湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

延滞

2007年04月21日 | 日常生活
 図書館で借りた本2冊、久々の延滞。ごめんなさい。

 どちらも一応最後まで読みはしたのだけれども、それぞれある章を是非もう一度!なんて思っていたらいつの間にか返却期限が過ぎてしまっていました。他の利用者もいるわけだから、そして立場がかわれば自分も他の利用者のひとりなわけだから、普段は極力期間内に返却することにしてるのだけど・・・。反省です。

 日曜には返却しよう!と思ってこの晩読んでいたのが下の写真の左の2冊。1冊は話題?の『自転車依存症』。この著者の本を読むのは、『素晴らしき自転車の旅』と『スローサイクリング』に続いて3冊目。これまでの2冊はどちらもそれなりに楽しく最後まで読みはしたものの、なんとなく著者の生真面目さや気取りや構えた感じが気になってしまったところがあった。だけれども今回の『自転車依存症』は、そんな生真面目で気取った著者が、そうした自分の殻を破るために景気づけに酒でもかっくらったのでは?と思えるくらいやけくそ気味に、でも生真面目に饒舌になっていて(著者の言うところの出力過剰)、それがまず僕には面白かった。内容的にも旧車趣味的なものばかりだけでなく、しっかり“走る自転車乗り”のことにも触れられていたことに僕なんかはちょっぴり安心したりもした。
 
 ところで、この本のなかで自転車愛好者は車やカメラや鉄道も好きなことが多いと書かれていたけれども、これにはちょっと同意しかねる。そういう人ももちろんいるだろうけれども、僕は違う。鉄道模型の世界なんて全然知らないし、「おクルマは何ですか」って訊かれたって、持ってないし。
 それからどこかの章で、自転車乗りの奥方に向けて、自転車に乗ってくると言って家を出て、どこかで別のものに乗っているのでは?と不安になったりするかもしれないけれども、そんな心配は無用である、自転車乗りはひとたび自転車にまたがってしまえば浮気相手なんかよりも自転車を愛するから、といったことが書かれていたけれども、これもいかがなものかと。両方楽しんでしまうという人だって絶対にいるはずだ。いや、多分・・・。

 えーと、もう1冊のほうは伊坂幸太郎の『終末のフール』。これまで読んだ伊坂幸太郎の本のなかではエンターテイメント色のかなり薄い内容。だけれども、心に残るものはしっかりある。この本のなかで僕が返却前にもう一度読んでおきたいと思ったのは、一読目でおそらくこれは武田幸三(キックボクサー)がモデルになっているのだろうなと思った『鋼鉄のウール』という作品。最後まで読み終えてあとがきを読んだら、やはり別の作品の取材で訪ねた武田幸三に影響を受けてとあった。『鋼鉄のウール』は作品としてもとても面白かったのだけれども、格闘技好きな僕からすると、伊坂幸太郎が武田幸三という格闘家に何を感じたか?というところがとても興味深かった。それはおそらく僕にとっても共感できるような種類のものだったような気がする。ある種の格闘家や武道家には、確かにここで書かれているようなことを感じさせるオーラがあると僕も思う。それがいつまでも失われない本物なのかどうかは別にして。
 この作品が面白かったので、「別の作品」のほうも読みたいと思ったのだけれども、結局武田幸三の取材はこの『鋼鉄のウール』に生かされてしまって、別の作品では武田幸三はモデルにならなかったよう。う~ん、残念。読みたかったなぁ。

 それからこの晩は、この2冊以外に、以前ちゃり猫さんにコメントをもらった『イタリアの自転車工房』をようやく購入したのでぺらぺらめくっていた。で、これすごく面白いです。この本が出版されたのはいまより海外のレースシーンが遠かった1994年。その頃にこんな内容充実の自転車書籍が普通に出版されていたんだぁとアテネ書房と著者の砂田さんに素直に感心してしまいました。なんだか一気に読んでしまうのはもったいないので、少しずつちびちびと読んでいこうかなと思っております。



 えっと、なんか僕もやたら饒舌になった気がしますが、これはお酒のせいではありません。飲みたいんですけど、残念ながら部屋にはアルコール類は何もなし。ほんと残念。