゃないかと思いました。。。

 ただこんなきついコースを走れるだろうか、それもMTBで・・・とももちろん悩みました。もともと今年は一気に日本海を目指すつもりはなく、金土と2日使って走るつもりではあったのですが、それでも走りきれるかどうかはかなり不安でした。なにせ、ここしばらく全然長い距離走ってなかったですし、大きな峠も越えてませんでしたので。ただあれこれ悩みはしましたが、結局はMTBで出動することに決めました。完走できなかったとしても、チャレンジしなかったら後悔するだろうことは自分の性格的に目に見えていたので(と言うほどのたいそうなコースではない気もしますが)。それに久し振りにやる気になっているのです。最近はこんな風にコース考えながら興奮するなんてことなかったんだから、だったらやっぱりMTBで行くしかないだろうと思ったのです。 



 鎌倉の滑川交差点を出発したのは、21日金曜日の0時。今年はナイトランはするつもりはなかったのですが、遅い出発だと僕の足では明るいうちに大弛峠越えられませんから。

 鎌倉からは相模川までR134を走り、相模川を越えてからはR129で橋本まで。そして橋本からR413経由でR20(甲州街道)へというのが今年の塩山までのコース。去年は半原を通るコースで走って、かなりアップダウンに苦しめられたのでその教訓を生かしてイージーと思えるコースにしました。

 R134は追い風に助けられて快調に走ることができました。こんな感じならMTBでも問題ないなと勘違いをしながらペダルをまわしていたことにこのときはまだ気づいていません。 



 小腹がすいて橋本の手前の吉野家に入り、眠気に耐えかねて2度の短い仮眠をとって、4時少し前に相模湖を通過したところで夜が明けてきたこの頃は、MTBで走り出したことを思い切り後悔していました。なかなか思うように進まず、にもかかわらず体力だけはしっかり消耗していくので。そしてポジションをあまり変えられないせいで、しっかり身体にストレスがたまりはじめていたので。



 笹子越えは葛藤しつつ、笹子トンネルではなく笹子峠で。先を急いでおきたいところでしたが、去年のように道路の崩壊などで通行止めになっているならばともかく、そうでないのにツーリング派の自分があの長い、旅情の感じられないトンネルを通るわけにはいかないだろうなんて思ったり思わなかったり。峠への道路が補修されずに、通行止めのままだったら良かったのになんて思ったり思わなかったりしながら・・・

 でも結果的には峠のほうを選んで正解でした。やっぱり僕はこういう車の少ない道のほうが楽しく走れるので。そして楽しく走れれば、疲れも少しは忘れることができるので。それに実は僕は笹子峠を越えるのははじめてなのです。笹子峠はやっぱり一度は走ってみたいところでしたので葛藤に負けずに良かったと思いました(笑)

 笹子峠には7時40分着。ここまで122km。良いペースとは言いがたいですが、まだ先は長いですし焦るのはやめておきましょう・・・



 笹子峠からは塩山まで気持ちの良いダウンヒル。そして塩山からはいよいよ大弛峠越えです。