湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝100kmの感想

2009年09月23日 | MTB
 報告遅くなりましたが、王滝100kmを走って来ました!

 まず結果から言うと、手元の時計で6時間41分で完走です(リザルト見ずに帰ったので順位などはわからず)。この王滝100kmは僕にとってのMTB初レース。そのMTB初レースで、聞きしに勝る、何が起きても不思議ではない(と実際に思えた)ハードコースを完走できたのは素直に嬉しいのですが、突きつけられた課題も多く、正直今は悔しい気持ちでいっぱいだったりします。ただその悔しさは決して後ろ向きな後悔ではなく、今回自分で感じたいくつかの課題や欠点を克服して、次はもっと良いタイムで走りきってやる~、もっとうまく走りきってやる~と思えるような悔しさだったりします。僕はもともとそんなにレース志向が強くないので、実は王滝も1回体験できればいいかなと思っていたのですが、今は「来年は春に100kmのリベンジを、そして秋には120kmも体験してみよう」なんて気持ちになっています。おいおい、そんなことを言ってしまっていいのかよ?とも思いますのが、言うのはただですし、言ったからといってそうしなきゃいけないというわけじゃないので言ってしまいますけど(と一応保険をかけておく)、今はそんな気持ちになっております。

 詳細なレポートは省かせてもらいますが、とにかく今回一番つらかったのは大きな上りを二つ越えた35km地点にある第一CPの少し手前からひどくなりはじめた腰の痛みでした。腰の痛みには6月に出場したMt.富士ヒルクライムのときも悩まされたのですが、そのときは苦手なダンシングの頻度を増やしてなんとかやり過ごしました。でも今回は、時間にしてMt.富士ヒルクライムの5倍以上の長丁場だったわけですし、さらにダンシングをすると後輪が空転することも多く、大きく姿勢をかえて腰の痛みを一時的に軽減させたりといったことができませんでした。そんなわけで途中からは、足や心臓には余裕がある場面でも、何度も足をついてストレッチをする機会をつくらなねばなりませんでした。MTBの場合、一度腰を痛めるとダウンヒルのフォームでもかなり腰に来てしまうようで、下りにおいても何度かストップしてストレッチをしないといけなかったですし、上りでも思うようなペダリングができなかったりして、とても悔しい気持ちになりました。そして集中力が途切れ、後半はかなり走りも気持ちもたれてしまいました。もちろんこういったことも含めたすべてが自分の実力の反映なのですが、正直ここまで腰が痛くなるなんて事前には予測できませんでした。
 フォームやポジション、走り方なんかは、自分で走りやすいようにあれこれ調整しながら今のところに落ち着いたわけですが、根本から見直しが必要なのかもしれません。たまに乗ると背筋が直立しているように感じるランドナーでは、あくまで若い頃の話ですが、長い時間負荷をしっかりかけて乗っても腰痛は発生しませんでしたので、もしかしたらランドナーのゆったりポジションにヒントがあるのかも?なんて思ったりも。この腰痛防止はかなり難しい課題だと思うんですが、本当に次回も出るのであれば、何とかしないとどうしようもないですね。正直あんな腰の痛みに耐えながら走るなんてもう2度としたくありません(と忘れないために書いておきます)。

 それから二番目にきつかったのは、スタート地点へのパレードラン?ですでにその兆候が見えはじめた足攣りというか痙攣というか、足攣り一歩手前の状況が70km地点くらいまで断続的に続いたことです。これは朝方かなり冷え込んだにもかかわらず、アップもせず、またオイルを塗ったりもせず、いきなり高い心拍で走ってしまったからではないかと素人ながらに推測しています。最初に両ふくらはぎがピクピクしはじめ、次に両すね、そして両前腿、そして両腿の後、それから最後には左だけですが腿の内側も攣りそうになりました。おかげで最初の頃は腰の痛みを感じても、足をついた時点で本当に足が攣ってしまうだろうなと思って、なかなかストレッチが出来ませんでした。この足攣り一歩手前の状態は腰の痛みほどは深刻ではありませんでしたが、もちろんペダリングは騙し騙しといった感じになってしまいますので、次回はこんなことが起こらないように対策を練らないといけないなと思いました。これまでの参加者の方のブログを読んで、オイルの使用は考えたりもしたのですが、どうも本格的過ぎる気がして結局購入しませんでした(お金がもったいない気がしたという理由も大きい)。でもやっぱり用意しておけば良かったです。あとはアップほとんどしてないのに、最初から頑張り過ぎたのがやっぱり一番良くなかったですね。ペース配分的にもかなり問題ありましたし、反省しきりです。

 さて3番目の課題は、下りのテクニックの向上です。えぇ、もうとにかくバンバン下りで抜かれました。今回はとくに第一CP後は上りも全然駄目でしたので、上りでもたくさん抜かれ、さらに下りでもかなりの人に抜かれていくといった非常に悲しい状況でした。抜かれはしたものの、「この人もそんなに下りは得意ではないかもしれないな」と思った人の背中が、カーブを曲がったあとの少し長い直線ですでに見えなくなっているときの悲しい気持ち。こういうのが何度も続くと、やっぱりちょっと凹みますよね。
 もっとも、これは基本的なテクニック以外にタイヤの空気圧の問題もあった気がします。空気圧は低めの方が良いとは頭ではわかっていたのですが、ガレガレの路面だったらある程度高めじゃないとリム打ちパンクのリスクが大きくなるような気がして、結局3気圧強で走ったのですが失敗でしたね。第3CPへの下りで腰のストレッチをしたときに、ようやく空気圧を少し下げて、それでそのあとはずいぶん楽に感じられるようになったので最初からもう少し低い空気圧で走るべきでした。まぁ、これは事前に王滝に似たような路面の場所で練習したりしなかった自分が明らかに悪いのですが。。。
 ただやはり基本的なテクニックも足りないので、近場の里山のようなところばかりでなく、荒れた地道での練習の必要性を強く感じました。決して得意ではありませんが、そういうところを走るのはロードで舗装路を走るより基本的に好きですから、ロードよりも楽しく練習はできると思います。近場になかなかそういう場所がないのが残念ですが、ダートの林道ツーリングの機会を少し増やして、荒れた地道を速く下れるようになりたいです。

 とまぁ、課題や反省の多い王滝100kmでしたが、これはもう本当に走りがいのあるすごい大会だと思いました。何がすごいって、まぁきつさがすごいのは当たり前なのですが、とにかくコースが魅力的なのです。今回は雲ひとつない快晴だったということもありますが、日本にこんなところがあったのか!と思うような圧倒的なスケールの風景のなかを走るのです。今回僕は、一応レースなわけだし、自分の力の全てを出し切ってみたいとも思っていたのでカメラは持っていかなかったのですが、足をついてストレッチをするたびに「こんなに足をついてとまるのであればカメラを持ってくれば良かった」と本当に後悔しました。どうせ圏外だろうと携帯すら宿に置いてきてしまっていたので、あのすごい景色の写真を1枚も撮れなかったのがとても悔しいです。じゃ、来年カメラを持って走るか?と訊かれたら、人がどうこうではなく、自分が納得できる走りができるまではカメラは持って行きませんとこたえますが、いやぁあの景色は本当に素晴らしかったです。レースではなく、ツーリングで走ったらどんなに楽しいだろうと思います。あ、レースもきつく苦しかったとはいえ、やっぱりものすごく楽しかったんですが。

 こんなことを書くと格好悪いですが、ゴールした時点でまだもう少し足は残っているなという感じでした(にかもわわらず、それが出し切れなかったのはもちろんそれが自分の実力だからです)。でもだからとても悔しかったです。僕は多分人との勝ち負けについては結構淡白なほうだと思います。一応自転車歴だけは結構長いですので、自分の体力的な資質についてはある程度わかちゃってる部分もあるので。だから6月に出たMt.富士ヒルクライムや3月と4月に走った修善寺でのレースでは、たいした結果が出たわけでもないにもかかわらず、全然悔しくありませんでしたし、むしろ自分にしては出来過ぎな気がして、結構満足してしまったりもしていました。でもそれが今回はとにかく走り終えた直後からふつふつと悔しさがこみあげてきました。そしてその悔しさが不思議なことに嬉しい悔しさというか、前向きな悔しさなのです。

 というわけで、冒頭で述べたとおり、今の時点では来年も王滝出るぞ!という気持ちでいっぱいです。過酷なレースではあるけれども、もう少しきちんと準備して、今回と同じような天候であれば来年は6時間15分くらいを目標に走りたいと思っています。 

 と、こんなふうに思えるということは、今回いろいろと苦しんだおかげですね。もしこういった課題を突きつけられることなく、6時間30分を切るくらいのタイムで走っていたら(一応今回の目標は7時間でしたが)、今回で満足してしまって「来年も走ろう!」という気はおきなかったかもしれません。そう考えると、今回はこれはこれで良かったのかもしれませんね。

 ところで、パンクや転倒続出といわれる王滝ですが、幸いにして僕はパンクはありませんでした。転倒は砂利の深い右カーブの場所で1回ありましたが、全然スピード出ていなかったので自転車も体もほぼ無傷でした。転んだときは左肘に石があたって「痛っ!」って思いましたけど、別にどうということはありませんでした。

 それから燃費の悪い僕にとって、補給は結構心配の種だったのですが、前日から当日の朝にかけてかなり必死に炭水化物を詰め込んだおかげで、下のほうの写真にあるものでは多いくらいでした。パワーバーは結局2本とも残り、ミニ羊羹も食べたのは1つだけ。1本満足バーも1本余ったし、焼き梅には結局手をつけず。それからCCDドリンクも1袋余りました。ただ自分的はやはりこれくらいの量は持っていないと心配なので、来年もこの程度は用意しようと思います。あ、あと今回はじめて僕はハイドレーションバッグを使ってみたのですが、使い方がよくわからなくて、いまいちうまく水分補給ができませんでした。エネルギージェル入りのボトルで水分は補給できたのですが、あまりに準備不足だったかなとこれはかなりの反省。当日ぶっつけで使うなんて駄目すぎますね。

 なんか気づいたらかなり文章が長くなっていますが、来年は本当にもっと頑張りたいものです。そして、自分なりに満足のできる走りをして、再来年はタイムとか関係なく、ゆっくり景色を見ながらツーリング気分で走れたらなぁなんてちょっぴり妄想しております。